【2026年版】税理士事務所を差別化する方法・施策とは?集客につなげるSTEPも解説

顧問料だけで比べられない事務所になるために。5つの差別化の軸とサービス例、3C・STP・SWOTでの整理、集客までの4STEP、ITツールの活用までを解説します。

「ほかの事務所との違いをうまく説明できない。」「提案内容よりも顧問料で比べられてしまう」このような悩みを抱えている税理士の方は少なくありません。

自事務所の強みが伝わらないと、サービスの内容ではなく価格だけで比べられやすくなります。

税理士事務所を差別化するためには、自分たちの強みと顧客のまだ十分に満たされていないニーズを照らし合わせ、どこに力を入れるかを決めることが大切です。

本記事では、税理士事務所に差別化が求められるようになった背景から、5つの差別化パターン、収益につながるサービス例、自事務所の強みを整理する方法、集客までの4つの手順、差別化を支えるITツールの活用まで、順を追って解説します。

何から始めればよいか迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。

提案力で選ばれる事務所づくりを支援

metricsは、税理士・中小企業向けのクラウド経営分析ツールです。
freeeやマネーフォワードとのAPI連携で財務データを自動取得し、月次レポートの作成や経営報告をスムーズにします。
提案内容で選ばれる事務所を目指したい方や、顧問先が増えても無理なく対応できる業務体制を整えたい方は、こちらをご覧ください。

税理士業界で差別化が避けて通れなくなった3つの構造変化

税理士業界では、顧問先から選ばれるために、事務所ごとの特徴を伝えることが以前より大切になっています。

ここでは、その背景にある3つの変化について解説します。

  • 税理士登録者数の増加と顧問先獲得競争の激化

  • 会計ソフト・AI普及による記帳代行ニーズの縮小

  • 顧問先の比較検討行動の変化

税理士登録者数の増加と顧問先獲得競争の激化

日本税理士会連合会によると、令和8年6月末時点の税理士登録者数は82,297人であり、前年の令和7年6月末の81,532人と比べて増えています。

一方、中小企業・小規模事業者の数は2016年357.8万者から2021年の336.5万者と減少しており、顧問先になる可能性のある企業の数が少なくなっています。

また、個人の税理士事務所が法人化したり、ほかの事務所と統合したりする動きも進んでいるでしょう。人員が多く、幅広い相談に対応できる大手税理士法人が業績を伸ばす一方で、小規模な個人事務所は顧問先を獲得しにくくなるなど、事務所ごとの差も広がりつつあります。

こうした状況のなかで顧問先から選ばれるには、自事務所が何を得意とし、どのような支援ができるのかを、分かりやすく伝えることが大切です。

引用・参照:「税理士登録者数」日本税理士会連合会「中小企業・小規模事業者の数」中小企業庁

会計ソフト・AI普及による記帳代行ニーズの縮小

個人事業主のクラウド会計ソフト利用率は、2017年の13.2%から、2026年3月末時点には38.4%へと、約3倍に増えています。

クラウド会計ソフトでは、銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込み、過去の仕訳をもとに勘定科目の候補を出せます。決まった取引であれば、担当者が一つずつ入力する必要は少なくなっているでしょう。

さらにAIを活用すれば、会計データを分析して数値の変化や気になる点を見つけたり、月次報告のコメント案を作ったりすることもできます。

このように、記帳やデータ整理・基本的な分析などの作業だけでは顧問料の価値を説明しにくくなっているため、これからは会計データをもとにどのような提案ができるかがより重要です。

また、クラウド会計ソフトやAIで業務を効率化できますが、会計業務のすべてを任せられるわけではありません。例外的な取引の処理や税務上の判断、経営者への説明は、引き続き人が行う必要があります。

引用・参照:「クラウド会計ソフトの利用状況調査(2026年3月末)」株式会社MM総研「クラウド会計ソフトの利用状況調査(2017年3月末)」株式会社MM総研

顧問先の比較検討行動の変化

税理士の探し方は、紹介された事務所にそのまま決める形から、Webで複数の事務所を比べて選ぶ形へ変わりつつあります。

知人から紹介を受けた場合でも、まず事務所名を検索し、ホームページや口コミ、SNSでの発信を確認してから問い合わせる人が増えています。

また、Web会議が広く使われるようになり、面談や資料のやり取りをオンラインで行う事務所も増えました。毎月訪問してもらう必要がなければ、近くの事務所だけに絞って探す必要はありません。

そのため、近隣だけでなく、遠方の事務所とも比べられるようになっています。一方で、特定の業種や悩みに詳しいことを伝えられれば、これまで出会えなかった地域の顧客から相談を受ける機会が増えることもあるでしょう。

税理士事務所の差別化パターン5つの軸

税理士事務所の差別化には、サービスの内容や料金、専門分野など、いくつかの方向があります。

自事務所の強みや顧客のニーズに合う方法を考えやすいよう、代表的な5つの軸に分けて紹介します。

  • 商品力で差別化する(対応業務の深掘り・専門投資)

  • 報酬体系で差別化する(価格競争に陥らない設計)

  • 異業種連携で差別化する(社労士・FP・司法書士・Web制作等との協業)

  • 専門特化で差別化する(業種・企業規模・成長フェーズ)

  • 提案型支援で差別化する(経営顧問・財務責任者代行型)

商品力で差別化する(対応業務の深掘り・専門投資)

商品力による差別化とは、記帳や申告に加えて、相続、資金繰り、経営分析などの支援に力を入れることです。対応業務の幅を広げるだけでなく、継続的に質の高い支援を提供できる体制を整えることが欠かせません。

専門分野を伸ばす方法は、主に次の3つです。

  • 経営革新等支援機関や事業承継・M&A、FP関連の資格を取得する

  • 書籍執筆や業界誌への寄稿、セミナー登壇で専門知識を発信する

  • チェックリストや面談資料、初回相談の質問項目を用意する

また、顧客にとっては、「相続にも対応しています」という説明よりも、「相続の相談を年間30件受けています」という実績のほうが、イメージを持ちやすくなります。力を入れている分野は、相談件数や支援事例など、具体的な実績とあわせて伝えましょう。

報酬体系で差別化する(価格競争に陥らない設計)

報酬体系による差別化とは、作業にかかった時間だけでなく、顧客が受けられる支援の内容に合わせて料金を決めることです。

訪問回数や作業時間をもとに顧問料を決める方法は、料金の根拠が分かりやすい一方、ほかの事務所と比べたときに、金額の高い・安いだけで判断されやすくなります。

そのため、以下のように対応時間以外の報酬設計も行うとよいでしょう。

  • 資金調達や補助金申請では、着手金と成功報酬を組み合わせる

  • 経営支援を内容別に分け、サブスクリプション型の月額料金を設定する

  • 個別相談や決算業務を、単発サービスとして用意する

複数のプランを設ける場合は、面談回数だけで差をつけるのではなく、分析や提案の内容を変えることが大切です。既存の顧問料をそのまま値上げするのではなく、新しい支援を追加したプランを用意すると、顧問先も必要に応じて選びやすくなります。

異業種連携で差別化する(社労士・FP・司法書士・Web制作等との協業)

異業種との連携による差別化とは、ほかの専門家と協力し、幅広い相談に対応できる体制を整えることです。

経営者が抱える悩みは、税務・労務・法務のように、分野ごとにはっきり分かれているとは限りません。たとえば「人を採用したい」という相談にも、就業規則や助成金、資金繰り、求人方法など、さまざまな課題が含まれています。

そのため、税理士事務所は、相談内容に応じて適切な専門家と連携し、幅広い課題に対応できる体制を整えることで、他事務所との差別化につながります。

  • 社会保険労務士:採用、就業規則、助成金、給与計算に関する相談

  • 司法書士・行政書士:会社設立、相続登記、許認可の申請

  • 弁護士:契約書の確認、取引先とのトラブル、事業承継に関する法務

  • FP・保険代理店:経営者個人の資産形成、退職金、事業保障の相談

  • Web制作会社・広告会社:顧問先の集客支援やホームページの制作

連携する際は、それぞれが担当する範囲と報酬の扱いを明確にしておくことが大切です。税務に関する判断や申告書の作成は自事務所が責任を持って行い、紹介料が発生する場合も、あらかじめルールを決めておきましょう。

専門特化で差別化する(業種・企業規模・成長フェーズ)

専門特化とは、対象とする顧客を絞り、「自分たちのことをよく分かってくれる事務所」と感じてもらう方法です。

主な絞り方には、次の3つがあります。

  • 業種で絞る:飲食、医療・クリニック、建設、美容、EC、IT・SaaSなど

  • 企業規模で絞る:年商1億円未満の小規模法人、年商5〜30億円の中堅企業など

  • 事業の段階で絞る:創業期、拡大期、事業承継期、立て直しの時期

同じ業種の顧問先が増えると、よく使う勘定科目や毎月確認する数字、相談されやすい内容が似てくるため、業務の進め方をそろえやすくなることもメリットです。

ただし、特定の業種に絞りすぎると、その業界の景気によって事務所の売上も影響を受けやすくなります。「〇〇市の建設業」や「開業3年以内のクリニック」のように、地域や会社の規模、事業の段階を組み合わせると、対象を絞りながらも一定の顧客数を見込みやすくなるでしょう。

提案型支援で差別化する(経営顧問・財務責任者代行型)

提案型支援とは、顧問先から相談されるのを待つだけでなく、数字の変化などから課題を見つけ、今後の対応を先に提案する支援です。

申告書を正確に作り、期限までに提出することは大切ですが、その部分だけではほかの事務所との違いが伝わりにくいことがあります。

より能動的な支援へつなげるためには、たとえば次のようなアクションがあります。

  • 月次の数字から気になる変化を見つけ、原因と対応策を伝える

  • 資金繰り表や決算の見込みを作り、投資や採用を考える材料を示す

  • 経営上の目標となる数字を経営者と決め、毎月の進み具合を確認する

  • 金融機関との面談に同席し、業績や資金の状況を説明する

これらは、数字を正確にまとめる力だけでなく、数字から課題を読み取り、次に何をするべきかを考える力が求められます。ただし、担当者の経験によって提案内容に差が出やすいため、事務所として提供するには、確認する項目や面談の進め方をそろえておくことが大切です。

差別化を収益につなげるメニュー別実装例7選

差別化の方向性を決めたあとは、顧客が利用しやすいサービスとして形にし、収益につなげていくことが大切です。

税理士事務所が取り入れやすい7つのメニューについて、支援内容や料金の考え方を紹介します。

  • 資金調達・補助金申請支援

  • 事業承継・M&Aアドバイザリー

  • 認定支援機関としての公的支援メニュー

  • 顧問先のDX・クラウド会計導入支援

  • 顧問先のAI利活用支援(AI導入伴走)

  • 経営コンサルティング

  • 国際税務・インバウンド対応

資金調達・補助金申請支援

資金に関する悩みは、多くの経営者が抱える重要な経営課題です。税理士にも相談しやすいテーマであり、支援内容を具体的なサービスとして設計しやすい分野でもあります。

日本政策金融公庫の国民生活事業によると、令和7年度の創業融資実績は29,320先、融資額は1,681億円でした。前年度の28,032先、1,503億円からいずれも増加しており、創業時に資金調達を必要とする事業者が多いことが分かります。

こうしたニーズに対応するため、創業融資の支援に加え、次のような補助金申請支援を顧問メニューとして提供する方法もあります。

  • ものづくり補助金の申請支援

  • 事業再構築補助金の申請支援

  • デジタル化・AI導入に関する補助金の申請支援

ミラサポplusなどを活用すれば制度に関する情報を収集できますが、自社だけで複雑な要件を正確に理解し、煩雑な手続きを期限内に進めることは容易ではありません。税理士が資金調達に関する実務を支援することで、経営者の負担を軽減し、本業に集中できる環境を整えられます。

引用・参照:「ニュースリリース」日本政策金融公庫

事業承継・M&Aアドバイザリー

後継者についての相談は、顧問先と長く関わってきた税理士だからこそ受けやすい分野です。

中小企業基盤整備機構によると、令和6年度に事業承継・引継ぎ支援センターへ相談した事業者は23,000者を超え、開設以来の累計は15万者を超えました。第三者への事業承継(M&A)の成約件数も2,132件となり、過去最多を更新しています。

