一人税理士でも、「未来会計」を標準サービスにできる。薬局専門税理士が選んだmetrics

代表1名で調剤薬局を専門支援する市川秀税理士事務所がmetricsを選んだ決め手は「進化のスピード」。未来会計を標準サービスにしていく道のりを伺いました。

王浩南

Founder & CEO

本記事のポイント

  • 市川秀税理士事務所では、薬剤師として調剤薬局で勤務した経験を持つ代表が、薬局経営の現場感を踏まえた税務・会計・経営支援を提供。試算表を作って終わりではなく、経営者が「次の打ち手」を考えられる状態をつくることを重視している

  • 導入前は、財務分析や資金繰り予測はお客様ごとにExcelで個別対応。1社あたり毎月30分程度の作業に加え、会計データの修正のたびに手作業での更新が発生し、代表1名の体制ですべてのお客様へ同水準の分析を継続提供するには限界があった

  • ManageboardやLooker Studioとも比較検討し、最終的な決め手となったのはサービスの更新頻度と成長性。デモで示された開発ロードマップが約1ヶ月以内に実際に実装されていく様子を見て、導入を決断した

  • 導入後、これまで展開しきれていなかった資金繰り予測表を1社あたり30分もかからず初期設定できるように。一度設定すれば次月以降も継続活用でき、月次面談は「先月どうだったか」から「この先どうするか」を話す場へと変化した


市川秀税理士事務所

調剤薬局を中心とした医療・ヘルスケア領域に特化し、税務・会計・経営支援を提供する。代表の市川氏は、薬剤師として調剤薬局での勤務経験を持ち、業界特有の数字と経営の現場感を踏まえた支援を強みとする。東京都日野市を拠点に、クラウドツールとオンライン面談を活用して全国の薬局経営者を支援している。
https://www.pharmacytaxes.com/

今回取材させていただいた市川秀税理士事務所では、税務申告や月次会計にとどまらず、資金繰り予測や未来会計といった「経営判断に役立つ付加価値業務」も展開されています。metrics導入の経緯や決め手、導入後の効果について迫ります。

薬剤師出身の税理士が支える、調剤薬局の経営判断

――市川秀税理士事務所の事業内容と強みについて教えてください

当事務所は、調剤薬局を中心とした医療・ヘルスケア領域のお客様に特化して、税務・会計・経営支援を行っている税理士事務所です。

代表である私自身が、薬剤師として調剤薬局で勤務した経験を持っており、その後、税理士として会計・税務の実務に携わってきました。そのため、単なる税務申告や会計処理にとどまらず、薬局経営の現場感や業界特有の数字を踏まえた支援を行える点が強みです。

主なお客様は、調剤薬局を経営されている法人・個人事業主の方々です。月次決算や税務申告に加えて、資金繰り、銀行融資、出店・承継、M&A、在宅業務や物販を含めた事業展開など、薬局経営者の意思決定に関わるご相談を多くいただいています。

特に重視しているのは、試算表を作るだけで終わらせるのではなく、経営者が自社の状況を直感的に理解し、次の打ち手を考えられる状態をつくることです。そのため、クラウド会計やBIツール、AIなども活用しながら、月次の数字をできるだけ早く、わかりやすく、経営判断に使える形でお伝えすることを意識しています。

現在は、代表税理士1名の事務所として運営しています。小規模な体制ではありますが、薬局業界に特化することで、業界理解の深さと意思決定のスピードを活かした支援を行っています。拠点は東京都西部(日野市)ですが、クラウドツールやオンライン面談を活用し、全国の薬局のお客様を支援しています。

個社別Excelレポートの「継続提供」の限界

――metrics導入前、財務分析やレポーティングはどのように運用されていましたか?

導入前は、財務分析やレポーティング、予算管理については、基本的にお客様から個別にご要望があった場合のみ、Excelで資料を作成して対応していました。ただ、Excelでの対応は自由度が高い反面、毎回資料を作り込む必要があり、継続的に提供するにはどうしても手間がかかります。1社ごとに内容を整理し、見せ方を考え、グラフや表を作成していく必要があるため、月次業務の中で標準的に実施するには負担が大きいと感じていました。

また、当事務所は代表税理士1名で運営していることもあり、すべてのお客様に対して同じ水準で財務分析や経営レポートを提供することが難しい状況でした。結果として、数字を深く見たいお客様には個別対応できる一方で、こちらから能動的にレポートを提示したり、予算管理まで踏み込んだ支援を継続的に行ったりするには限界がありました。

今後、税務申告や月次会計にとどまらず、経営判断に役立つ付加価値業務を拡充していきたいと考えていたため、「財務状況をわかりやすく可視化し、継続的に提供できる仕組みを作りたい」という点に大きな課題を感じていました。

