【事例あり】月次決算を早期化する方法とは?メリットやボトルネック、実践方法を徹底解説

月次決算の早期化について、メリット・遅れる原因・実践5ステップ・成功事例までをまとめて解説します。

王浩南

Founder & CEO

目次を読み込み中...

「月次決算が終わるのがギリギリになってしまう」「経営会議までに全ての数字を揃えることが難しい」などの課題を抱える方は、少なくありません。

月次決算が遅れると、経営状況の把握にも時間がかかり、必要な打ち手や経営判断が後手に回ってしまう可能性があります。

こうした背景から、月次決算の早期化を目指す企業が多くなっています。

決算処理を翌月の早く終える仕組みづくりは、経営判断のタイムラグを縮め、組織全体の素早い動き出しにつながる重要な取り組みです。

本記事では、月次決算の早期化の概要からメリットや実践ステップ、成功事例まで、体系的に解説します。

早期化に取り組もうとしている方が「何から着手すべきか」がわかるようになりますので、ぜひ参考にしてみてください。

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月次決算の早期化とは

月次決算の早期化とは、月末後に行う経理作業をより早く終わらせ、経営層へ数字を早めに報告できるようにする取り組みです。

決算が早く終われば、会社の状況をすばやく把握でき売上や利益の変化にも早めに気づけ、会議や方針決定に必要な数字がそろいやすくなり、より具体的な話し合いがしやすくなります。

一方で、月次決算が翌月末近くまでかかると、経営者が最新の数字を確認できるのはかなり後になってしまい、問題点への対応が遅れるリスクにつながるでしょう。

そのため、できる限り早く数字の報告を終えられる体制づくりが、多くの企業で進められています。

月次決算の一般的な目安日数

月次決算が完了し経営層に報告されるまでの日数は、企業の規模・業種などによって変わります。

株式会社YKプランニングの調査(2025年3月)では、月次決算レポートの提出タイミングとして多かったのは「1ヵ月以内(35.9%)」「11〜20日以内(31.3%)」であり、7割近くの企業が11日以上かかっていることがわかりました。

提出タイミング

回答割合

10日以内

23.2%

11〜20日以内

31.3%

1ヵ月以内(最多回答)

35.9%

引用・参照:「月次決算レポートの提出タイミングに関する調査」Biz/Zine

一方で、経営層の4割以上は翌月10日以内での確認を希望しており、現場との間に差が生まれています。

そのため、月次決算の早期化では、まず翌月5〜10営業日以内の報告を目安にし、自社の月次決算にかかっている日数を確認し現状から3〜5日短くすることを目指すのがよいでしょう。

月次決算を早期化する理由・メリット

月次決算を早期化することで得られる効果は、単に「数字が早く出る」だけではありません。経営判断の質から経理担当者の働き方まで、会社全体によい影響があります。

ここでは、月次決算の早期化に取り組む主な理由と、6つのメリットをわかりやすく解説します。

  • 経営判断のスピードを上げるため

  • 予算実績管理の精度を高めるため

  • 業務ミスを早期に発見・修正コストを削減するため

  • 資金繰り見通しの精度を高めるため

  • 経理担当者の残業・繁忙期を平準化するため

  • 金融機関・投資家からの信頼を得るため

経営判断のスピードを上げるため

月次決算を早める大きな理由は、経営に必要な数字を早く確認できるようにするためです。会社の状況を数字で早く把握できれば、売上や利益の変化に気づきやすくなり、次に何をすべきかを早めに考えられます。

反対に、数字がそろうのが遅れると、判断や対応も後回しになりやすくなります。問題に気づくタイミングが遅くなるほど、対策を打つまでの時間も短くなり、改善のチャンスを逃してしまうことにつながるでしょう。

たとえば、売上が予定より少ないことに翌月20日に気づくのと、翌月5日に気づくのでは、対策を考えられる時間が大きく変わります。早く把握できれば、広告施策の見直しや営業先の優先順位変更など、月内に打てる手を増やせます。

