【段階別】予算案の作り方9STEP!エクセル・AIなど効率的に作成する方法も解説
企業の予算案の作り方を「準備・設定・仕上げ」の9ステップで解説。作成前に知っておきたい基本から、Excel・AI・専用ツールでの効率化、よくある失敗5選と対策まで紹介します。

王浩南
Founder & CEO
「来期の予算をどう決めればいいかわからない」「作成した予算をどう管理し、見直せばよいかわからない」など悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
予算案は、会社の目標を数字で表し、日々の仕事を進めるうえでの目安になる大切な指標です。
ただし、進め方を決めないまま作り始めると、「なんとなく前年の数字をもとに作って終わり」になってしまいます。
この記事では、企業の予算案の作り方を9つのステップに分けて解説し、作成前に知っておきたい基本から、ExcelやAIを使って作業を楽にする方法、よくある失敗とその対策まで紹介します。
はじめて予算案を作る方や今の予算づくりの方法を見直したい方もぜひ参考にしてみてください。
予算案とは
予算案とは、一般的に、一定期間における収入や支出の見込みをまとめた計画案のことです。国や自治体、団体、企業などで使われ、組織によって内容や目的は異なります。本記事では、その中でも企業における予算案について解説します。
企業の予算案とは、会社が次の期にどれくらい売上を上げ、どれくらい費用を使い、どれくらい利益を出すかをまとめた計画書のことです。
企業の方針や目標を、「いつまでに」「いくらで」「何を達成するか」という形で数字に落とし込むことで、会社の進む方向を明確にする役割があります。
予算案を作ることで、次のような効果が期待できます。
資金計画や人員計画が立てやすくなる
会社全体で目標を共有しやすくなる
売上の変化や思わぬ出費に備えやすくなる
ただし、予算案は「作って終わり」では役に立たず、作ったあとに実際の売上や費用と見比べながら使っていくことで、よりよい判断につなげられるでしょう。
この記事では、企業の予算案の作り方を9つのステップでわかりやすく解説し、予算管理に使えるサービスを活用して作業を楽にする方法も紹介します。
予算案を作る前に知っておきたいこと
予算案の作成に入る前に、管理する項目の種類と計画の構成要素を理解しておくことが大切です。ここでは、把握しておきたい2つのポイントを解説します。
予算案の種類4種(売上・原価・経費・利益)
予算案の3要素(費用・期間・リソース)
予算案の種類4種(売上・原価・経費・利益)
企業の予算案は、売上・原価・経費・利益の4種類の予算をそれぞれ作成し、1つの計画としてまとめるものです。
それぞれの予算が何を表すのか、まずは以下の表に整理します。
種類 | 内容 |
|---|---|
売上予算 | その期に目指す売上の目標 |
原価予算 | 商品の仕入れやサービスを提供するためにかかるお金 |
経費予算 | 人件費や家賃、広告費など、事業を続けるためにかかるお金 |
利益予算 | 売上から原価や経費を差し引いて残るお金の目標 |
予算を細かく分けすぎると確認する項目が増え、管理しきれなくなり、せっかく作った予算表があまり見られなくなってしまうこともあるでしょう。
まずは、売上・原価・経費・利益の4つに整理しておくと、「売上は予定どおりでも、原価や経費が増えると利益が少なくなる」といった関係がわかりやすくなり、数字が変わったときにどこに原因があるのかも見つけやすくなります。
予算案の3要素(費用・期間・リソース)
予算案を作るときは、数字だけでなく、費用・期間・リソースの3つをあわせて考えることが大切です。それぞれの要素が何を指すのか、まずは以下の表に整理しました。
要素 | 内容 |
|---|---|
費用 | 人件費、物品費、運営費、予備費など、事業にかかるお金 |
期間 | 事業を始める時期や終える時期、作業ごとにかかる時間 |
リソース | 担当する人、使う設備、必要な材料など、事業を進めるために必要なもの |
また、費用・期間・リソースは、それぞれ別々に考えるのではなく、つながりを見ながらあわせて考えることで、「何にいくらかかるか」だけでなく、「いつまでに、誰が、どのように進めるか」まで見えやすくなります。
費用だけを決めて、期間やリソースがあいまいなままだと、予算の数字と実際の現場の動きが合わなくなることがあるため注意しましょう。
【段階別】予算案の作り方9STEP
