AIで経営分析をする方法とは?ツールの種類やコピペで使えるプロンプトまで徹底解説
AIで経営分析をするとできることを4領域で整理し、目的別ツールの選び方、コピペで使えるプロンプト7選、進め方のSTEP、税理士法人の活用事例まで解説。経営分析をAIで効率化したい方は必見です。

王浩南
Founder & CEO
「決算書から何を読み取ればいいのか分からない」「数字を追っているだけで一日が終わってしまう」こうした悩みを抱える方は少なくありません。
このままでは、重要な経営課題を見落とし、意思決定が遅れてしまうリスクがあります。
そこで役立つのが、AIツールです。
財務データを読み込ませれば、要約や増減の分析、将来の見通しを立てるための作業を効率化でき、手を動かす時間を減らせます。
本記事では、AIで経営分析をするとできることから、目的別のツールの選び方、そのままコピペして使えるプロンプト、実際の進め方までを解説します。まず何から手をつければいいかを整理できる内容になっているので、ぜひ参考にしてみてください。
AIによる経営分析でできること
経営分析でAIに任せられる領域は、財務データの分析から将来の予測、異常値の検知まで幅広いです。
これまで経理や経営企画の担当者が時間をかけてきた作業の多くを、AIがドラフトのレベルまで進めてくれるようになりました。
ここでは、AIによる経営分析でできることを4つの領域に整理して紹介します。
財務諸表・決算書の分析と要約
売上・予実・増減要因の分析
キャッシュフロー予測・将来シミュレーション
経営指標(KPI)の監視と異常値検知
財務諸表・決算書の分析と要約
決算書をAIに読み込ませれば、要点の整理から気になる点の洗い出しまで自動で進めてくれます。
貸借対照表や損益計算書をアップロードするだけで、AIが数字の意味をかみ砕いて文章にしてくれるため、会計知識が豊富ではない人でも内容を理解しやすくなる点も特徴です。
主に以下の場面で活用できます。
売上や利益が前期からどう動いたかを文章でわかりやすく要約
自己資本比率や利益率といった指標を自動で計算
大きく増減した科目を拾い上げその背景まで分析
同じ決算書でも担当者によって分析方法が変わることがありますが、AIを活用することで見るべきポイントをそろえることができ、分析にかかる時間を大きく短縮できるでしょう。
売上・予実・増減要因の分析
売上や予実の増減要因を分析し文章で説明するのは、思った以上に手間がかかる作業です。
AIを使えば、「どこで」「なぜ」起きたのかを、売上と費用の両方を紐づけて整理してくれるため、報告資料をスムーズに作ることができます。
主な活用場面は以下です。
部門別・商品別に、売上が増えた理由や減った理由を整理
予算に届かなかった原因を、販売数と価格から確認
「来月以降どう動くべきか」という対応策の案を提案
原因の整理をAIに任せれば、担当者は「なぜズレたのか」を探す作業に時間を取られにくくなり、その先の改善策を考えることに集中できるようになるでしょう。
キャッシュフロー予測・将来シミュレーション
利益が出ていても、手元のお金が足りなくなると、会社の経営が続けられなくなります。
過去の現金の出入りをもとに、今後の資金繰りや最終的な見込みを確認できるのも、AIを使う大きなメリットです。
主に以下の場面で活用できます。
数ヶ月先の手元資金を予測
「売上が10%下がったら」など、条件を変えて複数パターンを確認
資金が足りなくなりそうな時期を早めに把握
さまざまな条件をすぐに試せるため、資金不足のリスクに早めに対応しやすくなり、先の見通しが立てにくい状況でも落ち着いて経営判断をしやすくなるでしょう。
経営指標(KPI)の監視と異常値検知
毎月の数字をひとつずつ見比べて変化をチェックするのは時間がかかる仕事です。
AIを使えば、いつもと違う動きがあった経営指標などの項目や異常値を自動で見つけてくれるため、人の目で数字を探す時間を減らせます。
主な活用場面は以下です。
設定した指標の変化を定期的にチェック
前月や前年と比べて、大きく変わった項目を見つける
人の目では気づきにくい小さな変化も、早い段階で発見
AIが確認すべきポイントを示してくれることで、担当者は見落としを減らすとともに、原因の確認や関係者への共有に時間を使いやすくなります。
AIによる経営分析が広がっている背景
AIを使った経営分析が広がっている背景には、生成AIの活用の広がりや経営者やCFOの考え方の変化があります。
ここでは、主な3つの背景を順番に見ていきましょう。
生成AI活用の遅れが経営リスクとして急浮上している
生成AI導入が意思決定スピードと成果に直結し始めた
CFOがAIを使いたい領域として「経営分析」への期待が最も高い
生成AI活用の遅れが経営リスクとして急浮上している
生成AIへの取り組みが遅れること自体も、経営上のリスクとして意識されるようになってきました。
デロイト トーマツが日本のCFOを対象に継続して行っている「CFO Signals 2025H1」(第40回、調査時期は2025年8月21日〜9月12日)では、今後の事業展開で注目すべき動きとして「フィンテック・AI活用・デジタル化の遅れ」が前回の9位から5位へと上昇しています。

