経営管理にAI(AIエージェント)を活用する方法とは?具体的な業務や活用事例を解説
ChatGPT・Claude Code・AI搭載SaaSの使い分け、予実管理や財務分析での具体例、AIエージェント導入6ステップを解説します。

王浩南
Founder & CEO
「毎月の予実をまとめるのに丸一日かかっている」「AIが使えると聞いたけど、どのように活用すればいいかわからない」——こうした声はよく聞かれます。
AIにより、これまで手作業に頼っていた経営管理の業務が大きく変わりつつあります。
データの集計・分析・レポート作成といった時間のかかる定型的な作業ほど、AIとの相性がよく、導入による効果も実感しやすいです。
本記事では、経営管理にAIを活用するために、活用できるAI、システムの種類、業務別の活用方法と事例、AIエージェントの実装ステップをまとめて解説します。経営管理にAIの活用を検討中の方はぜひ参考にしてみてください。
経営管理とは
経営管理とは、会社が目指す方向へ進めているかを数字で確認し、必要に応じて軌道修正を行うことであり、大きく「予実管理」「財務管理」「戦略管理」の3つに整理できます。
経営管理の項目 | 内容 |
|---|---|
予実管理 | 立てた予算に対して実績がどう動いているかを追い、期末の着地を見極める |
財務管理 | P/L・B/S・キャッシュフローを把握し、会社の財務状態を健全に保つ |
戦略管理 | 市場や競合の動向を分析し、中長期の経営方針や意思決定を支える |
この3つは独立した業務ではなく、予実のズレが財務指標に影響し、財務の状態が取れる戦略を変えるという形で連動しています。
これまでの経営管理では、各部門やシステムに分散したデータを集め、集計し、分析するまでに多くの時間がかかることが課題でした。
AIを活用することで、こうした作業を効率化し、経営判断に必要な情報をより早く把握できるようになります。
経営管理で活用できるAI・システム
経営管理に活用できるAI・システムは、大きく4種類に分けられます。
ここでは予実・財務・戦略の3つの領域に対してどのような使い方ができるかを解説します。
①チャット型AI(ChatGPT等)
②AIエージェント(Claude Code等)
③自社システム
④AI機能搭載の経営管理SaaS
①チャット型AI(ChatGPT等)
チャット型AIは、経営管理にAIを取り入れるうえで、最初に試しやすいツールです。
予実・財務・戦略の管理で、差異分析や要点整理、施策検討の壁打ち相手として使うことができます。
たとえば、月次データのCSVファイルをChatGPTに渡すことで、予算と実績の差異や、確認すべきポイントを整理してくれます。

チャット型AIは、月次報告のコメント作成や差異分析のたたき台づくりに向いていますが、出力内容は必ず人が確認することが必要です。
また、財務データや個人情報を扱う場合は、社内ルールや利用環境を整えたうえで活用することが重要になります。
②AIエージェント(Claude Code等)
チャット型AIが対話で回答するのに対し、AIエージェントは指示に沿って複数のステップを自律的に実行することが特徴です。
Claude CodeなどのAIエージェントを使うと、データ取得・集計から分析、出力という一連の流れを自動化できます。
たとえば、以下は、freeeから取得した会計データをもとにClaude Codeで取引内容をチェックし、確認事項を整理したうえで、Notionにレポートとして保存している例です。