成約した譲渡企業の売上規模は、次のとおりです。

  • 売上高3,000万円以下:36.1%

  • 売上高3,000万円超〜1億円以下:31.9%

  • 売上高1億円超〜5億円以下:27.0%

また、親族への事業承継も増えており、支援が完了した件数は令和3年度の1,043件から、令和6年度には1,695件まで伸びています。

M&Aの手続き全体を自事務所で担当するのが難しい場合でも、株価の試算、事業承継の計画作成、事業承継税制の検討、支援センターや仲介会社の紹介などは対応できるケースがあります。まずは既存の顧問先に、後継者が決まっているかを確認することから始めてみるとよいでしょう。

引用・参照:「News Release」中小企業基盤整備機構

認定支援機関としての公的支援メニュー

経営革新等支援機関(認定支援機関)の認定を受けると、以下のような公的な支援制度を提供できるようになります。

  • 経営改善計画策定支援事業:経営改善計画の作成にかかる費用の一部を国が補助する制度

  • 早期経営改善計画策定支援:資金繰りの見直しなど、経営状況が悪化する前の計画づくりを支援する制度

  • 伴走支援型特別保証制度:経営行動計画書を作成することで、保証料の負担を抑えられる制度

ただし、認定機関は全国に3万以上あり、その約6割を税理士や税理士法人が占めているため、認定を受けているだけでは、ほかの事務所との違いを伝えるのは難しくなっています。

大切なのは、認定の有無ではなく、制度を使ってどのような支援をしてきたかです。「認定支援機関です」と伝えるだけでなく、計画策定の支援件数や資金繰りの改善事例、金融機関との具体的な調整内容なども示しましょう。

具体的な実績があると、顧客も支援内容をイメージしやすくなります。

引用・参照:「令和6年度 認定経営革新等支援機関に関する任意調査報告書」中小企業庁

顧問先のDX・クラウド会計導入支援

クラウド会計はすでに広く知られていますが、導入はまだ十分に進んでいません。前述のとおり、個人事業主の利用率は38.4%で、6割以上は今も従来の方法で経理を行っています。

導入支援では、以下のようにクラウドの契約だけでなく、実際に使い続けられる環境を整えることが大切です。

  • 銀行口座、クレジットカード、決済サービスとの連携設定

  • 部門・品目・取引先などの設定と、自動仕訳ルールの作成

  • 領収書や請求書の集め方、毎月の締め日や作業手順の見直し

  • 経理担当者への操作説明と、導入後の問い合わせ対応

freeeマネーフォワードの認定アドバイザー制度に登録すると、クラウド会計の導入を検討している事業者に見つけてもらいやすくなります。

導入後の作業が安定すれば、記帳にかかる時間を減らし、数字の分析や顧問先への報告に時間を使えるようになります。顧問先だけでなく、自事務所の業務を見直すきっかけにもなるでしょう。

引用・参照:「クラウド会計ソフトの利用状況調査(2026年3月末)」株式会社MM総研

顧問先のAI利活用支援(AI導入伴走)

AIに興味はあっても、何から始めればよいか分からず、相談相手も見つけられない中小企業は少なくありません。顧問先の事業や数字を把握している税理士は、AI導入についても相談を受けやすい立場にあります。

中小企業基盤整備機構の調査では、AIを導入済みの中小企業は20.4%でした。また、導入済みの企業が利用するサービスのうち、生成AIは82.6%を占めています。

一方で、以下のように導入に必要な情報や相談先は不足しています。

  • 成功事例や活用事例の情報が十分ではない:83.3%

  • 製品を選ぶための情報が十分ではない:79.8%

  • 「導入事例などの情報提供」を求める企業:70.5%

  • 「専門家への導入相談」を求める企業:59.8%

税理士であれば、顧問先の業務を踏まえ、どの作業からAIを取り入れるべきかを提案できます。対象業務の選定からツール選び、社内ルールの作成、導入後の見直しまで支援するサービスは、今後さらに求められるでしょう。

引用・参照:「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査(2026年3月)」中小企業基盤整備機構

経営コンサルティング

経営コンサルティングの効果は、実際のデータからも確認されています。2025年版中小企業白書では、経営計画を作成している事業者は、作成していない事業者に比べて、売上高と付加価値額の伸び率が高いと報告されています。

経営コンサルティングをサービスとして提供する場合は、以下のようにいつどのような支援を行うのかを明確にすることが大切です。

  • 年1回:経営計画の作成と、翌期の予算づくり

  • 毎月:予算と実績の違いを確認し、資金繰り予定表を更新する

  • 毎月:目標となる数字の進み具合を確認し、翌月の対応を整理する

  • 四半期:計画を見直し、金融機関へ提出する資料を作成する

支援内容を具体的に示すことで、顧問先も通常の税務顧問との違いを理解しやすくなります。既存契約をそのまま値上げするのではなく、別のサービスとして案内すると、必要な顧問先にも選んでもらいやすくなるでしょう。

引用・参照:「2025年版 中小企業白書」中小企業庁

国際税務・インバウンド対応

外資系企業や外国人経営者に対応できる税理士事務所はまだ多くないため、専門性を示しやすい分野です。

対日直接投資残高は2024年末時点で53.3兆円となり、前年から4.5%増えて過去最高を更新しました。政府も2030年の目標を100兆円から120兆円へ引き上げており、今後も外資系企業の日本進出が増えると見込まれています。

ジェトロが外資系企業を対象に行った調査では、政府に期待する施策として「労務・税務関連手続きのワンストップ化」が39.2%で最も多く挙げられました。

外資系企業にとって、以下のような日本特有の税務や労務の手続きが大きな負担になっていることが分かります。

  • 英語による決算書や月次報告書の作成、本国への報告に必要な資料への対応

  • 日本法人の設立と、税務署・年金事務所などへの各種届出

  • 移転価格税制、源泉徴収、消費税の取り扱いに関する相談

  • 社会保険や在留資格について、社労士や行政書士と連携して対応する

また、これらに対応するためには、日本特有の制度や手続きを、英語で対応できるスタッフを配置するなど、相手が理解しやすい言葉で説明できる体制も必要です。

引用・参照:「ジェトロ対日投資報告2025」日本貿易振興機構(ジェトロ)「外資系企業ビジネス実態アンケート 調査結果概要」日本貿易振興機構(ジェトロ)

差別化ポイントを見極めるための自己分析フレーム

自事務所ならではの差別化ポイントを明確にするには、客観的なフレームを用いて市場環境や自事務所の特徴を整理することも重要です。

ここでは、3C・STP・SWOTの3つの分析手法を活用し、選ばれる理由を見極める方法を解説します。

  • 3C分析で市場・競合・自事務所を可視化する

  • STP分析で狙う顧客とポジションを絞り込む

  • SWOT分析で自社の強み・弱み・機会を洗い出す

3C分析で市場・競合・自事務所を可視化する

3C分析とは、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの視点から、自事務所を取り巻く状況を整理する方法です。

差別化を考えるときは、「顧客に求められている」「競合が十分に対応できていない」「自事務所の経験や強みを生かせる」という次の3つの条件がそろう分野を探します。

  • Customer:対応エリアにある事業者の数や業種、創業・事業承継の動き、経営者の年齢層

  • Competitor:近隣事務所の得意分野、料金表の有無、Webサイトやセミナーでの情報発信、スタッフの人数

  • Company:現在の顧問先の業種・年商・顧問料、相談を受けることが多い内容、スタッフの経験や得意分野

これまでの印象だけで判断せず、顧問先の情報を実際に集計してみましょう。

実際に整理すると、次のような形になります。

3C分析の記入例(地方都市の個人事務所)
Customer
建設業と飲食業が多い地域。経営者の高齢化が進み、事業承継の相談が増えている
Competitor
検索上位10事務所のうち、8事務所が「法人税務全般」を掲げている。料金表を公開しているのは3事務所で、事業承継を専門として打ち出している事務所はない
Company
顧問先42社のうち15社が建設業。融資面談への同席は年間10件ほどあり、地域の金融機関とのつながりもある

以上から、この事務所では、建設業の事業承継と資金繰りの支援を強みとして打ち出す方向が考えられます。

STP分析で狙う顧客とポジションを絞り込む

STP分析は、Segmentation(顧客を分ける)、Targeting(狙う顧客を決める)、Positioning(事務所の立ち位置を決める)の3段階で進めます。

3C分析で集めた情報をもとに、「どのような顧客から選ばれたいのか」を一文で表せる状態にすることが目的です。

顧客を分ける基準は、業種に加えて以下の項目があります。

  • 年商規模:1億円未満、1〜5億円、5億円以上

  • 事業の段階:創業期、拡大期、承継期、立て直しの時期

  • 経理体制:経理担当者がいない、1名だけいる、専任のチームがある

  • 求める支援:申告だけを任せたい、毎月相談したい、経営会議にも参加してほしい

ターゲットを決める際は、対象となる企業が地域に十分あるか、自事務所に対応実績があるか、競合が少ないか、想定する顧問料に見合うか、という4つの点で候補を比べます。

実際に対象となる顧客と事務所の立ち位置を整理すると、次のようになります。

STP分析の記入例
Segmentation
県内の建設業を、年商規模、経営者の年齢、後継者の有無で分ける。たとえば、「年商1億円未満の創業期」「年商1〜5億円で経営者が60代以上、後継者がいる」「年商5億円以上で後継者が決まっていない」といった分け方をする
Targeting
その中から、「県内の建設業で、年商1〜5億円、経営者が60代以上で、数年以内に事業承継を考えている企業」を主な対象にする
Positioning
「建設業の事業承継と資金繰りに強く、後継者への引き継ぎから金融機関との交渉まで支援する事務所」として打ち出す

一文にまとめた事務所の立ち位置は、ホームページの見出しや名刺、交流会での自己紹介にも使えます。

SWOT分析で自社の強み・弱み・機会を洗い出す

SWOT分析では、自事務所の状況を、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つに分けて整理します。強みと弱みは事務所内の要素、機会と脅威は市場や競合など事務所の外にある要素です。

区分

事務所内の要素

事務所外の要素

プラスの要素

強み:建設業の顧問先が15社ある、融資面談への同席実績がある、代表が業界団体に所属している

機会:地域の経営者の高齢化、事業承継に関する補助制度の充実、オンライン面談の定着

マイナスの要素

弱み:スタッフが4名で対応できる件数に限りがある、Webでの発信がほとんどない、月次報告の方法が担当者によって異なる

脅威:大手税理士法人の県内進出、記帳代行の料金低下、会計ソフトによる業務の自動化

大切なのは、4つの項目を書き出して終わりにするのではなく、それぞれを組み合わせて、今後の取り組みを考えることです。

強み・弱みと機会・脅威を組み合わせると、具体的な取り組みは次のように整理できます。

SWOT分析をもとに考えた取り組みの例

区分

機会

脅威

強み

強み×機会:建設業向けの事業承継支援をサービスとしてまとめ、業界団体のセミナーで紹介する

強み×脅威:融資面談への同席実績を打ち出し、記帳代行の料金だけで比較されない事務所を目指す

弱み

弱み×機会:月次報告の内容や進め方を統一し、少人数でも一定の質を保ちながら対応できるようにする

弱み×脅威:Webでの情報発信を月2本から始め、大手事務所では対応しにくい地域の相談につなげる

まずは顧問先の情報を集計し、近隣の競合事務所を10件ほど調べるなど、実際に確認できることから始めるとよいでしょう。集めた情報をもとに整理していくことで、自事務所の現状に合った方向性を考えやすくなります。

フレームワークは有用な一方で、当てはめることに拘りすぎると目的とは異なる方向になることもあるため、都度目的に立ち返って考えることが重要です。

差別化を市場に届けて集客するための4STEP

自事務所の強みや立ち位置を整理したあとは、それを顧客に分かりやすく伝えることが大切です。

差別化の内容をもとに、発信方法を選び、問い合わせにつなげるまでの流れを4つの手順で解説します。

  • ①ポジショニングマップで自社の立ち位置を可視化する

  • ②空白地帯(ホワイトスペース)を見極める

  • ③立ち位置に合わせた発信チャネルを選ぶ

  • ④問い合わせにつながる導線を設計する

①ポジショニングマップで自社の立ち位置を可視化する

ポジショニングマップは、縦と横の2つの軸を使い、自事務所と競合事務所の位置関係を図にしたものです。「経営支援に強い」と言葉だけで説明するよりも、競合と並べて見ることで、どのような違いがあるのかを確認しやすくなります。