引用・参照:「Japan CFO Signals Survey : 2025H1」デロイト トーマツ
この結果から、AIは使えたら便利であるものから、取り組みが遅れると経営に影響が出るものへと、経営層の見方が変わってきていることがうかがえます。
生成AI導入が意思決定スピードと成果に直結し始めた
生成AIは試しに業務に使ってみるという段階から、実際の成果につながり始めています。
デロイト トーマツがプライム市場に上場する売上1,000億円以上の企業の部長クラス以上を対象に行った調査では、生成AI導入により「社内の意思決定スピードが向上した」と答えた企業が42.7%にのぼっています。

引用・参照:「デロイト トーマツ、プライム上場企業における生成AI活用調査発表~生産性向上実現や収益増を見込む企業が増加、4割が人員の配置転換を実施」デロイト トーマツ
生成AI導入における売上についても、前年は「変化なし」が半数を超えていた一方で、今回は「増加する見込み」が半数を超える結果となりました。
さらに、生成AIの導入により人材の配置転換を行った企業は39.3%で、前年の32.4%から増えており、生成AIの活用を前提に組織自体を見直す会社が増えていることが分かります。
CFOがAIを使いたい領域として「経営分析」への期待が最も高い
デロイト トーマツがCFOを対象に実施した意識調査によると、AI/コグニティブの活用領域として「経営分析」が最も多く挙げられ、内部監査・経費管理がそれに続きました。

引用・参照:「CFO の意識調査「CFO Signals」経済環境と CFO 組織のデジタル活用」デロイト トーマツ
その背景には、「経営分析に時間と手間がかかりすぎている」、「これまでの経験や勘だけではない、客観的で幅広い見方がほしい」などの悩みがあることが考えられるでしょう。
ただし、AIツールにはさまざまな種類があり、目的に合ったものを選ばなければ十分な効果は得られません。次の章では、経営分析に使えるツールをカテゴリーごとに整理します。
経営分析に使えるAIサービス・ツール
経営分析に使えるAIサービス・ツールは、目的によってさまざまなものがあります。
データを分析する、蓄積する、一元管理するなど、それぞれの用途に向いているものを解説します。
チャット型AI
AIエージェント
ERP・会計ツール(データを蓄積する)
BIツール(データを集計・可視化する)
AIデータ分析・予測ツール(データを自動分析する)
経営管理・予実管理ツール(経営数値を一元管理する)
チャット型AI
最も手軽に始めやすいのが、ChatGPTなどのチャット型AIです。
手元のCSVなどの決算書データを読み込ませて、会話しながら分析を進められるのが特徴で、専用ツールを有料課金しなくてもすぐに試せます。
たとえば、月次の売上データを読み込ませて「先月から大きく変わった費用を教えて」と聞けば、重要なポイントを整理して返してくれます。
ChatGPTで売上データから費用の分析をしている図