予算実績管理の精度を高めるため

月次決算を早めることで、予算と実績のズレを早く確認できるようになります。売上や費用が予定どおりに進んでいるかを早めに把握できれば、その月の動き方を見直しやすくなるでしょう。

予算と実績の管理は、数字を確認して終わりではなく、次の行動につなげることが大切です。早い段階で数字がわかれば、必要な対策を考える時間が生まれ、状況に合わせて動きやすくなります。

たとえば、売上が予算を下回っていると早めにわかれば、当月中翌月以降に販売促進を強めるなどの対策を早めに取りやすくなります。あわせて、費用の使い方を見直したり、重点的に追う商品・顧客を切り替えたりする判断もしやすくなります。

業務ミスを早期に発見・修正コストを削減するため

月次決算を早めることで、日々の経理作業で起きたミスに早く気づきやすくなります。入力の間違いや計上漏れ、項目の選び間違いなどは、時間がたつほど確認や修正に手間がかかるでしょう。

ミスへの対応は、早く見つけて早く直すことが大切です。翌月の早い段階で前月の数字を確認できれば、大きな問題になる前に修正しやすくなり、年度末や決算前の負担も減らしやすくなります。

たとえば、入力ミスを翌月初めに見つけられれば、関係する資料や数字への影響が広がる前に直しやすくなります。請求書や仕訳の内容を確認しやすい段階で修正できるため、原因の特定や関係部署への確認もスムーズに進められます。

資金繰り見通しの精度を高めるため

月次決算を早めることで、現預金残高の推移や、入金・支払いの状況を早く確認できるようになります。売上があっても入金が遅れることがあるため、利益だけでなく、実際のお金の流れを見ることが大切です。

資金繰りは、早めに状況をつかんでおくほど対応しやすくなります。翌月の早い段階でお金の動きを確認できれば、資金が不足しそうな時期に早く気づき、金融機関への相談や借入の検討も余裕を持って進められます。

たとえば、数カ月後に支払いが増えそうだと早めにわかれば、必要な資金を事前に準備しやすくなります。大口の仕入代金や賞与、税金の支払い時期を見越して、入金予定とのズレを確認し、資金不足が起きる月を具体的に把握できるようになるでしょう。

経理担当者の残業・繁忙期を平準化するため

月次決算が遅れると、締め作業が特定の時期に集中しやすくなり、経理担当者の残業が増え毎月同じタイミングで大きな負担がかかることがあります。

月次決算を早めるには、作業の流れを見直したり手作業を減らしたりすることが大切です。

決算の効率化を進めることで、経理作業全体がスムーズになり忙しさが偏ってしまうことも減らしやすくなります。

たとえば、毎月末にまとめて行っていた確認作業を前倒しできれば、締め日前後の残業を減らしやすくなります。取引先別の未回収請求書の確認や、経費精算の差し戻し対応を月中から進めておくことで、月末に確認すべき件数を減らせるでしょう。

金融機関・投資家からの信頼を得るため

月次決算を早めることで、会社の新しい数字をすぐに確認できるようになります。金融機関や投資家に対して、会社の状況をしっかり把握できていることを伝えやすくなるでしょう。

お金を借りたり、資金を集めたりする場面では、直近の業績や資金の状況を説明できることが大切です。数字を早く出せる体制があれば、外部から見ても安心感があり、信頼につながりやすくなります。

たとえば、融資の相談をするときに最新の数字をすぐに提示できれば、話をスムーズに進めやすくなります。加えて、売上や利益の推移に加えて、借入金の返済状況や手元資金の残高も示せるため、返済能力を説明しやすくなります。