作成は、次の4つの手順で進めます。

  • 3C分析で調べた競合事務所を10件ほど挙げる

  • 顧客が税理士事務所を選ぶ際に重視する基準を、5〜6個挙げる

  • その中から、似た意味にならない2つの基準を縦軸と横軸に選ぶ

  • 自事務所と競合事務所を図の上に置き、それぞれの位置を確認する

軸を決める際は、「料金が高いか安いか」だけに偏らないようにしましょう。対応できる業種の広さ、経営にどこまで関わるか、面談の頻度、オンライン相談への対応など、顧客が実際に比較しやすい項目から選びます。

選ぶ軸によって、図の見え方は変わるため、軸を変えた図を2〜3パターン作って比べ、自事務所の特徴が伝わりやすい組み合わせを見つけてみましょう。

②空白地帯(ホワイトスペース)を見極める

ポジショニングマップを作ると、競合が集まっている領域と、競合がほとんどいないホワイトスペースが見えてきます。

ただし、競合が少ないからといって、必ずしも有望な市場とは限りません。まだ十分に対応されていない場合もあれば、そもそも必要とする顧客が少ない場合もあります。

取り組みを始める前に、次の3点を確認しましょう。

  • 対象となる顧客がいるか

  • 自事務所で対応できるか

  • 料金を払って依頼するだけの需要があるか

たとえば、既存の顧問先数社に「このような支援があれば利用したいと思いますか」と尋ねる、同じ支援を掲げる事務所がほかの地域にあるかを確認する、といった方法でも調べられます。

候補となる分野が見つかっても、すぐに事務所全体の方針を変える必要はありません。まずは既存の顧問先数社に試してもらい、反応や課題を確認してから少しずつ広げていくと、無理なく進めやすくなります。

③立ち位置に合わせた発信チャネルを選ぶ

情報発信は、数を増やすことよりも、ターゲットが目にするチャネルを選ぶことが大切です。

時間をかけて発信しても、届けたい相手がほとんど利用していない媒体では、問い合わせにはつながりにくくなります。

以下のように事務所の立ち位置によって、相性の良い発信方法は異なります。

事務所の方向性

効果的な集客方法

地域密着で幅広く対応する事務所

Googleビジネスプロフィール、地域名を含めた検索記事、商工会議所や地域の新聞・情報誌

特定の業種に力を入れる事務所

業界団体でのセミナー、業界誌への寄稿、業種名と相談内容を組み合わせた検索記事

全国からオンラインで相談を受ける事務所

検索記事の定期的な公開、YouTube、X・Instagram、オンラインセミナー

経営への提案を重視する事務所

金融機関や他士業からの紹介、支援事例を紹介する記事、少人数の勉強会や相談会

「資金繰りに不安がある」「後継者が決まらない」など経営者が実際に抱えている悩みを表す言葉を使うと、内容が伝わりやすくなります。

また、最初から多くの方法に取り組むのではなく、まずは発信チャネルを1〜2つに絞り、3か月ほど継続して反応を確認するとよいでしょう。

発信方法ごとの具体的な進め方については、集客の経路別にまとめた記事も参考にしてください。

税理士が顧問先を増やす17の方法とは?獲得ルート別の具体策と増えた後の対応まで解説

④問い合わせにつながる導線を設計する

情報発信を見た人が、すぐに問い合わせるとは限りません。事務所を知ってから相談するまでには、ほかの事務所と比べたり、依頼先として信頼できるかを確かめたりする時間があります。

そのため、以下のような検討に必要な情報を分かりやすく示しておくことが大切です。

  • 顧問料の目安と料金に含まれる業務

  • 対応している業種、会社規模、地域

  • 支援実績や相談から契約までの流れ

  • 担当する税理士の経歴や顔写真

  • 初回相談の時間・費用、オンライン対応の有無

最初から顧問契約を案内するのではなく、無料相談や決算書の簡単な診断、業種別のチェックリストなど、相談しやすい入り口を用意する方法もあります。

問い合わせフォームも、名前・連絡先・相談内容など、必要な項目だけに絞りましょう。また、問い合わせから面談に進んだ割合や、面談から契約に至った割合を毎月確認すると、どの段階を見直すべきか判断しやすくなります。

差別化を支えるテクノロジー活用

事務所の強みを生かすには、日々の業務にかかる時間を減らし、顧客への提案や相談対応に力を向けることも大切です。

会計ソフトのAI機能や顧客対応ツール、税理士向けの専用ツールを取り入れ、業務の効率とサービスの質を高める方法を紹介します。

  • 会計ソフトのAI機能で記帳・仕訳を効率化する

  • チャットボット・顧客ポータルで顧客対応を効率化する

  • 税理士法人向けの専用ツールで面談準備効率とアウトプット品質を高める

会計ソフトのAI機能で記帳・仕訳を効率化する

記帳や仕訳入力にかかる時間を減らすことで、顧問先への提案や相談対応に時間を使いやすくなります。

freeeマネーフォワードには、請求書などの書類から日付・金額・取引先を読み取るAI-OCR機能や、銀行口座・クレジットカードの明細をもとに仕訳を提案する機能があります。同じ取引が繰り返される顧問先では、特に活用しやすいでしょう。

引用・参照:「受取請求書のAI-OCR読み取り情報について」freee

こうした機能は、以下のようにスタッフの負担を減らすことに役立ちます。

  • 記帳業務は新人や若手スタッフが担当することが多く、作業が集中しやすい

  • 定型的な入力を自動化すれば、教育の時間を判断や確認が必要な業務に充てられる

  • 担当者による処理の違いが減り、確認する側の負担も軽くなる

導入する際は、自動仕訳のルールを担当者ごとに決めるのではなく、事務所内で統一しておくことが大切です。決まった形で処理できる取引はソフトに任せ、判断が必要な取引だけを人が確認するようにすると、月次処理を安定して進めやすくなります。

チャットボット・顧客ポータルで顧客対応を効率化する

顧問先からの問い合わせは、1件あたりの対応時間が短くても、件数が増えると担当者の負担になります。

「必要な書類は何か」「提出期限はいつか」「手続きはどのように進めるのか」といった質問は重なりやすいため、よくある内容はチャットボットや顧客ポータルなどで効率化しましょう。

引用・参照:「ホームページ」StanRiver税理士法人

チャットボットを導入すると、よくある質問には自動で回答できるため、担当者は個別の判断が必要な相談や、より専門性の高い業務に時間を使えるようになります。

顧客ポータルに請求書や過去のやり取り、預かり資料をまとめておくことで、必要な情報を顧問先自身が確認しやすくなり、電話やメールでの問い合わせ回数も減らせます。

顧問先からよく聞かれる内容が分かれば、ホームページや案内資料に追加すべき情報も見つけやすくなるでしょう。また、担当者が変わった際の引き継ぎがしやすくなり、対応の漏れなども防ぎやすくなります。

税理士法人向けの専用ツールで面談準備効率とアウトプット品質を高める

会計データから必要な数字を抜き出し、グラフや資料を作り、何をどの順番で伝えるかを考える作業は、担当者の経験によって時間や内容に差が出やすい業務です。

会計ソフトから出力できる試算表や推移表は正確ですが、数字に慣れていない経営者にとっては、内容を読み取りにくいこともあります。

大切なのは、入力作業を早く終わらせることだけではなく、面談で経営者に何を伝え、どのような話につなげられるかです。

経営分析に使うツールを選ぶ際は、次の点を確認しましょう。

  • 会計ソフトと連携し、データの取り込みや更新を自動で行えるか

  • 事務所内で同じ画面や資料を使い、担当者が変わっても同じ流れで報告できるか

  • 気になる数字から仕訳の内容まで確認し、面談中の質問にその場で答えられるか

  • 予算や今後の見込みを確認し、過去の報告だけでなく今後の経営について話せるか

当社が開発・運営するmetricsはクラウド型の経営分析ツールであり、税理士事務所の月次面談を想定して作っています。

決められた画面に沿って確認することで面談の準備を進められるため、経験の浅いスタッフでも報告内容をそろえやすくなります。

準備にかかる時間を減らし、その分を顧問先との対話や提案に使うことで、自事務所ならではのサービスとして違いが伝わりやすくなるでしょう。

税理士事務所を差別化するなら「metrics」

記帳や申告にとどまらず、経営に役立つ支援を事務所全体で提供したいと考えている方は、当社が開発・運営するmetricsを選択肢の一つとしてご検討ください。

metricsは、会計データを分かりやすく整理し、経営判断に必要な情報をすぐに確認できるクラウド型の経営分析ツールです。税理士事務所や企業など、さまざまな場面で利用されています。

2026年のアップデートではAI機能が強化され、AI CFOと対話しながら、予算管理やダッシュボードの作成を進められるようになりました。主な特徴は次の4つです。

  • 見やすいダッシュボードでスマートな経営支援を実現

  • 予算管理と将来予測で未来に繋がる経営を支援

  • AIが経営データを読み解き意思決定をサポート

  • ストレスフリーな初期設定と自動API連携

見やすいダッシュボードでスマートな経営支援を実現

経営支援に力を入れようとすると、まず負担になりやすいのが面談の準備です。metricsのダッシュボードには、経営の状況を確認するために必要な数字が一つの画面にまとまっているため、毎月Excelで報告資料を作り直す手間を減らせます。

面談の前に資料を一から作るのではなく、画面を開いて顧問先と一緒に確認しながら話を進められます。

また、気になる数字をクリックすると関連する仕訳の明細まで確認できます。面談中に質問を受けたときも、その場で内容を確認しやすくなり、「確認して後日回答します」と持ち帰る場面を減らせるでしょう。

予算管理と将来予測で未来に繋がる経営を支援

経営支援では、過去の数字を説明するだけでなく、これからの見通しを一緒に考えられることが大切です。metricsの予算管理画面では、AIの補助機能や入力支援を使いながら数字を入力すると、損益の見込みがその場で更新されます。

経営者と同じ画面を見ながら数字を変更できるため、その場で試算を示せる点も特徴です。細かな予算を作る時間が取れない顧問先には、過去の実績をもとに期末の見込みを算出する「自動予測」も利用できます。

作成した予算と自動予測は、ダッシュボード上で簡単に切り替えられます。現在の状況と、このまま進んだ場合の見込みを比べながら説明できるため、顧問先と今後の対応を話し合う際にも役立つでしょう。

AIが経営データを読み解き意思決定をサポート

metricsには、経営データの分析やダッシュボードの作成、予算案づくりを支援するAI機能「AI CFO」が搭載されています。データの読み取りや数値変化の確認、話し合うべき点の整理を任せられるため、担当者は今後の対応や提案を考えることに時間を使いやすくなるでしょう。

顧問先ごとの数字の見方や、業種ごとに確認したい項目を事務所内の知識として登録できる点も特徴です。担当者の変更や引き継ぎがあった場合でも、これまでの見方を共有しやすくなり、分析の内容に差が出るのを抑えられます。

経験が豊富でないスタッフでも、確認すべき点を短時間で整理しやすくなるでしょう。

実際の操作画面は、次のYouTube動画でも確認できます。

metrics AI CFO 機能紹介プレイリスト|YouTube

ストレスフリーな初期設定と自動API連携

metricsはfreeeマネーフォワードとAPI連携しており、連携を許可すると、仕訳や帳票が自動で取り込まれます。勘定科目とキャッシュフロー項目の対応も自動で設定されます。

初回の連携では、過去の会計データもまとめて取得されるため、手作業でデータを整える必要はありません。契約後すぐにダッシュボードを顧問先へ共有でき、新たに契約した顧問先への支援も始めやすくなります。