報告用の文章や表を下書きしてもらうこともでき、分析をこれから始める人にとって便利なツールでしょう。
AIエージェント
チャット型AIから一歩進んだものが、AIエージェントです。
Claude Codeなどが代表例で、目的に合わせて必要な作業の流れを考え、自動で進めてくれる点が、会話しながらひとつずつ答えを得るチャット型AIとの違いです。
たとえば、「このフォルダの月次データをすべて読み込んで、変化をグラフにし、気になる点をレポートにまとめて」といった、複数の作業が必要な依頼にも対応できます。
Claude Codeで複数の月次データを分析している図

毎月手作業で繰り返していたデータ処理を、まとめて進めたい場面で役立つでしょう。
ERP・会計ツール(データを蓄積する)
経営分析を始めるには、まず正確な財務データや取引データが必要です。
そのデータを管理する元になるのが、freee・マネーフォワード・弥生会計といったERP・会計ツールになります。

引用・参照:「弥生会計Next」弥生株式会社
最近は、こうした会計ソフトにもAIが取り入れられ、仕訳の候補を自動で出したり、領収書や請求書の内容を読み取ったりすることで、データを整える手間が減ってきています。
この段階での役割は分析しやすい形できれいなデータを蓄積することです。ここでデータが正しく整っているかどうかが、その後のBIツールやAIによる分析の精度に大きく関わるでしょう。
BIツール(データを集計・可視化する)
BIツールは、社内のさまざまな場所にあるデータを集め、グラフや表でわかりやすく見せるためのものです。「BI」は「Business Intelligence」の略ですが、広い意味で使われるため、人によってイメージするものが少し異なる場合があります。

引用・参照:「サービスページ」Tableau
最近は、TableauやMicrosoft Power BIのように知りたいことを文章で質問するだけで分析できるAI機能などを取り入れたBIツールも増えています。
このようにBIツールは、データを見やすく整理し、業務の状況や課題に気づきやすくするための便利なツールといえるでしょう。
AIデータ分析・予測ツール(データを自動分析する)
これまでのBIツールは、主にデータをグラフや表で見せる役割が中心でした。
一方で、AIデータ分析・予測ツールは、数字の傾向を分析したり、重要なポイントを見つけたりするところまで出力してくれるのが特徴です。グラフを見て人が考える前の段階を、ツールがある程度サポートしてくれるイメージです。
代表的なものにZoho Analyticsがあります。

引用・参照:「Zoho Analytics のBI機能一覧」Zoho
Zoho Analyticsには、会話型AIアシスタント「Ask Zia」もあり、言葉で質問するだけで対象データの特定からレポート作成まで進められます。
経営管理・予実管理ツール(経営数値を一元管理する)
経営数値をまとめて管理したい場合は、経営管理・予実管理ツールが向いています。
会計ツールなどと自動で連携し、財務データや予算と実績の差、今後の見込みといった経営に関わる数字を、ひとつのダッシュボードでまとめて確認できるのが強みです。

その中でも、当社が開発・運営するクラウド経営分析ツールmetricsは、freeeやマネーフォワードと自動でつながり、経営ダッシュボード・予算管理・AIによる分析をまとめて行えます。

会計データを起点に、月次会議から経営計画・資金繰り・予実管理まで一気通貫で経営判断を支援できることも特徴です。
ダッシュボードで何ができるのかをもう少し知りたい方は、基本機能から導入時のポイントまでを以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひあわせて確認してみてください。
経営ダッシュボードとは?基本機能から導入のポイントまでキャプチャ付きで解説
【無料版あり】経営分析に使える主なチャット型AI
専用ツールを導入する前に、まず試しやすいのがチャット型AIです。
どのサービスも無料から使い始められるため、自社のデータを使って「どこまでできるのか」を確認するところから始めるとよいでしょう。
まずは、4つのサービスの違いを表で整理します。
ツール | 特徴 |
|---|---|
ChatGPT | ・週次アクティブユーザーは 9億人を超え、生成AIの代表的なサービス |
Gemini | ・Google Workspaceとの連携に強い |
Claude | ・一般ユーザーに加えて開発者の利用も多い |
NotebookLM | ・登録した資料のみを根拠として出典付きで回答 |
ChatGPT
何から試すか迷ったら、まずChatGPTから使ってみると良いでしょう。
売上データや決算書を読み込ませて、増減の要約、指標の計算、グラフ作成までまとめて依頼できるため、財務諸表の分析や要約をそのまま試せます。
ChatGPTで売上データの要約をしている図