予算案の作成は、大きく「準備・設定・仕上げ」の3フェーズに分かれ、各フェーズを順番に踏むことで、根拠のある数字に基づいた予算案が出来上がります。まずは9STEPの全体像を確認しましょう。
フェーズ | STEP | 内容 |
|---|---|---|
準備 | STEP1 | 直近2〜3期のPLを並べて構成比を把握する |
準備 | STEP2 | 今期の加算要因(伸びしろ)を洗い出す |
準備 | STEP3 | 今期の減算要因(リスク)を洗い出す |
設定 | STEP4 | 売上予算を立てる |
設定 | STEP5 | 原価予算を立てる |
設定 | STEP6 | 経費予算を立てる |
設定 | STEP7 | 利益予算を立てる |
仕上げ | STEP8 | 目標利益との乖離を確認して調整する |
仕上げ | STEP9 | 月次に分解して関係者と共有する |
準備:数字を組む前に実績と方針を整理する
いきなり数字を入力し始めるのではなく、まずは「過去の実績から見えること」と「今期に影響する要因」を整理することが大切です。この準備が、根拠のある予算案作成のために欠かせません。
STEP1|直近2〜3期のPLを並べて構成比を把握する
STEP2|今期の加算要因(伸びしろ)を洗い出す
STEP3|今期の減算要因(リスク)を洗い出す
STEP1|直近2〜3期のPLを並べて構成比を把握する
予算案づくりでは、まず過去2〜3期分の損益計算書(PL)を並べて、売上・原価・経費・利益の変化を確認することから始めます。
金額だけを見るのではなく、それぞれの項目が売上に対してどれくらいの割合を占めているかも確認すれば、年ごとの変化や、急に増えている費用に気づきやすくなります。

クラウド経営分析ツールmetricsでPLを比較している図
たとえば、原価の割合が前年より上がっている場合、仕入れ価格や販売内容などに何らかの変化があった可能性があります。過去の傾向を確認しておくと、次のステップで「今期は何が変わりそうか」を考えやすくなります。
STEP2|今期の加算要因(伸びしろ)を洗い出す
加算要因とは、前期と比べて、売上や利益が増える可能性のある出来事や条件のことであり、STEP1で確認した過去の数字をもとに、今期はどれくらい増やせそうかを考えていきます。主な例は以下のとおりです。
新商品・新サービスを始める
新しい地域や販売方法に広げる
すでに取引のあるお客様に、追加の商品やサービスを提案する
人を増やしたり、設備を整えたりして、対応できる量を増やす
業界全体の市場が広がる、季節的に需要が増える
加算要因は、「ほぼ確実に起きること」と「起きる可能性が高いこと」に分けて整理しておくと、あとで予算を決めるときに考えやすくなります。
根拠なく「来期は前年より何%増」と決めてしまうと、実際の状況に合わない予算になりやすいため、売上や利益が増えそうな理由をひとつずつ確認しておきましょう。
STEP3|今期の減算要因(リスク)を洗い出す
減算要因とは、前期と比べて売上や利益が下がる可能性のある出来事や条件のことであり、加算要因と同じように、今期起こりそうなリスクを前もって整理しておきます。主な例は以下のとおりです。
大口のお客様との取引がなくなる、または少なくなる
競合が増えたり、価格競争が強まったりする
原材料費や仕入れにかかるお金が上がる
昇給や採用により、人件費が増える
市場の状況や景気が悪くなる
リスクを整理する目的は、必要以上に不安を煽ることなく起こりそうなことを前もって考え、予算に反映しておくためです。減算要因を具体的に整理しておくと、その場合どのように対応するかという解決策を事前に用意しておくことができます。
設定:4種類の予算を順番に組み立てる
準備ができたら、4種類の予算を順番に作っていきます。数字をいきなり合計で決めるのではなく、「何に」「どれくらい」かかるのかを分けて考え、ひとつずつ順番に予算を立てていくことが大切です。
STEP4|売上予算を立てる
STEP5|原価予算を立てる
STEP6|経費予算を立てる
STEP7|利益予算を立てる
STEP4|売上予算を立てる
売上予算は、予算案全体の土台になる数字であり、次のような計算式で売上を分けて考えながら積み上げていきます。
売上予算 = 客単価 × 客数
計算例
客単価8,000円 × 月間150客 = 月の売上120万円
これを各月計算し、年間の売上予算を出します。