連携したデータは定期的に更新され、面談のたびに会計ソフトから数字を取り直す作業が減るため、その分の時間を分析や提案の準備に使えます。

経営支援を事務所全体で進められる形を整えたい方は、無料デモで実際の画面をご確認ください。

リンクをクリックすると日程調整ページが開きます。ご都合のよい日時を選んでご予約ください。

税理士事務所へのmetrics導入事例

差別化を考える際は、実際に支援の方法を見直した事務所の取り組みも参考になります。

ここでは、metricsを導入して報告や面談のあり方を見直した4つの事例を紹介します。

  • 伊藤会計事務所|属人化していた面談準備を定型化し、新人でも同じ品質の報告へ

  • エンジョイント税理士法人|試算表中心の報告会から、未来を話し合う場へ

  • スタートアップ税理士法人|コストと見られていた経理代行を、投資と呼べる支援へ

  • みらいと税理士法人|レポート作成の工数を削り、経営者との対話を能動的に

伊藤会計事務所|属人化していた面談準備を定型化し、新人でも同じ品質の報告へ

項目

内容

課題

顧客面談の準備内容や所要時間が担当者によって異なり、経験の浅いスタッフほど時間がかかっていた

metricsによる解決策

面談準備を「metricsで作成したウィジェットを順番に確認する」という流れに統一した

効果

準備時間を減らし、担当者が変わっても報告内容の質をそろえやすくなった

伊藤会計事務所様では、面談の前に何をどこまで確認するかが担当者ごとに異なっていました。そのため、経験の浅いスタッフほど準備に時間がかかり、報告内容にも差が出やすいことが課題でした。

そこで、面談準備を、metricsのウィジェットを決められた順番で確認する流れに統一しました。確認する項目と順番が決まっていれば、経験にかかわらず必要な情報を整理しやすくなります。準備時間を減らしながら、事務所内で報告内容をそろえられるようになりました。

担当者が変わっても同じ流れで準備できるため、前任者が使っていたウィジェットをそのまま引き継げ、報告の質も保ちやすくなりました。

エンジョイント税理士法人|試算表中心の報告会から、未来を話し合う場へ

項目

内容

課題

試算表を中心とした報告では、経験の浅いメンバーほど過去と現在の説明に時間がかかり、今後の話まで進みにくかった

metricsによる解決策

報告に使うウィジェットを法人内で統一し、日々の業務でもmetricsでの報告を意識して補足情報を入力するようにした

効果

経験による報告内容の差が減り、経営上の課題や今後の見通しについて話し合う面談が増えた

エンジョイント税理士法人様では、顧問先との面談を「過去・現在・未来」の順に進めることを大切にしてきました。しかし、試算表を中心とした報告では、経験の浅いメンバーほど過去から現在までの説明に時間がかかり、今後の話に十分な時間を使えないことが課題になっていました。

そこで、報告に使うウィジェットを法人内で統一しました。担当者が変わっても一定の内容で報告できるようにし、日々の業務でもmetricsでの報告に必要な補足情報を入力するようにしています。

数字がグラフなどで分かりやすく表示されるため、経験の浅いメンバーでも、確認すべき指標を示しやすくなりました。過去と現在の説明だけで終わる面談が減り、顧問先の経営課題や今後の見通しについて話し合う時間が増えています。

スタートアップ税理士法人|コストと見られていた経理代行を、投資と呼べる支援へ

項目

内容

課題

試算表を渡すだけでは、経営者が数字を経営や資金調達にどう生かせばよいか分かりにくかった

metricsによる解決策

freeeに登録された部門・品目・取引先などの情報を連携し、入力した内容がすぐにレポートへ反映される仕組みを整えた

効果

面談準備で迷うことが減り、経営戦略や資金調達の提案に時間を使えるようになった

スタートアップ税理士法人様では、経理代行の価値を経営者に十分伝えにくいことが課題になっていました。試算表を渡すだけでは、数字を経営にどう生かすかまで示せず、経営に役立つ「投資」としての価値を伝えきれない状況があったといいます。

導入後は、freeeに登録された部門・品目・取引先などの情報がmetricsに連携され、会計ソフトへの入力内容がレポートに反映されるようになりました。最新の数字をグラフなどで確認できるため、担当者はどの項目を見るべきか判断しやすくなり、経営者への説明にもそのまま使えます。

面談準備にかかる時間や迷いが減ったことで、経営戦略や資金調達について提案する時間を確保しやすくなりました。定例会議で話し合う内容も深まり、大規模な資金調達にもつながっています。

また、税理士や社労士などグループ内の各法人が最新の数字を共有し、それぞれの立場から連携して提案できるようになった点も特徴です。

みらいと税理士法人|レポート作成の工数を削り、経営者との対話を能動的に

項目

内容

課題

1社あたり1〜2時間、月に最大30時間を財務分析やレポート作成に使っており、担当者によって内容にも差があった

metricsによる解決策

API連携によってデータの取得と更新を自動化し、使用するウィジェットを統一した。さらに、AI CFOで数字の変化を詳しく確認できるようにした

効果

レポート作成の時間が1〜2時間から約3分に短縮され、今後の経営判断について話し合う時間を増やせるようになった

みらいと税理士法人様では、財務分析とレポート作成に月最大30時間を使っていました。時間をかけて資料を作っても、面談が数字の説明だけで終わりやすく、業種の特徴を踏まえた分析ができるかどうかも担当者の経験に左右されていたことも課題でした。

そこで、会計ソフトとのAPI連携によってデータの取得と更新を自動化し、報告に使うウィジェットも統一しました。さらにAI CFOを使い、「なぜこの数字が下がっているのか」といった疑問を、対話しながら掘り下げられる環境も整えました。

その結果、1〜2時間かかっていたレポート作成は約3分まで短縮され、今後の経営判断についても話し合いやすくなっています。支援中の5社すべてが過去最高の売上を更新し、対応できる顧問先も5社から10社程度まで増やせる見通しが立っています。

4つの事例に共通するのは、作業時間を減らすことだけを目的にしていない点です。生まれた時間を経営者との対話や提案に使うことで、事務所ならではの支援につなげています。

まとめ

本記事では、税理士事務所に差別化が求められる背景から、5つの方向性、サービス例、自事務所の分析方法、集客までの手順、ツールの活用までを紹介しました。

背景には、顧問先となる企業の減少、記帳業務の自動化、Webで税理士事務所を比較する人の増加があります。こうした変化に対応するには、これまでのやり方を見直すことも必要です。

差別化の方向性は、商品力・報酬体系・異業種連携・専門特化・提案型支援の5つに分けられます。大切なのは、話題のサービスをそのまま取り入れるのではなく、自事務所の実績や強みと、顧客のニーズが重なる分野を選ぶことです。

決めた方針を実行するためには、無理なく回せる体制も欠かせません。会計ソフトのAI機能や専用ツールを活用し、記帳や資料作成の時間を減らすことで、顧問先への提案や相談対応に時間を使いやすくなります。

まずは、現在の顧問先を業種や顧問料ごとに整理し、近隣の競合事務所を10件ほど調べてみるとよいでしょう。実際の情報を並べることで、自事務所が選ばれている理由や、今後力を入れる分野が見つけやすくなります。

「ほかの事務所との違いをうまく説明できない。」「提案内容よりも顧問料で比べられてしまう」このような悩みを抱えている税理士の方は少なくありません。

自事務所の強みが伝わらないと、サービスの内容ではなく価格だけで比べられやすくなります。

税理士事務所を差別化するためには、自分たちの強みと顧客のまだ十分に満たされていないニーズを照らし合わせ、どこに力を入れるかを決めることが大切です。

本記事では、税理士事務所に差別化が求められるようになった背景から、5つの差別化パターン、収益につながるサービス例、自事務所の強みを整理する方法、集客までの4つの手順、差別化を支えるITツールの活用まで、順を追って解説します。

何から始めればよいか迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。

提案力で選ばれる事務所づくりを支援

metricsは、税理士・中小企業向けのクラウド経営分析ツールです。
freeeやマネーフォワードとのAPI連携で財務データを自動取得し、月次レポートの作成や経営報告をスムーズにします。
提案内容で選ばれる事務所を目指したい方や、顧問先が増えても無理なく対応できる業務体制を整えたい方は、こちらをご覧ください。

税理士業界で差別化が避けて通れなくなった3つの構造変化

税理士業界では、顧問先から選ばれるために、事務所ごとの特徴を伝えることが以前より大切になっています。

ここでは、その背景にある3つの変化について解説します。

  • 税理士登録者数の増加と顧問先獲得競争の激化

  • 会計ソフト・AI普及による記帳代行ニーズの縮小

  • 顧問先の比較検討行動の変化

税理士登録者数の増加と顧問先獲得競争の激化

日本税理士会連合会によると、令和8年6月末時点の税理士登録者数は82,297人であり、前年の令和7年6月末の81,532人と比べて増えています。

一方、中小企業・小規模事業者の数は2016年357.8万者から2021年の336.5万者と減少しており、顧問先になる可能性のある企業の数が少なくなっています。

また、個人の税理士事務所が法人化したり、ほかの事務所と統合したりする動きも進んでいるでしょう。人員が多く、幅広い相談に対応できる大手税理士法人が業績を伸ばす一方で、小規模な個人事務所は顧問先を獲得しにくくなるなど、事務所ごとの差も広がりつつあります。

こうした状況のなかで顧問先から選ばれるには、自事務所が何を得意とし、どのような支援ができるのかを、分かりやすく伝えることが大切です。

引用・参照:「税理士登録者数」日本税理士会連合会「中小企業・小規模事業者の数」中小企業庁

会計ソフト・AI普及による記帳代行ニーズの縮小

個人事業主のクラウド会計ソフト利用率は、2017年の13.2%から、2026年3月末時点には38.4%へと、約3倍に増えています。

クラウド会計ソフトでは、銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込み、過去の仕訳をもとに勘定科目の候補を出せます。決まった取引であれば、担当者が一つずつ入力する必要は少なくなっているでしょう。

さらにAIを活用すれば、会計データを分析して数値の変化や気になる点を見つけたり、月次報告のコメント案を作ったりすることもできます。

このように、記帳やデータ整理・基本的な分析などの作業だけでは顧問料の価値を説明しにくくなっているため、これからは会計データをもとにどのような提案ができるかがより重要です。

また、クラウド会計ソフトやAIで業務を効率化できますが、会計業務のすべてを任せられるわけではありません。例外的な取引の処理や税務上の判断、経営者への説明は、引き続き人が行う必要があります。

引用・参照:「クラウド会計ソフトの利用状況調査(2026年3月末)」株式会社MM総研「クラウド会計ソフトの利用状況調査(2017年3月末)」株式会社MM総研

顧問先の比較検討行動の変化

税理士の探し方は、紹介された事務所にそのまま決める形から、Webで複数の事務所を比べて選ぶ形へ変わりつつあります。

知人から紹介を受けた場合でも、まず事務所名を検索し、ホームページや口コミ、SNSでの発信を確認してから問い合わせる人が増えています。

また、Web会議が広く使われるようになり、面談や資料のやり取りをオンラインで行う事務所も増えました。毎月訪問してもらう必要がなければ、近くの事務所だけに絞って探す必要はありません。

そのため、近隣だけでなく、遠方の事務所とも比べられるようになっています。一方で、特定の業種や悩みに詳しいことを伝えられれば、これまで出会えなかった地域の顧客から相談を受ける機会が増えることもあるでしょう。

税理士事務所の差別化パターン5つの軸

税理士事務所の差別化には、サービスの内容や料金、専門分野など、いくつかの方向があります。

自事務所の強みや顧客のニーズに合う方法を考えやすいよう、代表的な5つの軸に分けて紹介します。

  • 商品力で差別化する(対応業務の深掘り・専門投資)

  • 報酬体系で差別化する(価格競争に陥らない設計)

  • 異業種連携で差別化する(社労士・FP・司法書士・Web制作等との協業)

  • 専門特化で差別化する(業種・企業規模・成長フェーズ)

  • 提案型支援で差別化する(経営顧問・財務責任者代行型)

商品力で差別化する(対応業務の深掘り・専門投資)

商品力による差別化とは、記帳や申告に加えて、相続、資金繰り、経営分析などの支援に力を入れることです。対応業務の幅を広げるだけでなく、継続的に質の高い支援を提供できる体制を整えることが欠かせません。

専門分野を伸ばす方法は、主に次の3つです。

  • 経営革新等支援機関や事業承継・M&A、FP関連の資格を取得する

  • 書籍執筆や業界誌への寄稿、セミナー登壇で専門知識を発信する

  • チェックリストや面談資料、初回相談の質問項目を用意する

また、顧客にとっては、「相続にも対応しています」という説明よりも、「相続の相談を年間30件受けています」という実績のほうが、イメージを持ちやすくなります。力を入れている分野は、相談件数や支援事例など、具体的な実績とあわせて伝えましょう。

報酬体系で差別化する(価格競争に陥らない設計)