引用・参照:「ChatGPT」OpenAI
無料プランでも標準モデルは使えますが、ファイルアップロードは1日あたり最大3ファイルまでに制限されており、ピーク時には少なくなることもあります。有料プランにすると、より高性能なモデルやデータ分析機能を使いやすくなるため、毎月の分析にしっかり取り入れたい場合は、有料プランを検討するとよいでしょう。
Gemini
普段からGoogleのサービスを使っているなら、Geminiが使いやすいです。
Geminiはスプレッドシートやドキュメントなど、Google Workspaceとの連携ができ、スプレッドシートにまとめた売上や予算のデータを、そのまま分析できます。
Geminiで増減の大きい勘定項目を整理している図

引用・参照:「Gemini」Google
無料プランでも、基本的な会話や分析は試せます。有料プランでは、使用できる量が増え、より高性能なモデルが使えることが特徴です。前の章で紹介した「売上・予実の分析」を、普段使っているシートの延長で進めたい人に向いています。
Claude
決算短信や有価証券報告書のような、長くて読むのに時間がかかる資料を扱うなら、Claudeが使いやすいです。長い資料をまとめて読み込ませても、要点を分かりやすく整理してくれるため、ボリュームのある財務資料の読み取りや要約に向いています。
Claudeで決算短信の要点を分析している図

引用・参照:「Claude」Anthropic
無料プランでも標準モデルを試せますが、長い資料を何度も扱う場合は有料プランが便利です。有料プランでは、より高性能なモデルが使え、Researchなどの分析に特化した機能も使えるようになり、複数年分の決算資料をまとめて確認しやすくなります。
NotebookLM
社内の複数の資料をまとめて確認したいときは、Googleが提供するNotebookLMが役立ちます。読み込ませた資料をもとに、出典付きで回答してくれるため、答えがどの資料のどこから来たのかを確認できます。
NotebookLMで決算短信の要点を分析している図