月次決算が遅れてしまう6つの原因とボトルネック

月次決算が思うように早まらない場合、時間がかかっている原因があります。

「なんとなく遅い」と感じるだけでは改善しにくいため、まずは自社のどの作業に時間がかかっているのかを確認することが大切です。

ここでは、月次決算が遅れやすい代表的な6つの原因をわかりやすく解説します。

  • ①証憑・請求書の回収と承認フローに時間がかかる

  • ②勘定科目の金額確定が遅くなりやすい

  • ③手入力・紙処理など非効率な業務プロセスが残っている

  • ④社内システム間のデータ連携がとれていない

  • ⑤業務が属人化し社内ルールが明文化されていない

  • ⑥経理人材が不足している

①証憑・請求書の回収と承認フローに時間がかかる

月次決算では、請求書や経費申請などの書類がそろわないと、経理作業を進めにくくなります。また、内容の確認や社内承認に時間がかかると、その分だけ締め作業の開始も遅れやすくなります。

確認する書類が多い会社では、回収・確認・承認のどこかで止まるだけでも、月次決算全体に影響するでしょう。

特に、インボイス制度の開始によって確認項目が増え経理担当者の負担も大きくなっています。Sansanの調査では経理担当者1人あたり月平均11.9時間も業務時間も増え、70.2%がインボイス対応に課題を感じているという結果も出ています。

よくある具体例は、主に次の3つです。

  • 取引先からの請求書が月末ぎりぎりに届く

  • 社内の経費申請が締め日前後に集中し、上長の承認待ちで止まる

  • インボイス対応で、登録番号や記載内容を一件ずつ確認している

こうした遅れが重なると、経理作業の開始が後ろにずれ、月次決算全体の遅れにつながります。

参照:「Sansan、「インボイス制度開始後の実態調査」を実施~制度開始後、初の月次決算業務が終了。経理部門だけでなく全社的な業務負担増が明らかに~」Sansan

②勘定科目の金額確定が遅くなりやすい

月次決算では、月末時点ですぐに金額が決まらない項目があります。こうした項目の確認に時間がかかると、ほかの作業も進めにくくなり、月次決算全体の遅れにつながるでしょう。