画像引用・参照:「freee mcp×Claude code×Notionの会計チェックに関するポスト」@NGjZL78snQmNyJf
また、実際に、Claude Codeを使って着地P/Lや資金繰りの更新前後を比較し、数値の整合性確認や財務分析を行う例も見られます。
実務解像度が高いほど、経営企画や財務経理などの業務でAIエージェントを活用しやすくなる点が特徴です。
③自社システム
自社システムは、自社の業務に合わせて、AIシステムを一からカスタマイズしながら作る方法です。
既存のサービスでは対応しにくい独自の管理方法がある場合や、今使っている社内システムと細かくつなげたい場合に適しています。
自由度が高く、自社に合った仕組みを作りやすい一方で、導入や運用のハードルは高くなりやすい点に注意が必要です。
外部のシステム開発会社に依頼すると、費用は数百万円から数千万円になることもあり、作って終わりではなく、その後の修正や改善にも継続的な費用がかかります。
社内で開発する場合も、エンジニアの確保が必要なため、前もって準備をする必要があります。
④AI機能搭載の経営管理SaaS
AI機能搭載の経営管理SaaSは、組み込まれたAIにより予実管理・財務分析・経営レポート作成などを効率化できるクラウド型のシステムです。
ERPのような大規模なシステムと比べて、必要な機能から比較的手軽に使い始められ、会計ソフトの財務データを取り込むことで、ダッシュボード上で数値を見える化しAIによる分析ができる点が特徴です。
チャット型AIだけではカバーしきれない財務データの安全な管理や会計ソフトとの連携、予実管理、レポート作成といった機能を備えており、経営管理に必要な機能をまとめて利用できます。
チャット型AIを経営管理業務で活用する際の課題について詳しく確認したい方は、以下のプレスリリースをご覧ください。
中小企業向け経営管理AIエージェント「AI CFO」を正式リリース。経営分析・予算策定・ダッシュボードで経営の可視化、3機能同時公開で意思決定を加速
このような課題に対して、当社が開発・運営するmetricsは経営管理に必要な機能が組み込まれており、freee・マネーフォワードとのAPI連携で財務データを自動取得し、経営ダッシュボードの構築・予実管理・AI CFOによる経営分析を効率化できます。
気になる方は以下からmetricsのサービス内容を確認してみてください。
実際に、AIエージェントを自分で一から作ろうとした税理士の方からも、既存のAI機能搭載の経営管理SaaSを活用することで本業に集中しやすくなるという声があります。
「AIエージェントを自分で一から作ることも考えたが、構想づくりや仕様理解、セキュリティ対応、運用後の維持管理まで考えるとハードルが高く、既存サービスを活用することで顧客支援の質を高める時間に集中したい」
※生成AI・AIエージェントはすべての企業が今すぐ使うべき
ChatGPTやClaude Codeのような生成AI・AIエージェントは、一部の先進企業だけが使う特別なツールではなく、すべての企業が使うべき基本ツールになりつつあります。
資料作成、データ分析、レポート作成、業務チェックなどにすぐ活用でき、大きな開発費をかけずに始められる点が特徴です。
実際に、IPA「DX動向2025」によると、2024年度に生成AIを導入・試験利用・検討している企業は、日本で56.6%、米国で86.2%、ドイツで79.5%となっており、世界的にも活用が進んでいます。

今後は、生成AIを使うかどうかではなく、どう業務に組み込むかが重要になります。
まずは汎用AIを日常業務で使い始め、そのうえで自社のデータ量やセキュリティ要件、運用体制に応じて、自社開発や経営管理に特化したSaaSの活用を検討するのがよいでしょう。
【業務別】経営管理においてAI活用できる業務
ここでは、経営管理の仕事でAIをどのように使えるのかを、予実管理・財務管理・戦略管理の3つに分けて紹介します。
具体的な活用イメージもあわせて見ていきましょう。
予実管理業務
財務分析業務
戦略関連業務
予実管理業務
予実管理は、経営管理の中でもとくにAIとの相性がよい領域です。
予算と実績のズレの確認や期末見込み、予算案の作成などは、AIが得意なデータ整理や傾向の把握と相性がよく、毎月の確認・集計作業の負担を減らせます。
予実差異の検出
期末着地の予測
予算案の作成・修正
予実差異の検出
予実差異の検出とは、予算と実績の差が大きい科目を素早く特定し、注目すべきポイントを絞り込む作業です。
AIを活用することで、多くの科目を一つひとつ確認しなくても、差異が大きい項目や注意すべき変化を短時間で見つけやすくなります。
たとえば、ChatGPTに予算と実績のCSVを渡して「差異が大きい科目と要因の仮説を教えて」と言うと、優先的に確認すべき項目とコメントをすぐに返してくれます。
ChatGPTで予算と実績の差異分析をしている図