決め手はプロダクトの”進化のスピード”

――metrics検討のきっかけと、他社製品と比較された観点について教えてください

財務分析ツールの導入を検討し始めたきっかけは、個別対応の多いお客様に対して、毎月Excelで作成した財務レポートを展開していたことです。当時は、自社で作成したExcelに会計データを反映し、財務項目を整理したうえでお客様に共有していました。通常の作業でも1社あたり毎月30分程度はかかっていましたし、会計データの修正や集計項目の見直しが発生するたびに、Excel側も手作業で修正する必要がありました。

特に負担に感じていたのは、一度レポートを作って終わりではなく、毎月継続的に更新していく必要がある点です。月次業務の中で、Excelの修正や確認に時間を取られてしまうと、本来注力したい経営分析やお客様への提案に十分な時間を使いにくくなります。

そこで、会計データと連携し、財務状況を自動的に可視化できるBIツールや財務分析ツールを探し始めました。metrics以外にも、ManageboardやLooker Studioなどは検討しました。

Manageboardについては、非財務情報も含めた管理ができる点に魅力を感じました。一方で、当事務所の用途や提供価格とのバランスを考えると、費用感がやや合わない部分がありました。また、レポートを自分で作り込む必要がある点も、代表税理士1名で運営している当事務所にとっては負担になると感じました。

Looker Studioについては、低コストで自由度が高い点が魅力でした。ただ、その自由度の高さゆえに、初期設定やレポート設計にかなり時間がかかる印象がありました。自分で作り込めばできることは多いものの、継続的に複数のお客様へ展開していくには、運用負荷が大きいと感じました。

比較するうえで重視していたのは、費用感、操作性、会計データとの連携、レポート作成にかかる手間、そして複数のお客様に継続的に展開できるかどうかです。その点で、metricsは会計データをもとに財務状況をわかりやすく可視化でき、かつレポートを作り込む負担を抑えながら運用できる点が、自分の課題感に合っていると感じました。

――最終的にmetricsを採用された決め手を教えてください

最終的な決め手は、サービスの更新頻度今後の成長性です。

正直なところ、最初にデモを拝見した時点では、機能面で「もう少しこういうことができると良いな」と感じる部分もありました。ただ、そのデモの打ち合わせの中で、今後3ヶ月程度の開発ロードマップを具体的に示していただいたことが印象に残っています。

最初は半信半疑な部分もありましたが、デモ体験の期間中に、実際にお話しいただいた内容が約1ヶ月以内に開発・改善されていく様子を見て、サービスとしての進化の速さに魅力を感じました。現在のように環境変化が大きい時代においては、ツールも「導入した時点で完成しているか」だけでなく、「導入後にどれだけ進化していくか」が非常に重要だと考えています。その点で、metricsには今後の成長性を感じました。

また、当事務所は代表税理士1名で運営しているため、所内での意思決定は非常にスムーズでした。自分自身が日々の業務課題を直接感じていたこともあり、「このスピードで改善が続くのであれば、今後の付加価値業務の基盤として使える」と判断し、導入を決めました。

資金繰り予測を短時間で実現。面談は「未来の相談」の場へ

――導入後、業務やお客様との関係にどのような変化がありましたか?

導入後の大きな変化は、これまで個別対応になりがちだった財務レポートや資金繰り予測を、より短時間で、継続的に提供しやすくなったことです。現時点では、まだ全社展開という段階までは至っていませんが、これまでなかなかお客様に展開しきれていなかった資金繰り予測表についても、1社あたり30分もかからない程度で初期設定できるようになってきました。

特に大きいのは、一度設定してしまえば、次月以降も継続して活用できる点です。従来は、資金繰り表や予測資料を作成しようとすると、Excelでの作成・修正・更新に手間がかかり、どうしても個別対応になってしまっていました。metricsを使うことで、今後の資金繰りに関する相談にも、よりスムーズに対応できるようになってきたと感じています。

レポート作成についても、単に作業時間が短くなるだけでなく、見せ方が整っているため、お客様に共有しやすくなりました。試算表や数字の羅列だけでは伝わりにくい内容も、グラフや予測を通じて視覚的に説明できるため、月次面談でのコミュニケーションがしやすくなっています。

お客様の反応として印象的なのは、月次会計の打ち合わせが、過去の数字を確認する場から、今後の資金繰りや経営判断について話す場に変わってきたことです。以前は「先月どうだったか」という振り返りが中心でしたが、導入後は「この先どうなるか」「今のうちに何を考えるべきか」といった未来志向の会話が増えてきました。これは、当事務所が目指している付加価値業務とも非常に相性が良いと感じています。高単価の顧問契約であっても、単なる申告・記帳の対価ではなく、経営判断に役立つ情報提供ができることで、お客様に継続的な価値を感じていただくための基盤になっていると考えています。