さらに、商品別や販売方法別に分けて、それぞれの売上を計算する方法もあります。売上をひとつの大きな数字だけで決めるのではなく、「どの商品が」「どれくらい」「いくらで売れるか」まで分けて考えることが大切であり、現場の人も目標を自分の仕事として捉えやすくなるでしょう。
STEP2・STEP3で整理した、売上が増えそうな理由や減りそうな理由も反映し、単に前年と同じような決め方にならないようにしましょう。
STEP5|原価予算を立てる
原価予算は、売上予算とあわせて考えることで、どれくらいの利益が残るかを見通しやすくなります。まずは次の計算式で、売上予算をもとに考えていきます。
原価予算 = 売上予算 × 原価率
計算例
売上予算1,200万円 × 原価率30% = 原価予算360万円
仕入れ単価や仕入れ数量がはっきりしている場合は、次のようにひとつずつ計算する方法もあります。
原価予算 = 仕入単価 × 仕入数量
原価を決めるときは、STEP1で確認した過去の原価率を参考にしながら考えます。過去の原価率から変わる場合は、仕入れ価格が上がった、売れる商品の割合が変わったなど、理由もあわせて残しておきましょう。そうすることで、あとから実際の数字と比べるときに、ずれた原因を確認しやすくなります。
STEP6|経費予算を立てる
経費予算は、事業を続けるためにかかるお金を見込む数字であり、利益にも大きく関わります。まずは、費用の性質に合わせて「固定費」と「変動費」に分けて考えていきます。
経費予算 = 固定費合計 + 変動費合計
費用の種類 | 主な内容 | 特徴 |
|---|---|---|
固定費 | 人件費・家賃・リース料・保険料など | 売上に関係なく、毎月ほぼ一定でかかる |
変動費 | 広告費・販促費・外注費・交通費など | 売上や活動量に合わせて増えたり減ったりする |
計算例
固定費480万円(年間)+ 変動費120万円(年間)= 経費予算600万円
経費を考えるときは、前期の実績をそのまま使うのではなく、今期に増える費用や減らせる費用がないかを確認することが大切です。また、固定費は一度決まるとすぐには減らしにくいため、本当に必要な費用かを確認しておきましょう。変動費は、売上の計画と合っているかもあわせて見ておくと安心です。
STEP7|利益予算を立てる
利益予算は、売上予算・原価予算・経費予算がそろってから計算できる数字です。会社にどれくらい利益が残るのかを確認するために、次のような計算式で考えます。
利益予算 = 売上予算 ー 原価予算 ー 経費予算
計算例
売上1,200万円 ー 原価360万円 ー 経費600万円 = 利益予算240万円(利益率20%)
計算した利益予算は、会社が目指す利益率の水準に届いているかを確認しましょう。もし利益が少なすぎる場合は、売上を増やせないか、原価や経費を見直せないかを次のSTEP8で調整します。
仕上げ:全体を調整して現場に落とし込む
4種類の予算がそろったら、全体を見ながら内容にズレがないか確認し、現場で使いやすい形に整えましょう。数字を無理に合わせるのではなく、実際の状況に合うように調整することが大切です。
STEP8|目標利益との乖離を確認して調整する
STEP9|月次に分解して関係者と共有する
STEP8|目標利益との乖離を確認して調整する
STEP7で計算した利益予算が、会社の目標とずれている場合は、内容を見直して調整します。主な調整方法は、次の2つです。
売上を増やす方法を考える:STEP2で整理した、売上が増えそうな理由をもう一度確認し、実現しやすい取り組みを追加する
費用を見直す:経費の中で、減らせるものや時期を後ろにずらせるものがないか確認する
調整するときは、本当に達成できる数字か、現場の人が納得して動ける数字かを確認することが大切です。予算と実績を画面上で並べて確認できるツールを使うと、どこにずれがあるのかを見つけやすくなり、見直しもしやすくなります。

metricsで実績と予算の推移を確認している図
こうした確認と調整を重ねることで、会社の目標と現場の動きがつながった、実行しやすい予算に近づけることができます。
STEP9|月次に分解して関係者と共有する
年間予算が決まったら、月ごとの予算に分けて、関係者がいつでも確認できる形で共有します。ここまでできて初めて、予算案は実際に使いやすいものになります。
月ごとに分けるときは、ただ12等分するのではなく、売上が増えやすい時期や落ち着きやすい時期、広告や新商品の予定なども考えて配分することが大切であり、次のポイントを確認しておきましょう。
