レポート作成が1〜2時間から3分へ。みらいと税理士法人がmetricsで実現した"対話型"経営伴走支援
みらいと税理士法人が、クラウド経営分析ツール『metrics』を通じて実現した、経営者と並走する"対話型"の経営伴走支援を紹介します。直感的なレポートとAI CFO機能を活用することで、月次15〜30時間を要していた財務分析業務がどのように刷新され、顧問先との関係性がいかに変化していったのかを紐解きます。

王浩南
Founder & CEO
本記事のポイント
みらいと税理士法人は、「経営伴走支援」の中で、経営者に数字を報告して終わりではなく、数字を起点に対話しながら「次の一手」を共に考える関係性を重要視している。その実現には、"一緒に見る"ことを可能にする可視化の基盤が不可欠だった
導入前は、スプレッドシートへのデータ加工・グラフ作成・スライド作成というフルオーダーメイドのフローで、1社あたり1〜2時間、月次15〜30時間を財務分析・レポーティングに費やしており、数字を「一方的に見せる」関係から抜け出せないことが最大の課題だった
複数ツールを比較検討した結果、コストの安さ、会計ソフトとのAPI連携、ビジュアルの完成度、そしてAI CFO機能が決め手となり、metricsの採用を決定した
導入後、レポート作成は1〜2時間から3分に短縮。会社によっては"レポート"を作ること自体をやめ、画面を一緒に見ながらその場でKPIとアクションを決めるスタイルへと移行し、その結果、1人あたりの対応可能社数も拡大できる手応えがある
経営者との対話が能動化し、「人をもう一人雇ったらどうなると?」など将来の意思決定に踏み込んだ質問が自然と出るように変化。伴走支援中の会社は軒並み最高売上を更新している
みらいと税理士法人
「みらい×ライト=未来を明るく照らす存在」を理念に掲げ、福岡と大分の2拠点で展開する税理士法人。スタートアップから成長企業、個人のお客様まで幅広く支援する。税務・会計にとどまらず、数字を起点に経営者と並走する「経営伴走支援」を強みとし、公認会計士・税理士・金融機関出身者からなる専門家チームで、あらゆる課題をワンストップで解決する。
https://www.milightms.com/
今回取材させていただいたみらいと税理士法人では、数字の"報告"ではなく、数字を起点に未来について”対話”する「伴走型」の支援を展開されています。その実現基盤として導入されたのが、クラウド経営分析ツール「metrics」です。導入の背景にあった課題、ツール選定の決め手、そして導入後に生まれた組織・クライアントの変化について、惣福脇氏にインタビューしました。
1. 数字の「報告」ではなく「次の一手を共に考える」経営伴走支援」
――みらいと税理士法人の事業内容と強みについて教えてください
私どもみらいと税理士法人は、福岡と大分の2拠点で展開している税理士法人です。
福岡事務所では、創業したばかりのスタートアップ企業や、事業承継を経た若手2代目経営者の方々を中心にサポートしています。不動産・建設業をはじめ、業種は多岐にわたります。大分事務所では地域に根ざした幅広いクライアントを支援しており、両拠点合わせて20名のスタッフ体制で運営しています。
私どもの強みは、税務・会計にとどまらない「経営伴走支援」にあります。顧問プランによっては、税務顧問に加えて経営者の方と並走しながら実際のアクションを促すサポートもご提供しています。私自身が京都大学のEMBAプログラムで学んだコーチングのメソッドも取り入れながら、「正確な現状把握→素早い意思決定→実行」というサイクルを経営者の方と一緒に回していくイメージです。
数字を報告して終わりではなく、経営のリアルをきちんとお伝えして、次の一手を一緒に考える。そういった関係性を大切にしています。
2. 月15〜30時間、フルオーダーメイド分析の限界
――metrics導入前、財務分析やレポーティングはどのように運用されていましたか?