報酬体系による差別化とは、作業にかかった時間だけでなく、顧客が受けられる支援の内容に合わせて料金を決めることです。

訪問回数や作業時間をもとに顧問料を決める方法は、料金の根拠が分かりやすい一方、ほかの事務所と比べたときに、金額の高い・安いだけで判断されやすくなります。

そのため、以下のように対応時間以外の報酬設計も行うとよいでしょう。

  • 資金調達や補助金申請では、着手金と成功報酬を組み合わせる

  • 経営支援を内容別に分け、サブスクリプション型の月額料金を設定する

  • 個別相談や決算業務を、単発サービスとして用意する

複数のプランを設ける場合は、面談回数だけで差をつけるのではなく、分析や提案の内容を変えることが大切です。既存の顧問料をそのまま値上げするのではなく、新しい支援を追加したプランを用意すると、顧問先も必要に応じて選びやすくなります。

異業種連携で差別化する(社労士・FP・司法書士・Web制作等との協業)

異業種との連携による差別化とは、ほかの専門家と協力し、幅広い相談に対応できる体制を整えることです。

経営者が抱える悩みは、税務・労務・法務のように、分野ごとにはっきり分かれているとは限りません。たとえば「人を採用したい」という相談にも、就業規則や助成金、資金繰り、求人方法など、さまざまな課題が含まれています。

そのため、税理士事務所は、相談内容に応じて適切な専門家と連携し、幅広い課題に対応できる体制を整えることで、他事務所との差別化につながります。

  • 社会保険労務士:採用、就業規則、助成金、給与計算に関する相談

  • 司法書士・行政書士:会社設立、相続登記、許認可の申請

  • 弁護士:契約書の確認、取引先とのトラブル、事業承継に関する法務

  • FP・保険代理店:経営者個人の資産形成、退職金、事業保障の相談

  • Web制作会社・広告会社:顧問先の集客支援やホームページの制作

連携する際は、それぞれが担当する範囲と報酬の扱いを明確にしておくことが大切です。税務に関する判断や申告書の作成は自事務所が責任を持って行い、紹介料が発生する場合も、あらかじめルールを決めておきましょう。

専門特化で差別化する(業種・企業規模・成長フェーズ)

専門特化とは、対象とする顧客を絞り、「自分たちのことをよく分かってくれる事務所」と感じてもらう方法です。

主な絞り方には、次の3つがあります。

  • 業種で絞る:飲食、医療・クリニック、建設、美容、EC、IT・SaaSなど

  • 企業規模で絞る:年商1億円未満の小規模法人、年商5〜30億円の中堅企業など

  • 事業の段階で絞る:創業期、拡大期、事業承継期、立て直しの時期

同じ業種の顧問先が増えると、よく使う勘定科目や毎月確認する数字、相談されやすい内容が似てくるため、業務の進め方をそろえやすくなることもメリットです。

ただし、特定の業種に絞りすぎると、その業界の景気によって事務所の売上も影響を受けやすくなります。「〇〇市の建設業」や「開業3年以内のクリニック」のように、地域や会社の規模、事業の段階を組み合わせると、対象を絞りながらも一定の顧客数を見込みやすくなるでしょう。

提案型支援で差別化する(経営顧問・財務責任者代行型)

提案型支援とは、顧問先から相談されるのを待つだけでなく、数字の変化などから課題を見つけ、今後の対応を先に提案する支援です。

申告書を正確に作り、期限までに提出することは大切ですが、その部分だけではほかの事務所との違いが伝わりにくいことがあります。

より能動的な支援へつなげるためには、たとえば次のようなアクションがあります。

  • 月次の数字から気になる変化を見つけ、原因と対応策を伝える

  • 資金繰り表や決算の見込みを作り、投資や採用を考える材料を示す

  • 経営上の目標となる数字を経営者と決め、毎月の進み具合を確認する

  • 金融機関との面談に同席し、業績や資金の状況を説明する

これらは、数字を正確にまとめる力だけでなく、数字から課題を読み取り、次に何をするべきかを考える力が求められます。ただし、担当者の経験によって提案内容に差が出やすいため、事務所として提供するには、確認する項目や面談の進め方をそろえておくことが大切です。

差別化を収益につなげるメニュー別実装例7選

差別化の方向性を決めたあとは、顧客が利用しやすいサービスとして形にし、収益につなげていくことが大切です。

税理士事務所が取り入れやすい7つのメニューについて、支援内容や料金の考え方を紹介します。

  • 資金調達・補助金申請支援

  • 事業承継・M&Aアドバイザリー

  • 認定支援機関としての公的支援メニュー

  • 顧問先のDX・クラウド会計導入支援

  • 顧問先のAI利活用支援(AI導入伴走)

  • 経営コンサルティング

  • 国際税務・インバウンド対応

資金調達・補助金申請支援

資金に関する悩みは、多くの経営者が抱える重要な経営課題です。税理士にも相談しやすいテーマであり、支援内容を具体的なサービスとして設計しやすい分野でもあります。

日本政策金融公庫の国民生活事業によると、令和7年度の創業融資実績は29,320先、融資額は1,681億円でした。前年度の28,032先、1,503億円からいずれも増加しており、創業時に資金調達を必要とする事業者が多いことが分かります。

こうしたニーズに対応するため、創業融資の支援に加え、次のような補助金申請支援を顧問メニューとして提供する方法もあります。

  • ものづくり補助金の申請支援

  • 事業再構築補助金の申請支援

  • デジタル化・AI導入に関する補助金の申請支援

ミラサポplusなどを活用すれば制度に関する情報を収集できますが、自社だけで複雑な要件を正確に理解し、煩雑な手続きを期限内に進めることは容易ではありません。税理士が資金調達に関する実務を支援することで、経営者の負担を軽減し、本業に集中できる環境を整えられます。

引用・参照:「ニュースリリース」日本政策金融公庫

事業承継・M&Aアドバイザリー

後継者についての相談は、顧問先と長く関わってきた税理士だからこそ受けやすい分野です。

中小企業基盤整備機構によると、令和6年度に事業承継・引継ぎ支援センターへ相談した事業者は23,000者を超え、開設以来の累計は15万者を超えました。第三者への事業承継(M&A)の成約件数も2,132件となり、過去最多を更新しています。

成約した譲渡企業の売上規模は、次のとおりです。

  • 売上高3,000万円以下:36.1%

  • 売上高3,000万円超〜1億円以下:31.9%

  • 売上高1億円超〜5億円以下:27.0%

また、親族への事業承継も増えており、支援が完了した件数は令和3年度の1,043件から、令和6年度には1,695件まで伸びています。

M&Aの手続き全体を自事務所で担当するのが難しい場合でも、株価の試算、事業承継の計画作成、事業承継税制の検討、支援センターや仲介会社の紹介などは対応できるケースがあります。まずは既存の顧問先に、後継者が決まっているかを確認することから始めてみるとよいでしょう。

引用・参照:「News Release」中小企業基盤整備機構

認定支援機関としての公的支援メニュー

経営革新等支援機関(認定支援機関)の認定を受けると、以下のような公的な支援制度を提供できるようになります。

  • 経営改善計画策定支援事業:経営改善計画の作成にかかる費用の一部を国が補助する制度

  • 早期経営改善計画策定支援:資金繰りの見直しなど、経営状況が悪化する前の計画づくりを支援する制度

  • 伴走支援型特別保証制度:経営行動計画書を作成することで、保証料の負担を抑えられる制度

ただし、認定機関は全国に3万以上あり、その約6割を税理士や税理士法人が占めているため、認定を受けているだけでは、ほかの事務所との違いを伝えるのは難しくなっています。

大切なのは、認定の有無ではなく、制度を使ってどのような支援をしてきたかです。「認定支援機関です」と伝えるだけでなく、計画策定の支援件数や資金繰りの改善事例、金融機関との具体的な調整内容なども示しましょう。

具体的な実績があると、顧客も支援内容をイメージしやすくなります。

引用・参照:「令和6年度 認定経営革新等支援機関に関する任意調査報告書」中小企業庁

顧問先のDX・クラウド会計導入支援

クラウド会計はすでに広く知られていますが、導入はまだ十分に進んでいません。前述のとおり、個人事業主の利用率は38.4%で、6割以上は今も従来の方法で経理を行っています。

導入支援では、以下のようにクラウドの契約だけでなく、実際に使い続けられる環境を整えることが大切です。

  • 銀行口座、クレジットカード、決済サービスとの連携設定

  • 部門・品目・取引先などの設定と、自動仕訳ルールの作成

  • 領収書や請求書の集め方、毎月の締め日や作業手順の見直し

  • 経理担当者への操作説明と、導入後の問い合わせ対応

freeeマネーフォワードの認定アドバイザー制度に登録すると、クラウド会計の導入を検討している事業者に見つけてもらいやすくなります。

導入後の作業が安定すれば、記帳にかかる時間を減らし、数字の分析や顧問先への報告に時間を使えるようになります。顧問先だけでなく、自事務所の業務を見直すきっかけにもなるでしょう。

引用・参照:「クラウド会計ソフトの利用状況調査(2026年3月末)」株式会社MM総研

顧問先のAI利活用支援(AI導入伴走)

AIに興味はあっても、何から始めればよいか分からず、相談相手も見つけられない中小企業は少なくありません。顧問先の事業や数字を把握している税理士は、AI導入についても相談を受けやすい立場にあります。

中小企業基盤整備機構の調査では、AIを導入済みの中小企業は20.4%でした。また、導入済みの企業が利用するサービスのうち、生成AIは82.6%を占めています。

一方で、以下のように導入に必要な情報や相談先は不足しています。

  • 成功事例や活用事例の情報が十分ではない:83.3%

  • 製品を選ぶための情報が十分ではない:79.8%

  • 「導入事例などの情報提供」を求める企業:70.5%

  • 「専門家への導入相談」を求める企業:59.8%

税理士であれば、顧問先の業務を踏まえ、どの作業からAIを取り入れるべきかを提案できます。対象業務の選定からツール選び、社内ルールの作成、導入後の見直しまで支援するサービスは、今後さらに求められるでしょう。

引用・参照:「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査(2026年3月)」中小企業基盤整備機構

経営コンサルティング

経営コンサルティングの効果は、実際のデータからも確認されています。2025年版中小企業白書では、経営計画を作成している事業者は、作成していない事業者に比べて、売上高と付加価値額の伸び率が高いと報告されています。

経営コンサルティングをサービスとして提供する場合は、以下のようにいつどのような支援を行うのかを明確にすることが大切です。

  • 年1回:経営計画の作成と、翌期の予算づくり

  • 毎月:予算と実績の違いを確認し、資金繰り予定表を更新する

  • 毎月:目標となる数字の進み具合を確認し、翌月の対応を整理する

  • 四半期:計画を見直し、金融機関へ提出する資料を作成する

支援内容を具体的に示すことで、顧問先も通常の税務顧問との違いを理解しやすくなります。既存契約をそのまま値上げするのではなく、別のサービスとして案内すると、必要な顧問先にも選んでもらいやすくなるでしょう。

引用・参照:「2025年版 中小企業白書」中小企業庁

国際税務・インバウンド対応

外資系企業や外国人経営者に対応できる税理士事務所はまだ多くないため、専門性を示しやすい分野です。

対日直接投資残高は2024年末時点で53.3兆円となり、前年から4.5%増えて過去最高を更新しました。政府も2030年の目標を100兆円から120兆円へ引き上げており、今後も外資系企業の日本進出が増えると見込まれています。

ジェトロが外資系企業を対象に行った調査では、政府に期待する施策として「労務・税務関連手続きのワンストップ化」が39.2%で最も多く挙げられました。

外資系企業にとって、以下のような日本特有の税務や労務の手続きが大きな負担になっていることが分かります。

  • 英語による決算書や月次報告書の作成、本国への報告に必要な資料への対応

  • 日本法人の設立と、税務署・年金事務所などへの各種届出

  • 移転価格税制、源泉徴収、消費税の取り扱いに関する相談

  • 社会保険や在留資格について、社労士や行政書士と連携して対応する

また、これらに対応するためには、日本特有の制度や手続きを、英語で対応できるスタッフを配置するなど、相手が理解しやすい言葉で説明できる体制も必要です。

引用・参照:「ジェトロ対日投資報告2025」日本貿易振興機構(ジェトロ)「外資系企業ビジネス実態アンケート 調査結果概要」日本貿易振興機構(ジェトロ)