また、金額が確定するまで待つのか仮の金額で処理するのかが決まっていないと、確認ややり直しが増え、さらに時間がかかってしまいます。

よくある具体例は、主に次の3つです。

  • 売掛金や未払金の金額が、取引先や社内部門からの連絡待ちになっている

  • 減価償却費や引当金の計算方法が担当者ごとに異なっている

  • 部門ごとに数字の提出日が違い、全社の数字がそろうまで待ち時間が発生している

こうした状態が続くと、一部の数字待ちによって月次決算全体が後ろ倒しになってしまいます。

③手入力・紙処理など非効率な業務プロセスが残っている

手入力や紙を使った作業が多いと、月次決算に時間がかかりやすくなります。

作業のたびに人の手を挟むため、確認や転記に時間がかかり処理の流れも止まりやすくなります。

また、手作業が多いほど入力ミスや確認漏れも起きやすくなり、ミスが見つかると原因の確認や修正が必要になり、さらに作業が遅れてしまうでしょう。

よくある具体例は、主に次の3つです。

  • 紙の申請書を印刷し、押印後に経理へ回している

  • Excelで集計した金額を、会計システムへ手入力している

  • 紙の請求書を見ながら、支払先や金額を一件ずつ確認している

こうした作業が残っていると、担当者の確認作業に時間を取られ、本来進めたい分析や報告資料の作成に十分な時間を使いにくくなります。

④社内システム間のデータ連携がとれていない

社内で使っているシステム同士がつながっていないと、各システムからデータを取り出し手作業でまとめる必要があり、数字を集めるのに時間がかかりやすくなります。

また、システムごとに数字が分かれていると、どの数字が正しいのかを確認する手間も増え、確認に時間がかかるだけでなく入力ミスや転記ミスにも気づきにくくなります。

よくある具体例は、主に次の3つです。

  • 販売管理システムの売上データを、会計ソフトへ手入力している

  • 在庫管理システムと会計ソフトの数字を、Excelで照合している

  • 給与計算ソフトの人件費データを、毎月手作業で取り込んでいる

こうした作業が残っていると、データを集めるだけで時間がかかり、月次決算の遅れにつながります。

⑤業務が属人化し社内ルールが明文化されていない

経理業務が特定の人に偏っていると、その担当者が休んだり異動したりしたときに作業が止まりやすくなります。

また、処理の進め方が担当者の頭の中にしかないと、ほかの人が引き継ぎにくくなります。

Climber Cloudの調査では社内に属人化した業務があると答えた企業は87.8%にのぼり、担当者によって処理の仕方が変わることもあり、確認ややり直しが増え月次決算に時間がかかりやすくなります。

よくある具体例は、主に次の3つです。

  • 特定の仕訳や確認作業を、いつも同じ担当者だけが行っている

  • 処理手順や判断基準がマニュアルにまとまっていない

  • 担当者が不在のときに、代わりに対応できる人がいない

こうした状態が続くと、一人の担当者に負担が集中し月次決算の遅れやミスにつながりやすくなります。

参照:「経理業務で「あの人しかできない」という属人化した業務が存在する企業は87.8%!~経理部門の管理職221人に“業務の悩み”についてアンケート調査を実施~」Climber Cloud

⑥経理人材が不足している

経理担当者が足りないと、月次決算に必要な作業をこなすだけで手一杯になりやすくなります。

その結果、作業の見直しや効率化まで手が回らず時間がかかるやり方がそのまま残ってしまうこともあるでしょう。

人手不足の状態で月次決算を早めるには担当者の努力だけでは限界があり、作業の進め方を見直し手作業を減らし一人あたりの負担を軽くすることが大切です。

よくある具体例は、主に次の3つです。

  • 月次決算の時期に、担当者の残業が増えている

  • 日々の処理に追われ、業務改善に取り組む時間がない

  • 担当者が少なく、休暇や退職があると作業が回りにくくなる

こうした状態が続くと、経理担当者への負担が大きくなり、月次決算の遅れが起きやすくなります。

月次決算の早期化を実現する5つのステップ

月次決算を早めるには、遅れている原因を確認し順番に見直していくことが大切です。

ここでは、今の状況を把握するところから社内で協力して進める体制づくりまで、実践しやすい5つのステップを解説します。

STEP

取り組み

STEP1

現状の業務フローを可視化しボトルネックを特定する

STEP2

締め日・提出ルールを社内で明文化し徹底する

STEP3

見積計上・概算処理を活用する

STEP4

経理・会計システムを導入してデータ連携・自動化を進める

STEP5

経営層・他部署を巻き込み全社で取り組む体制をつくる

STEP1: 現状の業務フローを可視化しボトルネックを特定する

早期化に取り組む前に、まず現状を正確に把握することが必要です。

「どの作業に何日かかっているか」「どこで止まりやすいか」を可視化しないまま施策を打つと、改善効果が限定的になってしまいます。

具体的には、以下の手順で進めると効果的です。

  • 月次決算の開始から完了まで、各工程と所要日数を書き出す

  • 証憑回収・承認・入力・確認・報告書作成など、工程ごとの担当者と期限を整理する

  • 「毎月必ず遅れる工程」「担当者が変わると止まる作業」を特定する

  • 各工程の遅延原因が「システム」「ルール」「人材」「連携」のどれに起因するか分類する

現状を可視化することで、どの改善に優先的に取り組むべきかが見えてきます。まずは「一番時間がかかっている工程」に絞って着手するのが、効率的な進め方です。

STEP2:締め日・提出ルールを社内で明文化し徹底する

月次決算を早める上で即効性の高い手段のひとつが、社内ルールの整備です。締め日・提出期限が曖昧なまま運用されていると、関係者全員の締め日の感覚がバラバラになり、経理側が「待つ」状況が続いてしまいます。