導入前は、会計ソフトに内蔵されている簡易的な分析機能をメインに使っていました。ただ、それだけでは物足りないお客様については、スプレッドシートにデータを落として加工しながら分析・レポーティングするという運用をしていました。
福岡事務所だけで15社ほどがそのスプレッドシート対応の対象で、作業フローは「データ抽出→スプレッドシートへの貼り付け→グラフ作成→スライド作成」という流れです。しかもお客様ごとに見たい指標も分析の切り口も違うので、ほぼフルオーダーメイド。1社あたり1〜2時間、月次で15〜30時間は財務分析・レポーティングだけで費やしていました。
課題は複合的でした。
まず作業量。毎月この工程を繰り返すだけで相当な時間が飛んでいきます。
次にアウトプットの品質ムラ。私自身はレポートの見た目にもこだわりたいのですが、担当者によっては「え、このままお客様に持っていくの?」と思う仕上がりになることも正直ありました。
さらに分析の切り口のズレ。例えば飲食店であればFLコスト比率を軸に読み解くべきところを、他業種と同じテンプレートで分析してしまうようなケースもあり、業種特性を踏まえた分析ができているかどうかは担当者のスキルに依存していました。
そして一番もどかしかったのがお客様との関係性の部分です。せっかく時間をかけてレポートを作っても、結果として「一緒に数字を見ていく」のではなく、「作ったものを一方的に見せる」関係になってしまっていました。数字を起点にお客様が能動的に動く、という場面がなかなか生まれにくかったんです。経営伴走支援を目指している事務所として、ここは一番変えたいと感じていた部分でした。

3. 決め手はAI CFO、「お客様と一緒に数字を見ていく」を支援
――metrics検討のきっかけと、他社製品と比較された観点について教えてください
きっかけは、マネーフォワードさんが主催する士業サミットへの参加でした。会場でMetricsが出展していて、そこで初めて存在を知りました。
導入を決める前にはbixidやマネージドボードとも比較検討しました。比較の観点はいくつかあったのですが、まず率直に言うと——コストが圧倒的に安かったです(笑)。これは実務家として無視できないポイントですよね。
コスト以外の決め手としては、会計ソフトとのAPI連携がスムーズだったこと、そしてグラフが見やすくビジュアル面で優れていたことが大きかったです。お客様に見せたときに「すごい分析をしてくれた!」という印象を持っていただきやすいというのも、実は重要な要素で(笑)。
ただ、これは単なる「見栄え」の話ではないんです。私たちのゴールはあくまで、お客様に会社の現状をわかりやすく伝え、課題を一緒に見つけ、その手立てを考えながら伴走することです。でもそのためには、お客様自身が「自分の会社の現状を把握しよう」と能動的に思ってくれないと、伴走支援の起点すら生まれない。metricsのビジュアルはその入り口を作ってくれるツールだと感じたんです。
――metrics導入の最終的な決め手と、導入後の定着化状況について教えてください
最終的な決め手は、実際に操作してみたことです。特にAI CFO機能を触った瞬間に「これだ!」と直感的に確信しました。
AI CFO機能は、AIと対話しながら会社の数字をどんどん深掘りできる機能です。「なぜこの数字が下がっているのか」「どこに課題があるか」を会話形式で掘り下げられる。これはまさに私たちが目指している「お客様と一緒に数字を見ていく」というスタイルと合致していると感じました。
社内の意思決定については、非常にスムーズでした。スタッフには「とりあえずログインして、直感的に触ってみて」とだけ伝えて、まず使い始めてもらいました。これが第1段階です。第2段階では、損益分岐点や固変分解などの原価計算的な研修を行いながら、AI CFOに入力するプロンプトの工夫をスタッフ全員で話し合っています。さらに「お客様に最低限伝えるべきことはどこか」「付加価値として提供できる部分はどこか」を先輩職員と一緒に整理していく、という形で定着を図っています。
ツールを入れて終わりではなく、チームとして使いこなせるレベルを段階的に上げていくイメージですね。
4. 1〜2時間が3分に、そして"レポートを作らない"という選択肢——伴走支援5社が最高売上を更新中
――導入後、業務やお客様との関係にどのような変化がありましたか?