分け方・共有のポイント | 内容 |
|---|---|
季節による変化を反映する | STEP1で確認した、過去の月ごとの売上や費用の動きをもとに分ける |
取り組みの時期を入れる | 広告を出す月や新商品を出す月は、売上や経費の変化も考えて調整する |
担当者・部門ごとに分ける | 誰が、何を、いくらで進めるのかまで具体的にする |
話し合ってから共有する | 経営側と現場が、同じ数字を納得して見られる状態にする |
月ごとの予算を共有したあとは、実際の数字と定期的に比べながら必要に応じて見直すことで、予算案を会社の判断へ活用しやすくなります。
予算案の作成を効率化する方法
予算案の作成を効率化するには、目的や業務の規模に合ったツールを選ぶことが重要です。ここでは、Excel・スプレッドシートのテンプレート、チャット型AI、専用ツール(SaaS)の3つの方法について、それぞれの特徴を紹介します。
Excel・スプレッドシートのテンプレートを活用する
チャット型AIを活用する
専用ツール(SaaS)を使用する
Excel・スプレッドシートのテンプレートを活用する
できるだけ費用をかけずにすぐに始めたい場合は、Microsoftが無料で用意しているExcelの公式テンプレートを使う方法があります。月ごとの予算、事業の予算、節約管理など、目的に合わせたテンプレートがいくつか用意されているため、自社に合うものを選んで数字を入れ替えるだけで使い始められます。使い方の流れは以下のとおりです。
Microsoft公式テンプレートページにアクセスする

画像引用・参照:「予算のテンプレート」Excel
一覧から目的に合ったテンプレートを選んでダブルクリックする
項目名や数字を自社の内容に合わせて変更する
PDFで保存・印刷する、または関係者に共有する
予算表の形を一から作る必要がないため、その日から「入力・確認・共有」を始められます。一方で、時間が経つにつれてファイルが増えたり、数式の修正や集計に手間がかかったりする場合があります。会社の規模が大きくなったり、予算と実績の管理まで行いたくなったりした場合は、SaaS等のツールを利用することがおすすめです。
チャット型AIを活用する
ChatGPTやClaudeなどのチャット型AIは、予算案の下書きづくりに使えます。表の形に整理された予算案を短時間で作成できます。作成した内容はCSVやExcel形式で出力するよう指示することも可能で、そのまま社内共有用のファイルとして活用できます。

ChatGPTで予算案のたたき台を作成している図
チャット型AIや、AIエージェントは、今では一部の詳しい人だけが使うものではなく、多くの会社やビジネスパーソンが仕事に取り入れ始めている便利なツールです。「まだ使ったことがない」という方は、まず予算案の下書きづくりから試してみると、日々の仕事での使い方をイメージしやすくなります。
ただし、チャット型AIや、AIエージェントが作った内容は、そのまま使うのではなく、必ず自分で確認することが大切です。過去の実績や、売上・費用が増えたり減ったりする理由と見比べながら、内容を調整していくとよいでしょう。
専用ツール(SaaS)を使用する
Excelは手軽に使える一方で、数式の修正やファイルの更新を手作業で行う場面が多くあります。また、チャット型AIは下書きづくりには便利ですが、会計データとの連携や継続的に管理していくには向いておらず、入力したデータの扱いにも注意が必要です。
会計データとの連携や、予算と実績の比較までまとめて行いたい場合は、財務・経営管理に特化した専用ツール(SaaS)を使う方法があります。SaaSであれば、必要なデータを一か所にまとめやすく、毎月の数字の確認や関係者への共有もスムーズに進めやすくなります。
また、手作業で数字を転記する機会を減らせるため、入力ミスや確認漏れを防ぎやすい点もメリットです。予算案を作るだけでなく、その後の管理まで行いたい場合は、SaaSの活用を検討するとよいでしょう。
また、なぜチャット型AIでは継続的な予算管理等が難しいのかを詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
中小企業向け経営管理AIエージェント「AI CFO」を正式リリース。経営分析・予算策定・ダッシュボードで経営の可視化、3機能同時公開で意思決定を加速
予算案作成でよくある失敗5選