引用・参照:「NotebookLM」Google
事業計画書・議事録・過去の月次レポートなどをまとめて登録すれば、資料をまたいで質問できるのが大きなメリットです。主な機能は無料で使うことができ、最大100個のノートブックを作成可能。1つのノートブックにつき最大50件のソース、各ソース最大50万語まで追加できます。
より多くの資料を扱いたい場合は、Plus、Pro、Ultraなどの有料プランにアップグレードすることで、倍以上に増やせます。
前の章で紹介した「KPIの確認」や経営課題の整理を、社内資料をもとに進めたい場面に向いています。
コピペで使える経営分析プロンプト
ここからは、チャット型AIにそのまま貼り付けて使えるプロンプトを目的別にまとめます。
自社の情報に書き換え、分析したいデータ(CSVやPDF)を一緒に添付すれば、すぐに分析してくれるので、ぜひ試してみてください。
決算書・財務諸表を分析するプロンプト
売上・予実・増減要因を分析するプロンプト
キャッシュフローを予測・シミュレーションするプロンプト
経営指標(KPI)を評価し異常値を検知するプロンプト
競合・業界水準と比較分析するプロンプト
経営課題を抽出し改善策を提案させるプロンプト
経営レポート・決算説明資料を自動生成するプロンプト
決算書・財務諸表を分析するプロンプト
決算書の数字を渡して、要約と指標の評価をまとめて任せたいときに使います。会計に詳しくない人にも伝わる言葉で説明してもらうよう一文を加えておくと、そのまま報告用のドラフトとして使いやすくなります。
前期との比較だけでなく複数期分のデータをまとめて渡すと、一時的なブレなのか続いている傾向なのかまで見分けやすくなるでしょう。
売上・予実・増減要因を分析するプロンプト
予算と実績のズレの要因を分析して、報告資料のドラフトをつくりたいときに向いています。差異を「数量」と「単価」、売上と費用に分けて整理させることでより詳細な原因を特定しやすくなるでしょう。
生成AIが出した要因に納得できないときは「その判断の根拠になった科目を挙げて」と続けて尋ねると、説明の背景にある内容も確かめられます。
キャッシュフローを予測・シミュレーションするプロンプト
この先の資金繰りに不安があるときに、着地の見込みを試算させるプロンプトです。条件を変えた悲観シナリオも一緒に出させておくと、最悪のケースに備えた打ち手を先に考えられます。
実績が固まるたびにデータを差し替えて予測を回し直せば、月を追うごとに着地の見込みとの比較もより簡単に可視化できます。
経営指標(KPI)を評価し異常値を検知するプロンプト
毎月のKPIを見比べて、いつもと違う動きを検知したいときに使います。一時的な変動なのか、傾向そのものの変化なのかを整理させることで、急いで対応すべきかどうかの判断をサポートできます。
生成AIが拾い上げた項目はそのまま会議の確認リストに使えるため、毎月同じ目線で数字を点検する習慣づくりにもつながるでしょう。
競合・業界水準と比較分析するプロンプト
自社の数字が業界の中でどの位置にあるのかを、ざっくり把握したいときに役立ちます。ただし生成AIが示す業界水準の内容は誤った内容も含まれることがあるため、比較に使った数値の出どころも一緒に答えさせ、最後は人の目で該当の資料を確かめるのが安全です。
【業種・事業内容】はできるだけ具体的に書き込むほど比較の精度が上がるので、事業の中身まで具体的に記載しておきましょう。
経営課題を抽出し改善策を提案させるプロンプト
数字の整理から一歩進んで、打ち手まで一緒に考えてほしいときのプロンプトです。課題を観点ごとに分類させ、最初に着手すべき一手を出させると、議論のたたき台として使いやすくなります。
改善策ごとに「自社で実行するうえで壁になりそうな点」も続けて聞いておくと、実際に実施までしやすいものになるでしょう。
経営レポート・決算説明資料を自動生成するプロンプト
会議用の資料づくりにかかる時間を減らしたいときに活用します。そのままスライドに転記できる形で、箇条書き中心にまとめさせるよう指定しておくと、整える手間がほとんどかかりません。
出てきた文章の情報量が足りない場合はそのまま流用するのではなく、自社ならではの背景や狙いの内容も追加することでより説得力が増すでしょう。
プロンプトがそろえば、チャット型AIでも多くの分析ができます。
とはいえ、毎月これを手作業で回し続けるのか、ツールに任せて仕組み化するのかで進め方は変わってきます。次の章では、AIで経営分析を進める具体的なステップを整理しましょう。
AIで経営分析を行うためのSTEP
AIで経営分析を行う方法は、チャット型AIにプロンプトを入れて自分で分析する方法と、専用ツールを使って分析を仕組み化する方法があります。
前の章のプロンプトを使えば、決算書の要約や予算と実績の分析など、多くのことを自分で試せます。
一方で、「毎月同じ分析を続けたい」「複数のデータをまとめて扱いたい」といった場合は、専用ツールのほうが向いています。ここでは、両者の特徴をそれぞれ解説します。
項目 | チャット型AI | 専用ツール |
|---|---|---|
向いている内容 | ・その場限りの分析 | ・毎月続けてのチェック |
必要スキル | プロンプトを工夫する力 | 初期の設定・連携(多くは専門知識まで不要) |
コスト | 無料〜月数千円程度から | 月額数千円〜(規模や機能による) |
特徴 | 毎回データを用意して手作業で実行 | データ連携で自動更新でき、仕組み化しやすい |
チャット型AI(ChatGPTなど)で分析する手順
まずは、チャット型AIで分析する流れを見ていきます。
分析対象のデータの用意やプロンプトの設計から始め、運用していく必要があります。
① 分析対象の財務・経営データを準備する
② 目的に合わせてプロンプトを設計する
③ プロンプトを入力して分析を実行する
④ 出力を検証し意思決定に反映する
⑤ プロンプトを管理・展開する
① 分析対象の財務・経営データを準備する
最初にやることは、AIに渡すデータを整えることです。会計ソフトや販売管理ツールから出したデータを、CSVなどAIが読み取りやすい形にしておくと、分析結果も安定しやすくなります。