変化は想像以上でした。
まずレポート作成の時間については、導入前は1社あたり1〜2時間かかっていたものが、今では3分程度になりました。ただ、時間短縮以上に大きな変化があって——会社によってはもはや「レポートという成果物」を作ること自体をやめています。その代わりに、metricsの画面を一緒に見ながらその場で数字を読み解いて、KPIやアクションプランをその場で決めて宿題にする、というスタイルに変わってきています。
お客様の反応も劇的に変わりました。予算を一緒に作っていく場面では、「人をもう一人雇ったらどうなると?」「あとどのくらい投資できる?」といった、将来の意思決定に踏み込んだ質問が自然と出てくるようになりました。以前の「一方的に見せる」関係とは全く違う、能動的な経営者の姿です。
なかには予算を達成したら「次は12ヶ月でなく8ヶ月で達成して、残りの4ヶ月は来年のために動こう」と、自ら負荷をかけてくる経営者も出てきました(笑)。現在伴走支援をしている5社は、軒並み最高売上を更新しています。
そして意外なメリットとして大きかったのが、サービスのスケーラビリティです。これまで経営伴走支援は私がメインで5社限定でしか対応できていませんでしたが、metricsがあれば10社程度まで広げられる手応えがあります。さらにメンバーが育ってくれば、伴走支援を提供できる体制をもっと拡大できるはずです。ツールが、事務所の可能性を広げてくれている感覚がありますね。
5. 率直に言えば、ここはまだまだ。metricsに期待すること
――今後追加してほしい機能や、metricsにどのようなことを期待されますか?
率直に言うと、改善要望はすでに社長に直接お伝えしています(笑)。
まず欲しいのは部門別予算への対応です。複数事業を展開しているお客様も多いので、部門ごとに予算を設定して管理できるようになると、分析の精度がぐっと上がります。
もう一つ、ぜひ実装してほしいのがネクストアクションのリスト管理機能です。お客様と一緒に数字を見ながら決めたアクションプランを、ワンタッチで宿題リストとして出力できるボタンがあったら最高ですね。あるいは、そのアクションの進捗を追えるフェーズ管理表のような機能があれば、伴走支援との相性がさらに良くなると思っています。
今後Metricsに期待することを一言で言うと——単なる財務分析ツールを超えてほしい、ということです。経営者の方が数字と向き合うことを「義務」ではなく「趣味」だと感じられるような、そんなワクワクするツールに進化してほしいと思っています。
数字が面白くなれば、経営が面白くなる。経営が面白くなれば、会社が強くなる。私たちが目指している伴走支援の世界観と、metricsが目指す方向性は同じだと信じています。だからこそ、一緒に育てていきたいツールだと思っています。
6. 10時出社・16時退勤。働き方と顧客満足度を両立する事務所をつくる
――同じような課題を感じている会計事務所の方へのメッセージと、事務所としての今後のビジョンについて聞かせてください
導入を検討しているということは、何か現状を変えたいと思っているから、ですよね。それは経営者の方も同じです。
ツールの導入自体は、実はそんなに大した意思決定ではないと思っています。大事なのはその後——「導入したことを絶対にプラスにする」と覚悟を決められるかどうか、だと思います。ためらっている時間があるなら、まず触ってみてください。直感的に使えますし、AI CFO機能を一度体験したら「これだ」と感じてもらえるはずです。
私自身、metricsを導入したのには強い想いがありました。職員が1社あたり30分で記帳を完了して、残りの1時間をまるごと経営分析やお客様の本質的なニーズに応えるための時間に使えるような事務所にしたい。顧客満足度が上がりながら、10時出社・16時退勤ができるホワイトな職場を実現したい——そういう具体的なビジョンがあったからこそ、導入は「必須」でした。
「絶対にそういう事務所にしてみせます」という気持ちは今も変わっていません(笑)。ツールは手段ですが、使いこなす覚悟さえあれば、事務所の景色は必ず変わると思っています。

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