具体的には、以下の取り組みを進めましょう。

  • 各部門への書類・データの提出期限を具体的な日程で明示する(例:翌月3営業日まで)

  • 提出が遅れた場合の対応方針を決めておく(見積計上で進める、翌月修正するなど)

  • 経費精算・請求書受領の締め日を、経理の締め日よりも前に設定する

  • ルールを社内規程・マニュアルとして文書化し、全社に周知する

ルールを作るだけでなく、守れる現実的な設定と遅れた場合の対応をセットで決めておくことが、運用していくうえで大事なポイントです。

STEP3: 見積計上・概算処理を活用する

すべての数字がそろうのを待ってから締め作業を始めるのではなく、金額未確定の科目は見積計上・概算処理で進めることで、決算処理の開始を早められます。

確定した数値が届いた段階で修正する運用が、早期化につながる大事な考え方です。

以下のポイントを押さえたうえで活用しましょう。

  • 月末時点で金額未確定の費用は、前月実績や過去平均をもとに概算計上する

  • 締め後に確定値が届いた場合は翌月に修正仕訳を入れるルールにしておく

  • 概算計上を多用しすぎると決算精度が下がるため、適用する科目と金額基準を事前に決める

  • 定期的に概算と実績の誤差が大きい科目を見直し、見積精度を改善していく

概算処理のルールをあらかじめ決めておくことで、決算作業を数日早く終えられる可能性があります。

STEP4:経理・会計システムを導入してデータ連携・自動化を進める

手作業での入力や確認、別の資料への写し替えなど、時間がかかる作業をシステムで自動化することが決算を安定して早めるための大切なポイントです。

ツールを入れるときには一時的に費用がかかりますが、毎月の作業時間を減らせるため長い目で見ると大きな効果が期待できます。

導入・整備を検討したいシステムや取り組みは以下のとおりです。

  • 会計ソフト(弥生会計freeeマネーフォワード等)と販売管理・経費精算ツールをAPI連携させる

  • 証憑・請求書の電子化を進め、受領からデータ取り込みまでの流れを自動化する

  • 申請・承認フローをデジタル化し、承認待ちの滞留を見える化する

  • 経営ダッシュボードを活用して、集計・報告資料の作成を自動化する

システムを選ぶときは、今使っている会計ソフトとつなげられるかを最初に確認することが大切です。
API連携などで他のツールとスムーズにつながるほど、導入後の効果も出やすくなります。

一方で、すべての業務を無理にシステム化すればよいわけではなく、部門をまたぐ大規模なシステム導入などは多くの時間や費用がかかり、導入しても使わない機能が多く残ったりするケースもあります。