確認すべきポイントを素早く整理でき、原因を調べたり、次に何をすべきか考えたりする時間を作りやすくなるでしょう。
期末着地の予測
期末着地の予測とは、現在の実績トレンドをもとに「このまま進んだら期末はどうなるか」を見通す業務です。
AIにより、最新の実績データをもとに期末の見込みを短時間で確認し、早めに経営判断や節税対策を検討しやすくなります。
たとえば、AI機能が搭載された経営管理SaaS「metrics」では日々更新される会計データをもとに、「期末着地の予測をしてください」と依頼入力すると、主要な数値や注目すべきポイントを整理してくれます。
metricsで期末着地の予測を確認している図

最新の実績データをもとに期末の見通しをすばやく確認できるため、経営判断や節税対策を早めに考えやすくなるでしょう。
予算案の作成・修正
予算案の作成・修正は、過去の実績を参照しながら来期の売上・費用・利益を積み上げていく業務で、担当者の工数がかかりやすい作業です。
AIを導入すれば、売上目標や費用の方針に沿って、過去実績をもとに予算案のたたき台を短時間で作成でき、複数パターンの比較や修正も行いやすくなり、手入力や計算にかかる時間を減らせます。
たとえば、metricsのAI CFOを使えば、売上目標や費用の方針をチャットで伝えるだけで、実績データをもとに予算案を作成できます。
metricsで予算案を作成している図

予算作成・修正にかかる手間を減らすことで、経営者と一緒に「どのような計画で進めるか」を考える時間を作りやすくなるでしょう。
財務分析業務
財務分析は、P/L・B/S・キャッシュフローといったデータを読み解き、会社の財務状態を正確に把握する業務です。
売上や費用、資金の動きなどを整理し、気になる変化を見つける作業はAIと相性がよく、担当者の手作業を減らすことができます。
財務データの集計・構造化
キャッシュフロー予測
異常の検出・アラート
財務データの集計・構造化
財務データの集計・構造化とは、会計ソフトから出したCSVやExcelのデータを、分析しやすい形に整える作業です。
AIを活用することで、月別・科目別の集計や表の作成、前年同月比の追加などを短時間で行いやすくなります。
たとえば、ChatGPTに複数月分の損益データを渡して「月別・科目別に表で整理してください」と依頼すると、表形式でまとめたり、前年同月比などを追加したりできます。
ChatGPTで複数月分の財務データを整理している図

手作業で表を整える時間を減らし、数字の確認や分析に時間を使いやすくなるでしょう。
キャッシュフロー予測
キャッシュフロー予測とは、今後のお金の出入りを見通し、資金が足りなくなる可能性がないかを確認する業務です。
AIにより、過去の入出金データをもとに今後の資金残高を予測し、資金不足のリスクに早めに気づきやすくなります。
たとえば、metricsでは、キャッシュフロー項目ごとの実績や前年差分を確認しながら、AI CFOに分析を依頼することで、キャッシュフロー予測レポートを確認できます。
metricsでキャッシュフロー予測レポートを確認している図

現在の現預金残高や営業・投資・財務活動による資金の動きをもとに、今の状況や今後の見通しを整理しやすくなるでしょう。
異常の検出・アラート
異常の検出・アラートとは、売上の急な減少や費用の急増など、いつもと違う動きをしている数値を見つけ、必要に応じて担当者に通知する仕組みです。
AIを導入すれば、多くの数値の中から大きく変化している項目を見つけやすくなり、確認すべきポイントを素早く整理できます。
metricsのAI CFOを使えば、財務データをもとに異常値や全体の整合性をすぐに確認できるようになります。
metricsのAI CFOで財務データの気になる変化を確認している図

見落としやすい数値の変化にも気づきやすくなり、アラートをきっかけに早めの原因確認や対策を進めやすくなるでしょう。
戦略関連業務
戦略関連業務は、財務データだけでなく市場・競合・外部環境の情報も組み合わせて、会社の将来の方向性を考える業務です。
情報の収集・整理・シナリオ検討など、AIがサポートできる作業が多く含まれています。
複数シナリオの将来予測
競合・市場分析
経営会議・面談向け分析レポート作成
複数シナリオの将来予測
複数シナリオの将来予測とは、売上が伸びた場合・横ばいの場合・下がった場合など、いくつかのパターンで将来の売上や利益を見通す作業です。
予算案の作成・修正が、具体的な予算数値を作り込むための作業であるのに対し、複数シナリオの将来予測は、前提条件を変えた場合に業績がどのように変わるかを大まかに把握するための作業となります。
複数シナリオの将来予測もAIを活用することで、複数の前提をもとにした試算を短時間で行いやすくなり、意思決定に使う材料を整理できます。
ChatGPTに現在の損益データを渡して「楽観・中立・悲観の3パターンで来期の利益を試算してください」と入力すると、シナリオごとの数値や前提を一覧で確認できるようになります。
ChatGPTで複数シナリオの利益予測を作成している図