予算案は、作るだけで終わりではなく作ったあとの使い方を間違えると、うまく役立てられないことがあります。ここでは、実際の現場でよく起こる5つの失敗を紹介します。
根拠のない数字で設定してしまう
作って終わりで予実管理をしていない
担当者任せで経営陣が関与しない
余裕のない予算設定をしてしまう
複数シナリオを用意していない
根拠のない数字で設定してしまう
「前年比○%増」と一律に決めてしまうと、売上や費用が増える理由・減る理由が反映されず、実際の状況と合わない予算になりやすくなります。
市場の状況や競合の動き、自社の商品やサービスの内容が変わっているにもかかわらず、昨年の数字に一定の割合をかけるだけではなぜその数字であるかを説明できないため、以下のような観点も考えることが大切です。
加算要因(新商品投入・新規開拓など)
減算要因(顧客解約・コスト上昇など)
予算にしっかりした理由がなければ、実績と予算に差が出たときに「なぜずれたのか」の振り返りもしにくくなります。STEP1〜3で整理した実績と、売上や費用が増えたり減ったりする理由をもとに予算を作ることが、この失敗を防ぐポイントです。
作って終わりで予実管理をしていない
予算案を作ること自体がゴールになってしまい、その後に実績と見比べないケースは少なくありません。予算は、実績と比べるための目安として使ってこそ意味があるため、作るだけで終わってしまうと、せっかくの予算案を十分に活かせません。たとえば、以下のような確認を毎月行うことが大切です。
予算と実績にどれくらい差があるか
なぜその差が出たのか
次の月から何を見直すべきか
毎月、実績と予算を並べて違いを確認し、必要に応じて次の行動を見直すことで、予算案を実際の経営判断に役立てやすくなります。予算案を活かすための予実管理の進め方について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
予実管理ダッシュボードとは?機能・導入方法・ツール選びのポイントを解説
担当者任せで経営陣が関与しない
予算案の作成を経理・財務の担当者だけに任せ、経営陣が確認しないまま決めてしまうと、会社の方針と現場の数字が合わない予算になりやすくなります。経営陣が関わらないと、次のような問題が起こりやすくなるでしょう。
会社として力を入れたいこと(投資や採用など)が数字に反映されない
現場が「自分たちには関係のない数字」と感じてしまう
途中で状況が変わっても、見直しの判断が遅れやすい
予算案は、会社の進め方を考えるための大切な資料であるため、経営陣も内容を確認し、「この数字で進める」という共通の考えを持つことが大切です。担当者が数字を整理し、経営陣が会社の方針と合っているかを確認しながら、一緒に作っていく形にするとよいでしょう。
余裕のない予算設定をしてしまう
理由のある数字を積み上げて予算を作ったとしても、想定外の出費や市場の変化に対応できる余裕がないと、少しのずれで計画がうまく進まなくなることがあります。たとえば、次のようなことが起きると、当初の予算どおりに進めるのが難しくなるでしょう。
原材料費や仕入れ価格が上がる
採用や人件費に予定より多くの費用がかかる
急な設備トラブルや修理費が発生する
ただ積み上げた数字をそのまま予算にしてしまうと、こうした想定外の出費が発生したときに対応しにくくなります。このような失敗を防ぐには、経費予算に予備費を入れておく、売上目標を「達成しやすい目標」と「少し高めの目標」に分けて考える、といった工夫が必要です。
複数シナリオを用意していない
予算案が1つだけだと、前提としていた状況が変わったときに、どう見直せばよいか判断しにくくなります。事業の状況や市場の動きが変わりやすい場合は、よい場合・標準的な場合・悪い場合の3つのパターンで予算を考えておくと安心です。
シナリオ | 考え方 | 活用場面 |
|---|---|---|
楽観シナリオ | 売上が伸びたり、新しい取り組みがうまく進んだりした場合 | 追加の投資や採用を考えるときの参考にする |
標準シナリオ | 最も現実に近い見通し | 日々の経営管理の基準にする |
悲観シナリオ | 売上が想定より下がったり、費用が増えたりした場合 | 資金繰りやリスクへの備えを考える |
複数のパターンを用意しておくと、市場の状況が想定より悪くなったときにも、「今はどのパターンに近いか」を確認しやすくなります。また、悪い場合でも事業を続けられるかを事前に確認しておくことで、資金面の不安にも備えやすくなります。