差別化ポイントを見極めるための自己分析フレーム

自事務所ならではの差別化ポイントを明確にするには、客観的なフレームを用いて市場環境や自事務所の特徴を整理することも重要です。

ここでは、3C・STP・SWOTの3つの分析手法を活用し、選ばれる理由を見極める方法を解説します。

  • 3C分析で市場・競合・自事務所を可視化する

  • STP分析で狙う顧客とポジションを絞り込む

  • SWOT分析で自社の強み・弱み・機会を洗い出す

3C分析で市場・競合・自事務所を可視化する

3C分析とは、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの視点から、自事務所を取り巻く状況を整理する方法です。

差別化を考えるときは、「顧客に求められている」「競合が十分に対応できていない」「自事務所の経験や強みを生かせる」という次の3つの条件がそろう分野を探します。

  • Customer:対応エリアにある事業者の数や業種、創業・事業承継の動き、経営者の年齢層

  • Competitor:近隣事務所の得意分野、料金表の有無、Webサイトやセミナーでの情報発信、スタッフの人数

  • Company:現在の顧問先の業種・年商・顧問料、相談を受けることが多い内容、スタッフの経験や得意分野

これまでの印象だけで判断せず、顧問先の情報を実際に集計してみましょう。

実際に整理すると、次のような形になります。

3C分析の記入例(地方都市の個人事務所)
Customer
建設業と飲食業が多い地域。経営者の高齢化が進み、事業承継の相談が増えている
Competitor
検索上位10事務所のうち、8事務所が「法人税務全般」を掲げている。料金表を公開しているのは3事務所で、事業承継を専門として打ち出している事務所はない
Company
顧問先42社のうち15社が建設業。融資面談への同席は年間10件ほどあり、地域の金融機関とのつながりもある

以上から、この事務所では、建設業の事業承継と資金繰りの支援を強みとして打ち出す方向が考えられます。

STP分析で狙う顧客とポジションを絞り込む

STP分析は、Segmentation(顧客を分ける)、Targeting(狙う顧客を決める)、Positioning(事務所の立ち位置を決める)の3段階で進めます。

3C分析で集めた情報をもとに、「どのような顧客から選ばれたいのか」を一文で表せる状態にすることが目的です。

顧客を分ける基準は、業種に加えて以下の項目があります。

  • 年商規模:1億円未満、1〜5億円、5億円以上

  • 事業の段階:創業期、拡大期、承継期、立て直しの時期

  • 経理体制:経理担当者がいない、1名だけいる、専任のチームがある

  • 求める支援:申告だけを任せたい、毎月相談したい、経営会議にも参加してほしい

ターゲットを決める際は、対象となる企業が地域に十分あるか、自事務所に対応実績があるか、競合が少ないか、想定する顧問料に見合うか、という4つの点で候補を比べます。

実際に対象となる顧客と事務所の立ち位置を整理すると、次のようになります。

STP分析の記入例
Segmentation
県内の建設業を、年商規模、経営者の年齢、後継者の有無で分ける。たとえば、「年商1億円未満の創業期」「年商1〜5億円で経営者が60代以上、後継者がいる」「年商5億円以上で後継者が決まっていない」といった分け方をする
Targeting
その中から、「県内の建設業で、年商1〜5億円、経営者が60代以上で、数年以内に事業承継を考えている企業」を主な対象にする
Positioning
「建設業の事業承継と資金繰りに強く、後継者への引き継ぎから金融機関との交渉まで支援する事務所」として打ち出す

一文にまとめた事務所の立ち位置は、ホームページの見出しや名刺、交流会での自己紹介にも使えます。

SWOT分析で自社の強み・弱み・機会を洗い出す

SWOT分析では、自事務所の状況を、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つに分けて整理します。強みと弱みは事務所内の要素、機会と脅威は市場や競合など事務所の外にある要素です。

区分

事務所内の要素

事務所外の要素

プラスの要素

強み:建設業の顧問先が15社ある、融資面談への同席実績がある、代表が業界団体に所属している

機会:地域の経営者の高齢化、事業承継に関する補助制度の充実、オンライン面談の定着

マイナスの要素

弱み:スタッフが4名で対応できる件数に限りがある、Webでの発信がほとんどない、月次報告の方法が担当者によって異なる

脅威:大手税理士法人の県内進出、記帳代行の料金低下、会計ソフトによる業務の自動化

大切なのは、4つの項目を書き出して終わりにするのではなく、それぞれを組み合わせて、今後の取り組みを考えることです。

強み・弱みと機会・脅威を組み合わせると、具体的な取り組みは次のように整理できます。

SWOT分析をもとに考えた取り組みの例

区分

機会

脅威

強み

強み×機会:建設業向けの事業承継支援をサービスとしてまとめ、業界団体のセミナーで紹介する

強み×脅威:融資面談への同席実績を打ち出し、記帳代行の料金だけで比較されない事務所を目指す

弱み

弱み×機会:月次報告の内容や進め方を統一し、少人数でも一定の質を保ちながら対応できるようにする

弱み×脅威:Webでの情報発信を月2本から始め、大手事務所では対応しにくい地域の相談につなげる

まずは顧問先の情報を集計し、近隣の競合事務所を10件ほど調べるなど、実際に確認できることから始めるとよいでしょう。集めた情報をもとに整理していくことで、自事務所の現状に合った方向性を考えやすくなります。

フレームワークは有用な一方で、当てはめることに拘りすぎると目的とは異なる方向になることもあるため、都度目的に立ち返って考えることが重要です。

差別化を市場に届けて集客するための4STEP

自事務所の強みや立ち位置を整理したあとは、それを顧客に分かりやすく伝えることが大切です。

差別化の内容をもとに、発信方法を選び、問い合わせにつなげるまでの流れを4つの手順で解説します。

  • ①ポジショニングマップで自社の立ち位置を可視化する

  • ②空白地帯(ホワイトスペース)を見極める

  • ③立ち位置に合わせた発信チャネルを選ぶ

  • ④問い合わせにつながる導線を設計する

①ポジショニングマップで自社の立ち位置を可視化する

ポジショニングマップは、縦と横の2つの軸を使い、自事務所と競合事務所の位置関係を図にしたものです。「経営支援に強い」と言葉だけで説明するよりも、競合と並べて見ることで、どのような違いがあるのかを確認しやすくなります。

作成は、次の4つの手順で進めます。

  • 3C分析で調べた競合事務所を10件ほど挙げる

  • 顧客が税理士事務所を選ぶ際に重視する基準を、5〜6個挙げる

  • その中から、似た意味にならない2つの基準を縦軸と横軸に選ぶ

  • 自事務所と競合事務所を図の上に置き、それぞれの位置を確認する

軸を決める際は、「料金が高いか安いか」だけに偏らないようにしましょう。対応できる業種の広さ、経営にどこまで関わるか、面談の頻度、オンライン相談への対応など、顧客が実際に比較しやすい項目から選びます。

選ぶ軸によって、図の見え方は変わるため、軸を変えた図を2〜3パターン作って比べ、自事務所の特徴が伝わりやすい組み合わせを見つけてみましょう。

②空白地帯(ホワイトスペース)を見極める

ポジショニングマップを作ると、競合が集まっている領域と、競合がほとんどいないホワイトスペースが見えてきます。

ただし、競合が少ないからといって、必ずしも有望な市場とは限りません。まだ十分に対応されていない場合もあれば、そもそも必要とする顧客が少ない場合もあります。

取り組みを始める前に、次の3点を確認しましょう。

  • 対象となる顧客がいるか

  • 自事務所で対応できるか

  • 料金を払って依頼するだけの需要があるか

たとえば、既存の顧問先数社に「このような支援があれば利用したいと思いますか」と尋ねる、同じ支援を掲げる事務所がほかの地域にあるかを確認する、といった方法でも調べられます。

候補となる分野が見つかっても、すぐに事務所全体の方針を変える必要はありません。まずは既存の顧問先数社に試してもらい、反応や課題を確認してから少しずつ広げていくと、無理なく進めやすくなります。

③立ち位置に合わせた発信チャネルを選ぶ

情報発信は、数を増やすことよりも、ターゲットが目にするチャネルを選ぶことが大切です。

時間をかけて発信しても、届けたい相手がほとんど利用していない媒体では、問い合わせにはつながりにくくなります。

以下のように事務所の立ち位置によって、相性の良い発信方法は異なります。

事務所の方向性

効果的な集客方法

地域密着で幅広く対応する事務所

Googleビジネスプロフィール、地域名を含めた検索記事、商工会議所や地域の新聞・情報誌

特定の業種に力を入れる事務所

業界団体でのセミナー、業界誌への寄稿、業種名と相談内容を組み合わせた検索記事

全国からオンラインで相談を受ける事務所

検索記事の定期的な公開、YouTube、X・Instagram、オンラインセミナー

経営への提案を重視する事務所

金融機関や他士業からの紹介、支援事例を紹介する記事、少人数の勉強会や相談会

「資金繰りに不安がある」「後継者が決まらない」など経営者が実際に抱えている悩みを表す言葉を使うと、内容が伝わりやすくなります。

また、最初から多くの方法に取り組むのではなく、まずは発信チャネルを1〜2つに絞り、3か月ほど継続して反応を確認するとよいでしょう。

発信方法ごとの具体的な進め方については、集客の経路別にまとめた記事も参考にしてください。

税理士が顧問先を増やす17の方法とは?獲得ルート別の具体策と増えた後の対応まで解説

④問い合わせにつながる導線を設計する

情報発信を見た人が、すぐに問い合わせるとは限りません。事務所を知ってから相談するまでには、ほかの事務所と比べたり、依頼先として信頼できるかを確かめたりする時間があります。

そのため、以下のような検討に必要な情報を分かりやすく示しておくことが大切です。

  • 顧問料の目安と料金に含まれる業務

  • 対応している業種、会社規模、地域

  • 支援実績や相談から契約までの流れ

  • 担当する税理士の経歴や顔写真

  • 初回相談の時間・費用、オンライン対応の有無

最初から顧問契約を案内するのではなく、無料相談や決算書の簡単な診断、業種別のチェックリストなど、相談しやすい入り口を用意する方法もあります。

問い合わせフォームも、名前・連絡先・相談内容など、必要な項目だけに絞りましょう。また、問い合わせから面談に進んだ割合や、面談から契約に至った割合を毎月確認すると、どの段階を見直すべきか判断しやすくなります。

差別化を支えるテクノロジー活用

事務所の強みを生かすには、日々の業務にかかる時間を減らし、顧客への提案や相談対応に力を向けることも大切です。

会計ソフトのAI機能や顧客対応ツール、税理士向けの専用ツールを取り入れ、業務の効率とサービスの質を高める方法を紹介します。

  • 会計ソフトのAI機能で記帳・仕訳を効率化する

  • チャットボット・顧客ポータルで顧客対応を効率化する

  • 税理士法人向けの専用ツールで面談準備効率とアウトプット品質を高める

会計ソフトのAI機能で記帳・仕訳を効率化する

記帳や仕訳入力にかかる時間を減らすことで、顧問先への提案や相談対応に時間を使いやすくなります。

freeeマネーフォワードには、請求書などの書類から日付・金額・取引先を読み取るAI-OCR機能や、銀行口座・クレジットカードの明細をもとに仕訳を提案する機能があります。同じ取引が繰り返される顧問先では、特に活用しやすいでしょう。

引用・参照:「受取請求書のAI-OCR読み取り情報について」freee

こうした機能は、以下のようにスタッフの負担を減らすことに役立ちます。

  • 記帳業務は新人や若手スタッフが担当することが多く、作業が集中しやすい

  • 定型的な入力を自動化すれば、教育の時間を判断や確認が必要な業務に充てられる

  • 担当者による処理の違いが減り、確認する側の負担も軽くなる

導入する際は、自動仕訳のルールを担当者ごとに決めるのではなく、事務所内で統一しておくことが大切です。決まった形で処理できる取引はソフトに任せ、判断が必要な取引だけを人が確認するようにすると、月次処理を安定して進めやすくなります。

チャットボット・顧客ポータルで顧客対応を効率化する

顧問先からの問い合わせは、1件あたりの対応時間が短くても、件数が増えると担当者の負担になります。

「必要な書類は何か」「提出期限はいつか」「手続きはどのように進めるのか」といった質問は重なりやすいため、よくある内容はチャットボットや顧客ポータルなどで効率化しましょう。