複数の前提をもとにした検討を進めやすくなり、経営判断のたたき台を作りやすくなるでしょう。
競合・市場分析
競合・市場分析とは、競合企業の動きや市場の変化を調べ、自社の戦略に活かすための情報を整理する業務です。
AIを活用することで、市場動向や競合情報の整理、比較表の作成、調査内容の要約などを効率化できます。
ChatGPTに競合・市場分析のデータを渡して「市場動向の要約、競合比較、自社の強み・弱み、今後取るべき施策3つを整理してください」と入力すると、情報を整理したうえで、比較表や要点をまとめて返してくれます。
ChatGPTで市場動向や競合情報を整理している図

ただし、最新の市場動向や一次情報については、AIの出力をそのまま使うのではなく、人の目で情報源を確認したうえで判断することが大切です。
経営会議・面談向け分析レポート作成
経営会議・面談向けレポート作成とは、月次の財務データをもとに、経営者へ伝えるべきポイントを整理する業務です。
AIを活用することで、財務データから重要な変化や論点を整理し、会議や面談で話す内容のたたき台を短時間で作成できます。
metricsのAI CFOを使えば、財務データをもとに上半期の業績サマリーレポートなどを短時間で作れます。
metricsのAI CFOで経営会議・面談向けの論点を整理している図

報告準備にかかる時間を減らせるため、分析内容の確認や、面談前の論点整理に時間を使いやすくなるでしょう。
AIエージェントを経営管理に活用する方法
AIエージェントを経営管理に活用するには、ただツールを導入するだけではなく、どの業務にどのデータを使うのか、どのように社内で運用するのかを順番に整理することが欠かせません。
ここでは、AIエージェントを経営管理に取り入れる際の流れを、以下の6つのステップに分けて解説します。
活用パターンの整理と目的の設定
既存データの棚卸しと品質の確認
CRM・会計データの統合フロー設計
AIエージェントの開発・実装
運用マニュアルの作成と社内定着
精度検証と継続的な改善
活用パターンの整理と目的の設定
AIエージェントを導入する前に、まず「どの業務で使うのか」「何を効率化したいのか」を決めることが大切です。
目的があいまいなまま進めると、せっかく作っても現場で使われない仕組みになってしまう可能性があります。
たとえば、経営管理では
予算と実績の差を自動で見つける
売上や費用の大きな変化に気づきやすくする
月次レポートのたたき台を自動で作る
複数のシナリオで将来の数字を試算する
のような使い方があり、どの使い方を選ぶかによって、必要なデータや連携システムの準備にかかる時間が変わります。
そのため、経理・経営企画などの現場担当者と経営層が一緒に話し合い、「まずどの業務からAIに任せるか」を決めておくことが重要です。
既存データの棚卸しと品質の確認
AIエージェントの精度は、扱うデータの質に大きく影響されます。
精度の高い分析や予測を実現するには、過去の財務データ・記帳の状態・社内ナレッジを事前に整理しておく必要があります。
具体的には
会計ソフトへの入力が正確かつ一貫して行われているか
過去データがどこにどの形式で保存されているか
社内ルールや業界特有の知識がどこかに整理されているか
部門ごとに異なる集計方法や名称のゆれがないか
のような観点で確認し、準備をする必要があり、散らばったデータを集め、クリーニング・統一・整備するだけで数週間から数ヶ月かかるケースも珍しくありません。
AIエージェント構築の前段階として、ここが最もボトルネックになりやすいステップです。
CRM・会計データの統合フロー設計
予実管理や財務分析にAIエージェントを活用するには、会計データと営業データを一元的に扱えるデータ連携の仕組みが必要です。
経営管理の文脈で連携を検討すべき主なシステムは以下になります。
システム | 主な役割 |
|---|---|
freee / マネーフォワード | 仕訳・試算表・キャッシュフローなどの財務データ |
HubSpot / Salesforce | 受注・商談・顧客情報などの営業・CRMデータ |
予算管理ツール / Excel | 計画値・予算データ |
これらのシステムからデータを取得してAIエージェントに渡すには、APIなどを通じた連携フローを設計する必要があります。
どのデータをどのタイミングでどのシステムから取得するかの設計には、技術的な知識と各ツールの仕様への理解が求められ、連携するシステムの数が増えるほど設計の複雑さも上がるでしょう。
AIエージェントの開発・実装
ここが、自社開発における最大のコスト・工数が集中するステップです。
外部のシステム会社に開発を依頼する場合、規模によって異なりますが数百万〜数千万円の費用が発生することも多く、開発期間も数ヶ月単位になります。
費用を抑えたい場合は、Difyのようなノーコード・ローコードのAIワークフロー構築ツールを活用する方法もあります。
Difyでは、「データの入力・処理・出力」の流れをブロックを繋ぐような画面操作で設計でき、コードの知識がなくても基本的なエージェントを作ることが可能です。
DifyでAIエージェントのワークフローを構築している画面