作業頻度が低いものや、手作業でも十分に管理できるものまでシステム化すると、かえって運用が複雑になることもあるため注意が必要です。

STEP5:経営層・他部署を巻き込み全社で取り組む体制をつくる

月次決算の早期化は、経理部門だけで完結できる取り組みではありません。

領収書や請求書などの書類の回収、データの提出、申請や承認の流れなど、他部署や経営層の協力が必要な作業が多くあります。

そのため、会社全体で取り組むべき課題として考え、協力できる体制をつくることが大切です。

会社全体で取り組むために押さえておきたいポイントは以下のとおりです。

  • 経営層に早期化の必要性とメリットを説明し、協力体制を構築する

  • 各部門のマネージャーに提出期限の遵守を求め、経営会議での共通議題にする

  • 経理部門だけでなく、営業・購買など関連部門も巻き込んだ改善プロジェクトを立ち上げる

  • 月次で進捗を振り返り、改善サイクルを継続して回す体制をつくる

各部門が決められた期限やルールを守り、経理と連携しながら進めることで月次決算を安定して早めやすくなります。

月次決算の早期化に成功した事例3選

月次決算を早める取り組みは、さまざまな業種や規模の会社で進められています。

ここでは、実際に月次決算を早め、経理業務を効率よく進められるようになった3つの事例を紹介します。

  • 佐渡汽船株式会社|グループ全体の業績把握を約1カ月→約15日に短縮

  • トレンダーズ株式会社|経費精算のシステム化で月次決算を8営業日→5営業日に短縮

  • みらいと税理士法人|AIと会計ソフト連携でレポート作成を1〜2時間→約3分に短縮

みらいと税理士法人様の事例については、月次決算の早期化ではなく月次レポートの作成を効率化した事例です。周辺業務の効率化事例としてご参照いただければと思います。

佐渡汽船株式会社|グループ全体の業績把握を約1カ月→約15日に短縮

画像引用・参照:「会社HP」佐渡汽船株式会社

項目

内容

課題

連結8社の経理業務が属人化され、グループ全体の業績把握に約1カ月かかっていた

取り組み

OBCの「奉行iクラウド Group Shared Model」を導入し、グループ経理業務の標準化・省力化を推進

成果

グループ全体の業績把握期間を約1カ月から約15日に短縮

佐渡島と本土を結ぶ航路事業を行う佐渡汽船株式会社には、2022年にみちのりグループへ加わり8社分の決算作業やグループ全体の業績管理にかかる負担が大きくなったという課題がありました。

さらに、人口減少や高齢化による人手不足も重なり、各グループ会社で経理業務が特定の人に偏っていました。そのため、毎月の業績を把握するまでに約1カ月かかる状況でした。

こうした課題を解決するため、OBCの「奉行iクラウド Group Shared Model」を導入し、グループ会社の経理業務の進め方をそろえ、特定の人に業務が偏らない体制づくりを進めました。

その結果、グループ全体の業績を把握するまでの期間を約1カ月から約15日へと大きく短縮でき、経営判断に使う情報をこれまでより約2週間早く確認できるようになっています。

トレンダーズ株式会社|経費精算のシステム化で月次決算を8営業日→5営業日に短縮

画像引用・参照:「会社HP」トレンダーズ株式会社

項目

内容

課題

月次決算管理が紙ベースで進捗把握が困難。経費精算は手入力ミスが多く、提出期限に間に合わないこともあった

取り組み

Excelの共有機能で進捗をデジタル化し、「楽楽精算」を導入して経費精算プロセスを自動化

成果

月次決算を8営業日→5営業日に短縮。経費精算が月初2営業日目のお昼頃にほぼ完了

マーケティングPR事業やメディア事業を行うトレンダーズ株式会社には、月次決算の進捗管理を紙で行っていたため、担当者と確認者の間で情報をすぐに共有しにくいという課題がありました。

また、経費精算もExcelへの手入力が中心だったため入力ミスや提出遅れが起きやすく、月次決算の完了までに8営業日かかっていたことが課題でした。

こうした課題を解決するため、月次決算管理ではExcelの共有機能を使い、進み具合をすぐに確認できるようにし、経費精算には「楽楽精算」を導入し交通費の自動計算やICカードの取り込みによって、手入力の作業を大きく減らしました。

その結果、月次決算は8営業日から5営業日へと短縮され、役員への報告も早くなり経営判断をよりスピーディーに行いやすくなっています。

みらいと税理士法人|AIと会計ソフト連携でレポート作成を1〜2時間→約3分に短縮

※本事例は月次決算の早期化ではなく、当社の税理士・中小企業向けのクラウド経営分析ツール「metrics」を導入し月次レポートの作成を効率化した事例になります。

項目

内容

課題

スプレッドシートでの財務分析に1社あたり1〜2時間(月次で最大30時間)かかり、品質にもムラがあった

取り組み

metricsのAPI連携とAI CFO機能でレポーティングのプロセスを全面刷新

成果

レポート作成が約3分に短縮し、顧客との対話時間が大幅に増加


顧問先の経営支援を重視するみらいと税理士法人には、月次面談に使う財務分析レポートの作成に時間がかかっているという課題がありました。

顧問先ごとにスプレッドシートで財務分析レポートを作成しており、1社あたり1〜2時間かかり月次面談の準備だけで月に最大30時間が必要であり、レポートの品質が担当者のスキルに左右されやすい点も課題でした。