引用・参照:「ホームページ」StanRiver税理士法人

チャットボットを導入すると、よくある質問には自動で回答できるため、担当者は個別の判断が必要な相談や、より専門性の高い業務に時間を使えるようになります。

顧客ポータルに請求書や過去のやり取り、預かり資料をまとめておくことで、必要な情報を顧問先自身が確認しやすくなり、電話やメールでの問い合わせ回数も減らせます。

顧問先からよく聞かれる内容が分かれば、ホームページや案内資料に追加すべき情報も見つけやすくなるでしょう。また、担当者が変わった際の引き継ぎがしやすくなり、対応の漏れなども防ぎやすくなります。

税理士法人向けの専用ツールで面談準備効率とアウトプット品質を高める

会計データから必要な数字を抜き出し、グラフや資料を作り、何をどの順番で伝えるかを考える作業は、担当者の経験によって時間や内容に差が出やすい業務です。

会計ソフトから出力できる試算表や推移表は正確ですが、数字に慣れていない経営者にとっては、内容を読み取りにくいこともあります。

大切なのは、入力作業を早く終わらせることだけではなく、面談で経営者に何を伝え、どのような話につなげられるかです。

経営分析に使うツールを選ぶ際は、次の点を確認しましょう。

  • 会計ソフトと連携し、データの取り込みや更新を自動で行えるか

  • 事務所内で同じ画面や資料を使い、担当者が変わっても同じ流れで報告できるか

  • 気になる数字から仕訳の内容まで確認し、面談中の質問にその場で答えられるか

  • 予算や今後の見込みを確認し、過去の報告だけでなく今後の経営について話せるか

当社が開発・運営するmetricsはクラウド型の経営分析ツールであり、税理士事務所の月次面談を想定して作っています。

決められた画面に沿って確認することで面談の準備を進められるため、経験の浅いスタッフでも報告内容をそろえやすくなります。

準備にかかる時間を減らし、その分を顧問先との対話や提案に使うことで、自事務所ならではのサービスとして違いが伝わりやすくなるでしょう。

税理士事務所を差別化するなら「metrics」

記帳や申告にとどまらず、経営に役立つ支援を事務所全体で提供したいと考えている方は、当社が開発・運営するmetricsを選択肢の一つとしてご検討ください。

metricsは、会計データを分かりやすく整理し、経営判断に必要な情報をすぐに確認できるクラウド型の経営分析ツールです。税理士事務所や企業など、さまざまな場面で利用されています。

2026年のアップデートではAI機能が強化され、AI CFOと対話しながら、予算管理やダッシュボードの作成を進められるようになりました。主な特徴は次の4つです。

  • 見やすいダッシュボードでスマートな経営支援を実現

  • 予算管理と将来予測で未来に繋がる経営を支援

  • AIが経営データを読み解き意思決定をサポート

  • ストレスフリーな初期設定と自動API連携

見やすいダッシュボードでスマートな経営支援を実現

経営支援に力を入れようとすると、まず負担になりやすいのが面談の準備です。metricsのダッシュボードには、経営の状況を確認するために必要な数字が一つの画面にまとまっているため、毎月Excelで報告資料を作り直す手間を減らせます。

面談の前に資料を一から作るのではなく、画面を開いて顧問先と一緒に確認しながら話を進められます。

また、気になる数字をクリックすると関連する仕訳の明細まで確認できます。面談中に質問を受けたときも、その場で内容を確認しやすくなり、「確認して後日回答します」と持ち帰る場面を減らせるでしょう。

予算管理と将来予測で未来に繋がる経営を支援

経営支援では、過去の数字を説明するだけでなく、これからの見通しを一緒に考えられることが大切です。metricsの予算管理画面では、AIの補助機能や入力支援を使いながら数字を入力すると、損益の見込みがその場で更新されます。

経営者と同じ画面を見ながら数字を変更できるため、その場で試算を示せる点も特徴です。細かな予算を作る時間が取れない顧問先には、過去の実績をもとに期末の見込みを算出する「自動予測」も利用できます。

作成した予算と自動予測は、ダッシュボード上で簡単に切り替えられます。現在の状況と、このまま進んだ場合の見込みを比べながら説明できるため、顧問先と今後の対応を話し合う際にも役立つでしょう。

AIが経営データを読み解き意思決定をサポート

metricsには、経営データの分析やダッシュボードの作成、予算案づくりを支援するAI機能「AI CFO」が搭載されています。データの読み取りや数値変化の確認、話し合うべき点の整理を任せられるため、担当者は今後の対応や提案を考えることに時間を使いやすくなるでしょう。

顧問先ごとの数字の見方や、業種ごとに確認したい項目を事務所内の知識として登録できる点も特徴です。担当者の変更や引き継ぎがあった場合でも、これまでの見方を共有しやすくなり、分析の内容に差が出るのを抑えられます。

経験が豊富でないスタッフでも、確認すべき点を短時間で整理しやすくなるでしょう。

実際の操作画面は、次のYouTube動画でも確認できます。

metrics AI CFO 機能紹介プレイリスト|YouTube

ストレスフリーな初期設定と自動API連携

metricsはfreeeマネーフォワードとAPI連携しており、連携を許可すると、仕訳や帳票が自動で取り込まれます。勘定科目とキャッシュフロー項目の対応も自動で設定されます。

初回の連携では、過去の会計データもまとめて取得されるため、手作業でデータを整える必要はありません。契約後すぐにダッシュボードを顧問先へ共有でき、新たに契約した顧問先への支援も始めやすくなります。

連携したデータは定期的に更新され、面談のたびに会計ソフトから数字を取り直す作業が減るため、その分の時間を分析や提案の準備に使えます。

経営支援を事務所全体で進められる形を整えたい方は、無料デモで実際の画面をご確認ください。

リンクをクリックすると日程調整ページが開きます。ご都合のよい日時を選んでご予約ください。

税理士事務所へのmetrics導入事例

差別化を考える際は、実際に支援の方法を見直した事務所の取り組みも参考になります。

ここでは、metricsを導入して報告や面談のあり方を見直した4つの事例を紹介します。

  • 伊藤会計事務所|属人化していた面談準備を定型化し、新人でも同じ品質の報告へ

  • エンジョイント税理士法人|試算表中心の報告会から、未来を話し合う場へ

  • スタートアップ税理士法人|コストと見られていた経理代行を、投資と呼べる支援へ

  • みらいと税理士法人|レポート作成の工数を削り、経営者との対話を能動的に

伊藤会計事務所|属人化していた面談準備を定型化し、新人でも同じ品質の報告へ

項目

内容

課題

顧客面談の準備内容や所要時間が担当者によって異なり、経験の浅いスタッフほど時間がかかっていた

metricsによる解決策

面談準備を「metricsで作成したウィジェットを順番に確認する」という流れに統一した

効果

準備時間を減らし、担当者が変わっても報告内容の質をそろえやすくなった

伊藤会計事務所様では、面談の前に何をどこまで確認するかが担当者ごとに異なっていました。そのため、経験の浅いスタッフほど準備に時間がかかり、報告内容にも差が出やすいことが課題でした。

そこで、面談準備を、metricsのウィジェットを決められた順番で確認する流れに統一しました。確認する項目と順番が決まっていれば、経験にかかわらず必要な情報を整理しやすくなります。準備時間を減らしながら、事務所内で報告内容をそろえられるようになりました。

担当者が変わっても同じ流れで準備できるため、前任者が使っていたウィジェットをそのまま引き継げ、報告の質も保ちやすくなりました。

エンジョイント税理士法人|試算表中心の報告会から、未来を話し合う場へ

項目

内容

課題

試算表を中心とした報告では、経験の浅いメンバーほど過去と現在の説明に時間がかかり、今後の話まで進みにくかった

metricsによる解決策

報告に使うウィジェットを法人内で統一し、日々の業務でもmetricsでの報告を意識して補足情報を入力するようにした

効果

経験による報告内容の差が減り、経営上の課題や今後の見通しについて話し合う面談が増えた

エンジョイント税理士法人様では、顧問先との面談を「過去・現在・未来」の順に進めることを大切にしてきました。しかし、試算表を中心とした報告では、経験の浅いメンバーほど過去から現在までの説明に時間がかかり、今後の話に十分な時間を使えないことが課題になっていました。

そこで、報告に使うウィジェットを法人内で統一しました。担当者が変わっても一定の内容で報告できるようにし、日々の業務でもmetricsでの報告に必要な補足情報を入力するようにしています。

数字がグラフなどで分かりやすく表示されるため、経験の浅いメンバーでも、確認すべき指標を示しやすくなりました。過去と現在の説明だけで終わる面談が減り、顧問先の経営課題や今後の見通しについて話し合う時間が増えています。

スタートアップ税理士法人|コストと見られていた経理代行を、投資と呼べる支援へ

項目

内容

課題

試算表を渡すだけでは、経営者が数字を経営や資金調達にどう生かせばよいか分かりにくかった

metricsによる解決策

freeeに登録された部門・品目・取引先などの情報を連携し、入力した内容がすぐにレポートへ反映される仕組みを整えた

効果

面談準備で迷うことが減り、経営戦略や資金調達の提案に時間を使えるようになった

スタートアップ税理士法人様では、経理代行の価値を経営者に十分伝えにくいことが課題になっていました。試算表を渡すだけでは、数字を経営にどう生かすかまで示せず、経営に役立つ「投資」としての価値を伝えきれない状況があったといいます。

導入後は、freeeに登録された部門・品目・取引先などの情報がmetricsに連携され、会計ソフトへの入力内容がレポートに反映されるようになりました。最新の数字をグラフなどで確認できるため、担当者はどの項目を見るべきか判断しやすくなり、経営者への説明にもそのまま使えます。

面談準備にかかる時間や迷いが減ったことで、経営戦略や資金調達について提案する時間を確保しやすくなりました。定例会議で話し合う内容も深まり、大規模な資金調達にもつながっています。

また、税理士や社労士などグループ内の各法人が最新の数字を共有し、それぞれの立場から連携して提案できるようになった点も特徴です。

みらいと税理士法人|レポート作成の工数を削り、経営者との対話を能動的に

項目

内容

課題

1社あたり1〜2時間、月に最大30時間を財務分析やレポート作成に使っており、担当者によって内容にも差があった

metricsによる解決策

API連携によってデータの取得と更新を自動化し、使用するウィジェットを統一した。さらに、AI CFOで数字の変化を詳しく確認できるようにした

効果

レポート作成の時間が1〜2時間から約3分に短縮され、今後の経営判断について話し合う時間を増やせるようになった

みらいと税理士法人様では、財務分析とレポート作成に月最大30時間を使っていました。時間をかけて資料を作っても、面談が数字の説明だけで終わりやすく、業種の特徴を踏まえた分析ができるかどうかも担当者の経験に左右されていたことも課題でした。

そこで、会計ソフトとのAPI連携によってデータの取得と更新を自動化し、報告に使うウィジェットも統一しました。さらにAI CFOを使い、「なぜこの数字が下がっているのか」といった疑問を、対話しながら掘り下げられる環境も整えました。

その結果、1〜2時間かかっていたレポート作成は約3分まで短縮され、今後の経営判断についても話し合いやすくなっています。支援中の5社すべてが過去最高の売上を更新し、対応できる顧問先も5社から10社程度まで増やせる見通しが立っています。

4つの事例に共通するのは、作業時間を減らすことだけを目的にしていない点です。生まれた時間を経営者との対話や提案に使うことで、事務所ならではの支援につなげています。

まとめ

本記事では、税理士事務所に差別化が求められる背景から、5つの方向性、サービス例、自事務所の分析方法、集客までの手順、ツールの活用までを紹介しました。

背景には、顧問先となる企業の減少、記帳業務の自動化、Webで税理士事務所を比較する人の増加があります。こうした変化に対応するには、これまでのやり方を見直すことも必要です。

差別化の方向性は、商品力・報酬体系・異業種連携・専門特化・提案型支援の5つに分けられます。大切なのは、話題のサービスをそのまま取り入れるのではなく、自事務所の実績や強みと、顧客のニーズが重なる分野を選ぶことです。

決めた方針を実行するためには、無理なく回せる体制も欠かせません。会計ソフトのAI機能や専用ツールを活用し、記帳や資料作成の時間を減らすことで、顧問先への提案や相談対応に時間を使いやすくなります。

まずは、現在の顧問先を業種や顧問料ごとに整理し、近隣の競合事務所を10件ほど調べてみるとよいでしょう。実際の情報を並べることで、自事務所が選ばれている理由や、今後力を入れる分野が見つけやすくなります。