具体的には以下のようにファイル内のデータを加工しておきましょう。
不要な列や空白行を削り、項目名をわかりやすくそろえる
月次・部門別など、見たい単位に合わせてデータをそろえる
個人情報や社外秘の項目は、必要に応じて隠しておく
データの形が整っているほど、AIへのプロンプトもシンプルになり、やり取りの回数を減らしやすくなります。
あわせて、元データは別に保存しておくと、分析後に内容を確認・修正しやすくなるでしょう。
② 目的に合わせてプロンプトを設計する
次に、AIに何を出力してほしいのか明確に伝わるプロンプトを用意します。
「あなたはCFOです」のように役割を伝え、表や箇条書きなど出力の形まで指定すると、ほしい答えに近づきやすくなります。
最初から完璧な答えを出そうとしなくても返ってきた内容を見ながら、「もっと短くまとめて」「この視点も加えて」と追加でお願いしていくことで、少しずつ使いやすい分析に近づけられるでしょう。
③ プロンプトを入力して分析を実行する
準備したデータを添付し、プロンプトをAIに送り分析してもらいます。ファイルとプロンプトをセットで渡し、数字の増減のまとめや指標の計算などをまとめて進められます。
聞きたいことが複数ある場合は、一度にまとめて聞くよりも、ひとつずつ順番に質問するほうが、AIの回答の内容を確認しやすくなります。
また、あとから見返しやすいように、分析テーマごとにチャットを分けておくと、過去のやり取りも追いやすくなるでしょう。
④ 出力を検証し意思決定に反映する
AIが出した内容は、そのまま使わず、必ず人の目で確認しましょう。特に、金額の計算が合っているか、事実と違うところがないかをチェックしてから判断に使うことが欠かせません。
AIは、正しそうに見える間違いを出すことがあるため、AIに嘘の情報が含まれていないかをチェックするように指示をすることも有効です。また、最終的に判断するのは人であることを忘れず、AIはあくまで分析の準備を手伝ってくれるものとして使うとよいでしょう。
必要に応じて、税理士や経理担当者など専門家の意見も取り入れると、より安心して意思決定に活用できます。
⑤ プロンプトを管理・展開する
良い分析ができたら、その場限りで終わらせず、次も同じように使えるようにしておきます。うまくいったプロンプトは記録し、社内で共有することで、担当者が変わっても同じような品質で分析しやすくなります。
「決算書の要約用」「予算と実績の分析用」のように、用途ごとにまとめておくと、次に使うときの手間も減らせるでしょう。特定の人だけに頼らないようにするためにも、プロンプトを少しずつ残し運用していくことは大切です。
その他専用ツールで分析する手順
続いて、会計ツール・BIツール・AIデータ分析ツール・経営管理ツール、AIエージェントなどを使う場合の手順を解説します。
① 用途に沿ったツールを選定する
② 会計・販売などのデータを整理・連携する
③ ツールの機能でデータを集計・可視化・分析する
④ 分析結果を意思決定に活かし、継続的に運用する
① 用途に沿ったツールを選定する
まずは、自社の目的に合うツールを選びます。
「何に困っていて、何をできるようにしたいのか」をもとに選ぶことで、機能が多すぎたり、逆に機能が足りないツールを選んでしまうのを防げます。
目的に合ったツールを選べると、データを蓄積する、可視化する、自動で分析する、まとめて管理するなど、その後の運用も楽になるでしょう。導入前に無料トライアルやデモを使い、操作性や既存システムと連携できるかなどを確認しておくと安心です。
② 会計・販売などのデータを整理・連携する
ツールが決まったら、分析に使うデータを整理して連携します。
会計ソフトと自動でつなげられるツールなら、データを手で入力する手間を減らせるのがメリットです。
連携する前に、どこにどんなデータがあるのかを確認し、データが重複していたり、足りないデータがあったりしないかを確認しておくと、その後の分析がしやすくなります。
また、基本的には一度連携すれば、最新のデータが自動で反映されるため、毎回の準備作業を減らせます。
③ ツールの機能でデータを集計・可視化・分析する
連携できたら、ツールの機能を使って分析を進めていきます。
各ツールが強みとする領域はカテゴリーによって異なるので、次のように整理しておくと分かりやすいです。
ツール | 主な役割 | 主な使い方 |
|---|---|---|
会計ツール | 集計 | 仕訳をもとに試算表や帳票にまとめる |
BIツール | 可視化 | グラフやダッシュボードで見える化する |
AIデータ分析・予測ツール | 予測 | 傾向の把握や着地見込みの算出 |
経営管理・予実ツール | 一元管理 | 財務・予実・着地を一画面に集約 |
会計ツールで、日々の取引データをもとに、試算表や帳票を作成し、BIツールにより集計されたデータをグラフやダッシュボードで見える化することで、数値の変化を確認しやすくします。
AIデータ分析・予測ツールは、過去の傾向をもとに、売上や費用の着地見込みを把握する際に役立ちます。経営管理・予実ツールは、予算・実績・見込みを一元管理し、全体の状況を整理するために必要です。
実際には、会計ツールで整えたデータをBIツールやAIデータ分析・予測ツールにつなぎ、最終的に経営管理・予実ツールで全体を確認するというように、複数のツールを組み合わせて使うことも多いです。
④ 分析結果を意思決定に活かし、継続的に運用する
最後は、分析で分かったことを実際の意思決定につなげ、日々の仕事の中で使えるようにしていきます。
分析して終わりにするのではなく、「数字を見る」「次に何をするか決める」「翌月に結果を確認する」という流れをつくることが重要です。
たとえば、会議の最初に必ずダッシュボードを見る、いつもと違う数字が出たら誰がいつ確認するかを決めておくなどのルールもあわせて整えておくと、分析結果を日々の判断に活かしやすくなるでしょう。
AIを経営分析に活用している事例
ここでは、当社のmetricsを使ってAIによる経営分析を取り入れた、みらいと税理士法人様の事例を紹介します。AIによる経営分析により準備の工数が減り内容を深掘りできる点は、事業会社でもコアな部分では同様の効果が得られるでしょう。