こうした課題を解決するため、freeeやマネーフォワードと連携できる「metrics」を導入し、会計データを自動で取得し、AI CFO機能によって経営分析レポートをすぐに作成できるようにしました。

その結果、レポート作成時間は1〜2時間から約3分へと大きく短縮され、空いた時間を顧客との深い対話や経営課題の相談に使えるようになっています。

月次決算の早期化を推進するべき会社の特徴

月次決算の早期化は、すべての会社に必要な取り組みではありませんが、数字の確認が遅れていたり、経理担当者の負担が大きかったりする場合は、見直す価値があります。

ここでは、月次決算の早期化に取り組むと効果が出やすい会社の特徴を紹介しますので、自社に当てはまるものがないか確認してみてください。

  • 月次決算に10営業日以上かかっている

  • 経営会議の前日まで数字が揃わない

  • 複数拠点・グループ会社を抱えている

月次決算に10営業日以上かかっている

一般的には、月次決算を翌月10営業日以内に締めることを目安にできますが、上場企業や上場を目指す企業では、5営業日前後で月次決算を締める体制が求められることもあります。

月次決算に10営業日以上かかっていると、前月の数字を確認できるのは翌月の半ばを過ぎてからになります。

その頃には、当月もすでに後半に入り、売上や利益の変化に気づいてもすぐに対応できる時間はあまり残っていません。

月次決算を翌月10営業日以内に終えられると、数字を見てから動き出すまでの遅れを減らすことができ、前月の結果を早めに確認し当月の見直しにもつなげやすくなります。

まずは、どの作業に時間がかかっているのかを整理することから始めましょう。あわせて、数字を見やすくまとめ、気になる変化の理由までその場で確認できる仕組みがあると、月次決算後の確認や報告をより意義深い時間にできます。

経営会議の前日まで数字が揃わない

経営会議の直前まで数字の集計や資料づくりが続いていると、会議のための準備に多くの時間を取られてしまいます。

その結果、本来必要な「数字を見て、これからどう動くかを話し合う時間」が少なくなってしまうでしょう。

必要な数字を早めに確認できる状態にしておくと、会議前にあわてて資料を作る負担を減らせ、最新の数字をもとに早い段階から課題や打ち手を考えやすくなります。

まずは、毎回どの数字を集めているのか、どの資料づくりに時間がかかっているのかを整理してみましょう。あわせて、会議でよく使う数字をダッシュボードで見やすくまとめておくと、準備の負担を減らしながら最新の数字をもとに落ち着いて話し合いやすくなります。

複数拠点・グループ会社を抱えている

複数の拠点やグループ会社がある企業では、それぞれの拠点や会社から数字を集める必要があります。

そのため、確認する数字が増え集計やチェックにも時間がかかりやすくなり、ひとつの拠点の数字が遅れるだけで全体の確認が後ろにずれてしまうこともあるでしょう。

必要な数字を拠点ごと、会社ごとに整理して見られる状態にしておくと、全体の状況を確認しながら、気になる部分も見つけやすくなります。

まずは、どの拠点や会社の数字を集めているのか、確認に時間がかかっている部分はどこかを整理してみましょう。あわせて、拠点や会社ごとに数字を絞り込んだり、気になる項目をさらに詳しく確認できる仕組みがあると、複数拠点の管理もしやすくなります。