ただし、「ノーコードなら誰でも簡単にできる」というわけではありません。
どのモデルを使い、どのプロンプトで動かし、どのデータをどの順番で処理するかを自分で設計する必要があり、思った通りの挙動にするまでの試行錯誤、テスト、修正を繰り返すには、かなりの時間と労力を要します。
運用マニュアルの作成と社内定着
AIエージェントは、作って終わりではなく、現場の担当者が迷わず使える状態にして、はじめて業務に定着します。
そのためには、操作方法だけでなく、「どの業務で使うのか」「AIの回答を誰が確認するのか」「間違っていそうな場合はどう対応するのか」まで決めておくことが大切です。
具体的には、
担当者向けの操作マニュアルを作る
実際の使い方を説明する研修を行う
AIの出力結果を確認するルールを決める
利用状況を見ながら、使われやすい仕組みに改善する
のような準備が必要になります。
特に経営管理では、売上・利益・資金繰りなど重要な数字を扱うため、「AIの出した結果をそのまま使う」のではなく、人が確認したうえで判断する流れを作ることが重要です。
精度検証と継続的な改善
AIエージェントは、一度作ればずっと同じように使えるものではなく、会社の状況や業務の進め方が変わると、AIの回答が合わなくなることもあります。
そのため、定期的に結果を確認し、必要に応じて設定や使うデータを見直すことが欠かせません。
具体的には、次のような対応が必要になります。
AIの回答が実際の数字や状況と合っているか確認する
回答にズレがある場合は、指示文や使うデータを見直す
会計ソフトや連携システムの変更に対応する
新しい業務や見たい指標が増えたときに設定を追加する
ここまでの準備や改善を自社だけで続けるには、技術・業務理解・運用体制のすべてが欠かせません。
そのため、多くの企業にとっては、AI機能があらかじめ経営管理業務に合う形で組み込まれているSaaSを活用するのも良いでしょう。
経営管理にAI SaaSを活用している事例
AIエージェントを自社で構築するのではなく、AI機能搭載のSaaSを活用することで、導入コストと期間を抑えながら経営管理の高度化を実現した事例を紹介します。
※以下は当社が開発・運営を行っているmetricsを活用した税理士法人による顧問先企業への経営支援事例です。事業会社側の経営管理課題をAIで解決した内容のため、自社への導入イメージの参考としてご覧ください。
報告業務の属人化・品質ムラを解消した事例
過去の振り返りから将来予測・経営対話へ転換した事例
経営データのリアルタイム把握で提案型支援を実現した事例
報告業務の属人化・品質ムラを解消した事例
ベテラン担当者のスキルや経験に依存していた月次報告準備を、metricsのウィジェット定型化とAI CFOの活用によって標準化し、誰でも同じ品質で報告できる体制を整えた事例です。
項目 | 内容 |
|---|---|
課題 | ベテラン担当者に依存した報告準備。担当者によって説明内容や品質にばらつきが生じており、新人スタッフが同等の報告を行うことが難しかった |
取り組み | metricsでダッシュボードのウィジェットを定型化し、AI CFOによる財務データの分析・論点整理を導入。誰が担当しても同じ画面・同じ流れで報告できる仕組みを構築 |
成果 | 面談準備にかかっていた1〜2時間の作業が約3分に短縮。新人スタッフもベテランと同じ品質で報告できるようになり、属人化を解消 |
伊藤会計事務所様では、顧客ごとにベテランが手作業で準備していた面談資料をmetricsのダッシュボードで標準化しました。