項目 | 内容 |
|---|---|
課題 | レポート作成に1社あたり1〜2時間(月次最大30時間)かかり、品質も担当者次第。数字を見せるだけの面談にとどまっていた |
解決策 | API連携でデータ取得・更新を自動化。AI CFOで要因を会話形式に深掘りし、報告品質も統一 |
効果 | レポート作成が約3分に短縮。対話が深まり、伴走支援先5社すべてが最高売上を更新 |
みらいと税理士法人様では、顧問先ごとのレポート作成に1社あたり1〜2時間、月に多いと30時間ほどかかっていました。内容の質も担当者によってばらつきがあり、面談も数字を確認するだけで終わってしまうことが多くありました。
そこで活用したのが、metricsのAI CFOとAPI連携です。会計ソフトとつなぐことで、データの取得や更新を自動化し、レポートの内容もそろえられるようになりました。さらに、AI CFOに会話形式で質問できるため、その場で数字の背景や原因を深掘りできます。
その結果、レポート作成にかかる時間は約3分に短縮できました。空いた時間を顧問先との対話に使えるようになり、伴走支援をしている5社すべてが過去最高売上を更新しました。
このようにAIによる経営分析の価値は、準備にかかる時間を減らし、人が考える時間を増やせることにあります。
経営分析にAIを活かすなら「metrics」
ここまで紹介してきた「データを蓄積する・可視化する・分析する・管理する」という流れを、ひとつにまとめて任せたい方に向いているのがmetricsです。
当社が開発・運営するmetricsは、会計データを”見える化”し、経営判断に必要な情報をリアルタイムで把握できるクラウド経営分析ツールになります。税理士事務所から事業会社まで、幅広い現場で使われています。
特徴は、大きく次の4つです。
見やすいダッシュボードでスマートな経営支援を実現
予算管理と将来予測で未来に繋がる経営を支援
AIが経営データを読み解き意思決定をサポート
ストレスフリーな初期設定と自動API連携
見やすいダッシュボードでスマートな経営支援を実現