月次決算を早期化するなら「metrics」

月次決算の早期化を実現するには、経理業務の効率化だけでなく、集計・分析・報告までの流れを仕組み化することが重要です。

その中でも当社が開発・運営するmetricsは、士業から中小企業まで幅広く対応した経営分析クラウドで、月次決算の早期化とにおける数値の集計から経営報告の効率化をサポートします。

freeeやマネーフォワードとのAPI連携で財務データを自動取得し、経営ダッシュボード・AI CFO・予算管理・着地予測の各機能が、経営判断に必要な情報を素早く整えてくれます。

metricsが月次決算の早期化を支える4つの特徴を見ていきましょう。

  • 見やすいダッシュボードで、スマートな経営支援を実現

  • 予算管理と将来予測で、未来に繋がる経営を支援

  • AIが経営データを読み解き、意思決定をサポート

  • ストレスフリーな初期設定と自動API連携

見やすいダッシュボードで、スマートな経営支援を実現

metricsの経営ダッシュボードは、売上・利益・キャッシュフローといった財務データをグラフやチャートで可視化し、経営者にも直感的にわかりやすい画面設計になっています。

ドリルダウン機能により、ダッシュボード上の数値をクリックするだけで取引明細まで確認でき、会議中の質問にもその場ですぐに答えられます。「ダッシュボードを開いて共有するだけ」で経営報告が完結し、決算完了から報告までの工程を大幅に圧縮できるでしょう。

予算管理と将来予測で、未来に繋がる経営を支援

月次決算の数字を「振り返り」で終わらせないためには、予実管理と将来予測が欠かせません。metricsには実績データをもとに今期の着地を自動で算出する予測機能が組み込まれており、初期設定が要らず、翌月以降の見通しを確認できます。

予算管理機能では、AIサポートや入力ヘルパーを活用しながら数字を入力するたびにリアルタイムでプレビューが更新されます。実績と予算の差異をひと目で把握しながら「いまどこにいるか」「このまま進むとどうなるか」を経営層とリアルタイムで共有できる、前向きな議論の場が生まれるでしょう。

AIが経営データを読み解き、意思決定をサポート

metricsに組み込まれているAI CFOは、財務データの分析・論点整理・異常値の検知を自動で行うAIエージェントです。資料の読み込みや分析作業をAIが担うため、経験の浅いスタッフでも経験豊富な実務者に近い水準のアウトプットを短時間で再現できるようになります。

さらに、AI CFOの機能は大幅にアップデートされており、予算管理とダッシュボード構築もAIとの会話ベースで完結できるようになりました。「売上を来期20%伸ばしたい」と伝えるだけで予算案を自動生成し、「このKPIを見せたい」と言えばダッシュボードが自動で構築されます。

AI CFOの活用方法や最新機能の詳細は、以下からご確認いただけます。

metrics AI CFO 機能紹介プレイリスト|YouTube

ストレスフリーな初期設定と自動API連携

metricsはfreee・マネーフォワードとAPI連携を許可するだけで、仕訳・帳票を自動で取り込み、科目やキャッシュフロー項目についても自動でマッピングされます。初回連携時には過去期分のデータも自動取得するため、面倒な初期設定は一切いりません。

データは定期的に自動更新されるため、面談前日に慌てて最新データを引き直す作業がなくなります。月次決算が完了した時点でダッシュボードにデータが即反映される仕組みを整えることで、集計・報告の一連の流れを自動化し、経理担当者の工数を大幅に削減できます。

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まとめ

月次決算を早く終わらせる目的は、単純に経理作業を早めることではなく、前月の数字を早く確認し、経営の次の動きに活かすことです。

数字を見るタイミングが早くなれば、売上や利益の変化にも早く気づけます。

課題が小さいうちに手を打てるため、経営会議や予算の見直しもより具体的な話し合いに変わります。

一方で、早さだけを優先すると確認漏れや修正が増えてしまうこともあるため、大切なのは日々の入力、書類集め、社内確認の流れを整え、早く正しい数字を出せる状態をつくることです。

また、数字を見やすくまとめておくことで、経理担当者だけでなく経営者や各部門も状況をつかみやすくなります。

まずは、今の月次決算が何日で終わっているのかを確認し、そのうえで数字が遅れる原因をひとつずつ見直し、出した数字を経営判断に使いやすい形へ整えていくことが大事です。

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