ウィジェットの配置やグラフの構成を定型化したことで、担当者の経験やスキルに左右されにくく、誰でも同じようにわかりやすい報告ができるようになっています。
また、みらいと税理士法人様では、AI CFOとAPI連携を組み合わせてレポーティング業務を見直しました。これまで月に1〜2時間かかっていた準備作業が約3分まで短くなり、その分の時間を経営者との話し合いに使えるようになりました。

準備時間の削減にとどまらず、報告の品質を組織として安定させることができた点が、この2社に共通する成果です。
過去の振り返りから将来予測・経営対話へ転換した事例
試算表の読み合わせが中心だった月次報告会を、metricsの活用によって「未来を設計する対話の場」へと変えた事例です。
項目 | 内容 |
|---|---|
課題 | 月次報告が試算表の数字を読み上げる「過去の振り返り」で終わっていた。経営者が次のアクションに向けた議論をする余裕が生まれにくかった |
取り組み | metricsのダッシュボードでウィジェットを統一し、実績の確認から着地予測・シナリオ比較まで一つの画面で完結できる構成に変更 |
成果 | 報告会が「過去→現在」の確認から「現在→未来」の対話へと変化。経営者が数字を起点に先を見据えた議論を主体的に行えるようになった |
エンジョイント税理士法人様では、過去データの読み上げに終始していた報告会の構造を変えるためにmetricsを導入しました。

実績データとあわせて着地見込みや予算との比較をダッシュボードで即座に確認できるようになったことで、面談中の会話が「このままだとどうなるか」「次に何をすべきか」という未来に対する内容に変化しています。
経営データのリアルタイム把握で提案型支援を実現した事例
月次の試算表を待つことなく経営データをリアルタイムで把握できる体制を構築し、「経理代行」から「戦略パートナー」へとサービスの価値を変えた事例です。
項目 | 内容 |
|---|---|
課題 | 試算表ベースの月次報告では情報にタイムラグがあり、経営判断に必要なタイミングで数字を提供できていなかった。顧問先からはコストとして捉えられることも多かった |
取り組み | freeeとmetricsのAPI連携を活用し、会計データをリアルタイムで自動取得・可視化できる環境を整備。最新データをいつでも確認できる状態を実現 |
成果 | 面談準備にかかる時間が大幅に削減され、顧問先との対話時間が増加。数字に基づいた先手の提案ができるようになり、戦略的なパートナーとして認識されるようになった |
スタートアップ税理士法人様では、freeeとmetricsの連携によって月次の試算表を待たずに最新の経営状況を把握できる体制を作りました。

これまでは「過去の数字を報告する」ことが中心でしたが、最新のデータをもとに、経営者へ早めに提案できる形へと変わっています。
経理代行を単なる作業ではなく、経営を支えるサービスとして提供できるようになりました。
経営管理をAIで行うなら「metrics」
AIを経営管理に取り入れるときは、どのツールを使うかがとても大切です。
当社が開発・運営するmetricsは、freeeやマネーフォワードと連携して財務データを自動で取り込み、経営状況の見える化、予実管理、AIによる分析をまとめて行えるクラウド経営分析ツールです。
metricsの主な強みは、以下の4点です。
見やすいダッシュボードで、スマートな経営支援を実現
予算管理と将来予測で、未来に繋がる経営を支援
AIが経営データを読み解き、意思決定をサポート
ストレスフリーな初期設定と自動API連携
見やすいダッシュボードで、スマートな経営支援を実現
metricsのダッシュボードは、会計データをグラフで可視化し、顧問先ごとに柔軟にカスタマイズできます。
キャッシュフローやB/S構成、損益分岐点、予実比較など、試算表だけでは伝わりにくい情報を直感的に理解できる画面設計になっています。