metricsのダッシュボードを使うと、経営会議の準備が「Excelでレポートを毎月組み直す数時間」から「画面を開いて共有するだけ」へと変わります。
売上の推移や費用の内訳、キャッシュの動きをグラフで直感的に追えるため、会計について専門的な知見があるわけではない経営者にも状況が伝わりやすくなっています。気になった数字はその場でクリックして仕訳の明細まで掘り下げられるので、会議中に出た疑問にもすぐ答えられるでしょう。
予算管理と将来予測で未来に繋がる経営を支援

過去や現在の数字を確かめるだけでなく、「この先どうなりそうか」まで示せるのがmetricsの強みです。
予算の数字を入力するたびに損益のプレビューがその場で更新されるため、経営者と画面を見ながら来期の計画を一緒に組み立てられます。細かく予算を作る余裕がないときも、過去の実績から期末の着地を自動で見積もる「自動予測」モードが使えます。
AIが経営データを読み解き意思決定をサポート

metricsには、経営データの分析やダッシュボードづくりを任せられるAIエージェント「AI CFO」が備わっています。
AI CFOは、資料の読み込みや異常値の拾い出し、論点の整理を自動で行い、会社ごとに登録した情報をもとに一定の品質で分析を返してくれます。見たいKPIを伝えればダッシュボードを自動で組み立て、「来期は売上を20%伸ばしたい」といった方針を渡せば予算案づくりまで手伝ってくれるのが特徴です。
実際の操作画面を確認したい方は、以下のYouTubeも参考にしてみてください。
metrics AI CFO 機能紹介プレイリスト|YouTube
ストレスフリーな初期設定と自動API連携

metricsはfreee・マネーフォワードとAPI連携しており、連携を許可するだけで、仕訳・帳票を自動で取り込み、勘定科目からキャッシュフロー項目のマッピングを自動で行います。
初回の連携時には過去を含む全期分のデータをまとめて取り込むため、手作業でのデータ整備はいりません。会計ソフト側の更新が自動でmetricsに反映されるため、担当者が手を動かさなくても常に最新の数字を確認でき、経営判断や改善策を考える時間を確保できるようになるでしょう。
経営分析にAIを取り入れたい方は、まず無料デモで実際の画面に触れてみてください。
リンクをクリックすると日程調整のページに移りますので、ご都合の合う日時を選んでご予約ください。
まとめ
本記事では、AIで経営分析をすると何ができるのか、ツールの種類、コピペで使えるプロンプト、実際の進め方、導入事例までを解説しました。
AIが得意なのは、決算書の要約・予算と実績の分析・キャッシュフローの予測・KPIの確認といった、人が判断する前の作業です。
まずは、ChatGPTやClaudeなどのチャット型AIに、本記事のプロンプトを貼り付けてみるのが試しやすいです。
一方で、毎月の分析を続けたい、複数のデータをまとめたい、誰が見ても同じ結果を確認できるようにしたい場合は、専用ツールで仕組み化するほうが現実的でしょう。
事例で紹介したみらいと税理士法人様のように、準備にかかる時間を減らせれば、その分を「これからどうするか」を話し合う時間に使えます。
数字を見て終わりにせず、次の行動につなげることができてこそ、経営分析にAIを活用する意味があるといえます。ぜひ、当社が開発するクラウド経営分析ツールであるmetricsのサービス詳細も確認してみてください。
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