導入前には想定していなかったメリットとしては、こちら側の説明の仕方も変わったことです。数字を一から説明するのではなく、可視化された資料をもとに会話できるため、経営者との目線合わせがしやすくなりました。結果として、月次面談そのものの質が上がっていると感じています。

「訪問しなくても伝わる報告」へ。metricsに期待すること

――今後追加してほしい機能や、metricsに期待することを教えてください

実際に使う中で感じている要望については、すでにいくつかお伝えしています。そのうえで、今後追加を希望する機能としては、大きく2つあります。

1つ目は、スマートフォンでも見やすく確認できるようにすることです。薬局経営者の方は、店舗運営の合間にスマートフォンで情報を確認される場面も多いため、スマートフォンからでも主要な数字やレポートを確認できると、より日常的に活用しやすくなると感じています。

2つ目は、税理士が訪問して説明しなくても、お客様自身がある程度内容を理解できるような報告資料を作成できる機能です。たとえば、月次レポートをメールでお送りしただけでも、「今月のポイント」「注意すべき数字」「今後の資金繰りの見通し」が伝わるような資料を作れると、非常に価値が高いと感じています。もちろん、metricsの設計思想として、税理士とお客様が一緒に画面を見ながら説明することを重視されている点は理解しています。ただ、すべての数字をお客様自身で理解してもらう必要はないとしても、「ここだけは押さえておいてほしい」という重要なポイントが、訪問や面談なしでも伝わる仕組みがあると、税理士事務所にとってもお客様にとっても大きなメリットになると思います。

税理士業界では、お客様のもとへ訪問する時間や、説明資料を個別に作成する時間がどうしても大きな工数になります。(会計処理が1時間で終わっても、月次報告のために、訪問するとどんなに近くても2~3時間つぶれてしまうことはザラです。)一方で、お客様にとっては、数字をわかりやすく把握できること自体に大きな価値があります。そのため、訪問や個別説明の工数を抑えながらも、お客様の満足度を高められるような機能が充実していくと、metricsは税理士業界において非常に独自性の高いサービスになっていくのではないかと期待しています。

資金繰りで困る薬局経営者を、一人でも減らしたい

――同じような課題を感じている会計事務所の方へのメッセージと、今後のビジョンを聞かせてください

生成AIやAIエージェントの進化によって、財務分析や提案資料を自社で作成しやすい時代になってきていると感じています。実際に、一定のリソースがあり、本腰を入れて開発できる事務所であれば、内製化も一つの選択肢だと思います。

一方で、私のような一人税理士の事務所では、お客様に継続的に提供できる品質でアプリやレポート環境を自社開発するには、どうしても工数がかかりすぎます。最初に作ることはできても、改善し続けること、複数のお客様に安定して展開すること、日々の業務の中で運用し続けることまで考えると、負担が大きいと感じます。また、大手の税理士法人や会計事務所であっても、個別にツールを作り込んでいくと、担当者ごとに運用が属人的になったり、全社展開が難しくなったりするケースもあるのではないかと思います。

その点で、metricsのように操作性がよく、わかりやすい財務分析ツールを比較的導入しやすい価格帯で利用できることには、大きな価値があると感じています。さらに、サービス自体が継続的にアップデートされているため、自社で一から内製するよりも、開発・運用・改善にかかるコストを大きく抑えられるのではないでしょうか。同じように、財務分析やレポーティングをもっと標準化したい、月次面談の価値を高めたい、でも自社で作り込むには工数が足りないと感じている税理士法人や会計事務所には、一度試してみる価値があると思います。

当事務所としての今後の目標は、これまで一部のお客様にしか提供できていなかった資金繰り予測や未来会計の支援を、より多くのお客様に標準的に提供していくことです。特に、薬局経営においては、利益が出ていても資金繰りに不安を抱える場面があります。事前に資金の見通しを立てることができれば、借入や投資、人員配置、出店・承継などの意思決定も早くなりますし、経営者が不安を抱えたまま走り続ける状況を減らせると考えています。未来会計を通じて、税務申告や過去の数字の確認にとどまらず、お客様が次の意思決定をしやすい状態をつくること。そして、資金繰りで困るお客様を少しでも減らしていくこと。それが、当事務所として今後さらに力を入れていきたい方向性です。

WEB:

https://www.pharmacytaxes.com/

本社住所:

東京都日野市旭が丘1-7-3 グロリー旭ヶ丘102

設立:

2025年9月

市川秀税理士事務所

WEB:

https://www.pharmacytaxes.com/

本社住所:

東京都日野市旭が丘1-7-3 グロリー旭ヶ丘102

設立:

2025年9月

市川秀税理士事務所

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