月次面談の準備は「ダッシュボードを開いて共有するだけ」で完結し、面談中に「この数字の内訳は?」と聞かれても、その場でクリックして仕訳明細まで即座に確認できるため、会計ソフトに戻る手間が発生しません。
事前準備をせずとも、いつものダッシュボードを見せるだけで面談が完結する状態を実現できます。
予算管理と将来予測で、未来に繋がる経営を支援
metricsの予算管理機能では、経営者と画面を共有しながら数字を動かし、未来の着地をリアルタイムでプレビューしながら議論できます。
予算を設定した場合も自動予測の場合も、ダッシュボード上でワンクリックで切り替えながら「今どこにいるか」「このまま進むとどうなるか」をすぐに確認できることも特徴です。

予算だけでなく売上・費用・投資計画などの前提を変えた複数のシナリオをいつでも簡単に作成可能。また、実績と予算を並べて確認しながら改善ポイントを特定し、節税対策や設備投資といった提案をその場で数字を動かしながら検証できます。
AIが経営データを読み解き、意思決定をサポート
metricsのAI CFOは、財務データ・会計仕訳・会社のナレッジを横断的に分析し、経営状況の把握から予算案作成までを支援するAIエージェント機能です。
主に3つの機能があり、財務データをもとにした経営分析、見たい数値を整理したダッシュボードの作成、売上目標や費用方針を反映した予算案の作成を支援します。

これまで手作業で行っていた論点整理や画面設定、予算作成の負担を減らし、経営者との対話や意思決定に時間を使いやすくなります。
AI CFOは大幅にアップデートされ、従来の経営分析に加えて、予算管理とダッシュボード構築までAIが一気通貫で対応できるようになりました。
各機能のデモや活用イメージは、以下のYouTubeで確認できますので、ぜひ確認してみてください。
metrics AI CFO 機能紹介プレイリスト|YouTube
ストレスフリーな初期設定と自動API連携
metricsはfreee・マネーフォワードとAPI連携しており、連携を許可するだけで仕訳・帳票を自動で取り込み、科目やキャッシュフロー項目についても自動でマッピングされます。
会計データは毎日自動で更新されるため、面談前にデータを引き直す手間が発生しません。開いた瞬間から最新のデータが揃った状態で面談に臨めます。

月次面談の準備に必要であったデータ取得や更新確認などの作業を減らし担当者の工数を大幅に削減できます。
空いた時間を経営者との話し合いのための準備や、より役立つ提案に使えるようになるでしょう。
当社metricsは無料デモを受け付けておりますので、経営管理ツールをご検討中の方はぜひ以下のURLより、お試しください。
まとめ
本記事では、経営管理でAIをどのように使えるのかを、活用できるツールの種類、業務ごとの使い方、AIエージェントを導入する流れ、実際の活用事例に分けて紹介しました。
経営管理では、データを集める、整理する、分析する、レポートを作るといった作業が毎月発生します。こうした手作業の多い業務にAIを取り入れることで、担当者は数字の確認や、経営者への提案により多くの時間を使いやすくなります。
まずは、ChatGPTなどに財務データのCSVを渡して、分析や文章レポート作成を試してみるところから始めるのがおすすめです。一方で、継続的に業務で使う場合や、セキュリティ・安定性を重視する場合は、AI機能を備えた経営管理SaaSの活用も良いでしょう。
自社でAIエージェントを一から作る方法もありますが、業務の整理、データの準備、システム連携、開発、社内での使い方の定着、定期的な見直しには時間とコストがかかります。
そのため、多くの企業にとっては、最初から経営管理に使いやすい形でAI機能が組み込まれているSaaSを活用する方が、取り組みやすい方法といえるでしょう。
経営管理へのAI活用を検討している方は、ぜひmetricsのサービスサイトもあわせてご覧ください。
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