予算案の作成を効率化するなら「metrics」
ここまで解説してきた予算案の作成・管理を一気通貫で効率化したいなら、metricsが活用できます。当社が開発・運営するmetricsは、会計データを「見える化」し、経営判断に必要な情報をリアルタイムで把握できるクラウド経営分析ツールです。税理士事務所から中小企業の経営企画まで、幅広い現場でご活用いただいています。

metricsが持つ特徴は、以下の4つです。
見やすいダッシュボードで、スマートな経営支援を実現
予算管理と将来予測で、未来に繋がる経営を支援
AIが経営データを読み解き、意思決定をサポート
ストレスフリーな初期設定と自動API連携
見やすいダッシュボードで、スマートな経営支援を実現
metricsは、月次の経営報告を「Excelで報告レポートを毎月組み直す数時間」から「ダッシュボードを開いて共有するだけ」へと変えます。キャッシュフローやB/S構成など、試算表だけでは伝わりにくい情報もグラフで視覚的に整理できるため、会計の知識がない方にも状況が伝わりやすいです。

気になる数値はその場でドリルダウンして仕訳まで確認できます。「この経費はなぜ増えた?」という質問にも、その場で数値を掘り下げながら答えられます。
予算管理と将来予測で、未来に繋がる経営を支援
過去・現在の数字を把握するだけでなく、「この先どうなるか」の将来予測も示せることが特徴です。AIサポートや入力ヘルパーを使いながら予算数値を入力するたびに、損益のプレビューがリアルタイムで更新されます。

自動予測モードを使えば、個別に予算を設定しなくても過去の実績データから期末の着地を自動で算出できます。作成済みの予算と自動予測はダッシュボード上でワンクリックで切り替えられるため、現状と今後の見通しをわかりやすく共有できるでしょう。
AIが経営データを読み解き、意思決定をサポート
2026年にAI機能が大幅にアップデートされ、metricsには「AI CFO」と呼ばれるAIエージェントが導入されました。経営データの分析・ダッシュボードの自動構築・予算案の自動作成を対話形式で行えるようになっており、予算管理を効率化し精度も高められます。

特定の担当者だけに頼っていた業務を、チーム全体で再現しやすくなり、会社独自の確認ポイントや、業界の動向やベースラインをナレッジとして登録しておけば、担当者が変わった場合や引き継ぎの際にも、大切なノウハウを残すことができます。AI CFOの機能については、以下のYouTubeでも実際の操作画面を確認できますので、ぜひご覧ください。
metrics AI CFO 機能紹介プレイリスト|YouTube
ストレスフリーな初期設定と自動API連携
metricsはfreee・マネーフォワードとAPI連携しており、連携を許可するだけで仕訳・帳票を自動で取り込み、科目やキャッシュフロー項目についても自動でマッピングされます。

データはmetricsが定期的に自動更新するため、担当者が更新作業をしなくても常に最新の数字を確認できます。月次の資料準備にかかっていた工数が削減されるだけでなく、経営に役立つ提案を考える時間を増やせるでしょう。
予算案の作成・管理を効率化したい方、または顧問先への経営支援の質を高めたい方は、まずは無料デモで実際の画面をご確認ください。
リンクをクリックすると日程調整ページに移動するので、ご都合の合う日時を選んで予約してください。
まとめ
予算案は、来期の数字を埋めるための資料ではなく、会社がどこに向かうのかを具体的にするためのものです。売上・原価・経費・利益を分けて考え、過去の実績や今後起こりそうな変化を反映することで、現実に近い予算を作りやすくなります。
大切なのは、最初から完璧な予算案を作ろうとすることではありません。まずは根拠のある数字で作り、その後は毎月の実績と見比べながら、必要に応じて見直していくことです。予算案は作成して終わりではなく、日々の経営判断に活かしてこそ意味があります。
Excelや生成AIでも予算案づくりを始めることはできますが、継続的に管理し、予算と実績の差を確認しながら改善していくには使いにくい部分もあります。会計データとの連携や月次での確認、関係者への共有までスムーズに進めたい場合は、専用SaaSを活用することで、より実務に合った予算管理を行いやすくなるでしょう。
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