「ほかの事務所との違いをうまく説明できない。」「提案内容よりも顧問料で比べられてしまう」このような悩みを抱えている税理士の方は少なくありません。

自事務所の強みが伝わらないと、サービスの内容ではなく価格だけで比べられやすくなります。

税理士事務所を差別化するためには、自分たちの強みと顧客のまだ十分に満たされていないニーズを照らし合わせ、どこに力を入れるかを決めることが大切です。

本記事では、税理士事務所に差別化が求められるようになった背景から、5つの差別化パターン、収益につながるサービス例、自事務所の強みを整理する方法、集客までの4つの手順、差別化を支えるITツールの活用まで、順を追って解説します。

何から始めればよいか迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。

提案力で選ばれる事務所づくりを支援

metricsは、税理士・中小企業向けのクラウド経営分析ツールです。
freeeやマネーフォワードとのAPI連携で財務データを自動取得し、月次レポートの作成や経営報告をスムーズにします。
提案内容で選ばれる事務所を目指したい方や、顧問先が増えても無理なく対応できる業務体制を整えたい方は、こちらをご覧ください。

税理士業界で差別化が避けて通れなくなった3つの構造変化

税理士業界では、顧問先から選ばれるために、事務所ごとの特徴を伝えることが以前より大切になっています。

ここでは、その背景にある3つの変化について解説します。

  • 税理士登録者数の増加と顧問先獲得競争の激化

  • 会計ソフト・AI普及による記帳代行ニーズの縮小

  • 顧問先の比較検討行動の変化

税理士登録者数の増加と顧問先獲得競争の激化

日本税理士会連合会によると、令和8年6月末時点の税理士登録者数は82,297人であり、前年の令和7年6月末の81,532人と比べて増えています。

一方、中小企業・小規模事業者の数は2016年357.8万者から2021年の336.5万者と減少しており、顧問先になる可能性のある企業の数が少なくなっています。

また、個人の税理士事務所が法人化したり、ほかの事務所と統合したりする動きも進んでいるでしょう。人員が多く、幅広い相談に対応できる大手税理士法人が業績を伸ばす一方で、小規模な個人事務所は顧問先を獲得しにくくなるなど、事務所ごとの差も広がりつつあります。

こうした状況のなかで顧問先から選ばれるには、自事務所が何を得意とし、どのような支援ができるのかを、分かりやすく伝えることが大切です。

引用・参照:「税理士登録者数」日本税理士会連合会「中小企業・小規模事業者の数」中小企業庁

会計ソフト・AI普及による記帳代行ニーズの縮小

個人事業主のクラウド会計ソフト利用率は、2017年の13.2%から、2026年3月末時点には38.4%へと、約3倍に増えています。

クラウド会計ソフトでは、銀行口座やクレジットカードの明細を自動で取り込み、過去の仕訳をもとに勘定科目の候補を出せます。決まった取引であれば、担当者が一つずつ入力する必要は少なくなっているでしょう。

さらにAIを活用すれば、会計データを分析して数値の変化や気になる点を見つけたり、月次報告のコメント案を作ったりすることもできます。

このように、記帳やデータ整理・基本的な分析などの作業だけでは顧問料の価値を説明しにくくなっているため、これからは会計データをもとにどのような提案ができるかがより重要です。

また、クラウド会計ソフトやAIで業務を効率化できますが、会計業務のすべてを任せられるわけではありません。例外的な取引の処理や税務上の判断、経営者への説明は、引き続き人が行う必要があります。

引用・参照:「クラウド会計ソフトの利用状況調査(2026年3月末)」株式会社MM総研「クラウド会計ソフトの利用状況調査(2017年3月末)」株式会社MM総研

顧問先の比較検討行動の変化

税理士の探し方は、紹介された事務所にそのまま決める形から、Webで複数の事務所を比べて選ぶ形へ変わりつつあります。

知人から紹介を受けた場合でも、まず事務所名を検索し、ホームページや口コミ、SNSでの発信を確認してから問い合わせる人が増えています。

また、Web会議が広く使われるようになり、面談や資料のやり取りをオンラインで行う事務所も増えました。毎月訪問してもらう必要がなければ、近くの事務所だけに絞って探す必要はありません。

そのため、近隣だけでなく、遠方の事務所とも比べられるようになっています。一方で、特定の業種や悩みに詳しいことを伝えられれば、これまで出会えなかった地域の顧客から相談を受ける機会が増えることもあるでしょう。

税理士事務所の差別化パターン5つの軸

税理士事務所の差別化には、サービスの内容や料金、専門分野など、いくつかの方向があります。

自事務所の強みや顧客のニーズに合う方法を考えやすいよう、代表的な5つの軸に分けて紹介します。

  • 商品力で差別化する(対応業務の深掘り・専門投資)

  • 報酬体系で差別化する(価格競争に陥らない設計)

  • 異業種連携で差別化する(社労士・FP・司法書士・Web制作等との協業)

  • 専門特化で差別化する(業種・企業規模・成長フェーズ)

  • 提案型支援で差別化する(経営顧問・財務責任者代行型)

商品力で差別化する(対応業務の深掘り・専門投資)

商品力による差別化とは、記帳や申告に加えて、相続、資金繰り、経営分析などの支援に力を入れることです。対応業務の幅を広げるだけでなく、継続的に質の高い支援を提供できる体制を整えることが欠かせません。

専門分野を伸ばす方法は、主に次の3つです。

  • 経営革新等支援機関や事業承継・M&A、FP関連の資格を取得する

  • 書籍執筆や業界誌への寄稿、セミナー登壇で専門知識を発信する

  • チェックリストや面談資料、初回相談の質問項目を用意する

また、顧客にとっては、「相続にも対応しています」という説明よりも、「相続の相談を年間30件受けています」という実績のほうが、イメージを持ちやすくなります。力を入れている分野は、相談件数や支援事例など、具体的な実績とあわせて伝えましょう。

報酬体系で差別化する(価格競争に陥らない設計)

報酬体系による差別化とは、作業にかかった時間だけでなく、顧客が受けられる支援の内容に合わせて料金を決めることです。

訪問回数や作業時間をもとに顧問料を決める方法は、料金の根拠が分かりやすい一方、ほかの事務所と比べたときに、金額の高い・安いだけで判断されやすくなります。

そのため、以下のように対応時間以外の報酬設計も行うとよいでしょう。

  • 資金調達や補助金申請では、着手金と成功報酬を組み合わせる

  • 経営支援を内容別に分け、サブスクリプション型の月額料金を設定する

  • 個別相談や決算業務を、単発サービスとして用意する

複数のプランを設ける場合は、面談回数だけで差をつけるのではなく、分析や提案の内容を変えることが大切です。既存の顧問料をそのまま値上げするのではなく、新しい支援を追加したプランを用意すると、顧問先も必要に応じて選びやすくなります。

異業種連携で差別化する(社労士・FP・司法書士・Web制作等との協業)

異業種との連携による差別化とは、ほかの専門家と協力し、幅広い相談に対応できる体制を整えることです。

経営者が抱える悩みは、税務・労務・法務のように、分野ごとにはっきり分かれているとは限りません。たとえば「人を採用したい」という相談にも、就業規則や助成金、資金繰り、求人方法など、さまざまな課題が含まれています。

そのため、税理士事務所は、相談内容に応じて適切な専門家と連携し、幅広い課題に対応できる体制を整えることで、他事務所との差別化につながります。

  • 社会保険労務士:採用、就業規則、助成金、給与計算に関する相談

  • 司法書士・行政書士:会社設立、相続登記、許認可の申請

  • 弁護士:契約書の確認、取引先とのトラブル、事業承継に関する法務

  • FP・保険代理店:経営者個人の資産形成、退職金、事業保障の相談

  • Web制作会社・広告会社:顧問先の集客支援やホームページの制作

連携する際は、それぞれが担当する範囲と報酬の扱いを明確にしておくことが大切です。税務に関する判断や申告書の作成は自事務所が責任を持って行い、紹介料が発生する場合も、あらかじめルールを決めておきましょう。

専門特化で差別化する(業種・企業規模・成長フェーズ)

専門特化とは、対象とする顧客を絞り、「自分たちのことをよく分かってくれる事務所」と感じてもらう方法です。

主な絞り方には、次の3つがあります。

  • 業種で絞る:飲食、医療・クリニック、建設、美容、EC、IT・SaaSなど

  • 企業規模で絞る:年商1億円未満の小規模法人、年商5〜30億円の中堅企業など

  • 事業の段階で絞る:創業期、拡大期、事業承継期、立て直しの時期

同じ業種の顧問先が増えると、よく使う勘定科目や毎月確認する数字、相談されやすい内容が似てくるため、業務の進め方をそろえやすくなることもメリットです。

ただし、特定の業種に絞りすぎると、その業界の景気によって事務所の売上も影響を受けやすくなります。「〇〇市の建設業」や「開業3年以内のクリニック」のように、地域や会社の規模、事業の段階を組み合わせると、対象を絞りながらも一定の顧客数を見込みやすくなるでしょう。

提案型支援で差別化する(経営顧問・財務責任者代行型)

提案型支援とは、顧問先から相談されるのを待つだけでなく、数字の変化などから課題を見つけ、今後の対応を先に提案する支援です。

申告書を正確に作り、期限までに提出することは大切ですが、その部分だけではほかの事務所との違いが伝わりにくいことがあります。

より能動的な支援へつなげるためには、たとえば次のようなアクションがあります。

  • 月次の数字から気になる変化を見つけ、原因と対応策を伝える

  • 資金繰り表や決算の見込みを作り、投資や採用を考える材料を示す

  • 経営上の目標となる数字を経営者と決め、毎月の進み具合を確認する

  • 金融機関との面談に同席し、業績や資金の状況を説明する

これらは、数字を正確にまとめる力だけでなく、数字から課題を読み取り、次に何をするべきかを考える力が求められます。ただし、担当者の経験によって提案内容に差が出やすいため、事務所として提供するには、確認する項目や面談の進め方をそろえておくことが大切です。

差別化を収益につなげるメニュー別実装例7選

差別化の方向性を決めたあとは、顧客が利用しやすいサービスとして形にし、収益につなげていくことが大切です。

税理士事務所が取り入れやすい7つのメニューについて、支援内容や料金の考え方を紹介します。

  • 資金調達・補助金申請支援

  • 事業承継・M&Aアドバイザリー

  • 認定支援機関としての公的支援メニュー

  • 顧問先のDX・クラウド会計導入支援

  • 顧問先のAI利活用支援(AI導入伴走)

  • 経営コンサルティング

  • 国際税務・インバウンド対応

資金調達・補助金申請支援

資金に関する悩みは、多くの経営者が抱える重要な経営課題です。税理士にも相談しやすいテーマであり、支援内容を具体的なサービスとして設計しやすい分野でもあります。

日本政策金融公庫の国民生活事業によると、令和7年度の創業融資実績は29,320先、融資額は1,681億円でした。前年度の28,032先、1,503億円からいずれも増加しており、創業時に資金調達を必要とする事業者が多いことが分かります。

こうしたニーズに対応するため、創業融資の支援に加え、次のような補助金申請支援を顧問メニューとして提供する方法もあります。

  • ものづくり補助金の申請支援

  • 事業再構築補助金の申請支援

  • デジタル化・AI導入に関する補助金の申請支援

ミラサポplusなどを活用すれば制度に関する情報を収集できますが、自社だけで複雑な要件を正確に理解し、煩雑な手続きを期限内に進めることは容易ではありません。税理士が資金調達に関する実務を支援することで、経営者の負担を軽減し、本業に集中できる環境を整えられます。

引用・参照:「ニュースリリース」日本政策金融公庫

事業承継・M&Aアドバイザリー

後継者についての相談は、顧問先と長く関わってきた税理士だからこそ受けやすい分野です。

中小企業基盤整備機構によると、令和6年度に事業承継・引継ぎ支援センターへ相談した事業者は23,000者を超え、開設以来の累計は15万者を超えました。第三者への事業承継(M&A)の成約件数も2,132件となり、過去最多を更新しています。

成約した譲渡企業の売上規模は、次のとおりです。

  • 売上高3,000万円以下:36.1%

  • 売上高3,000万円超〜1億円以下:31.9%

  • 売上高1億円超〜5億円以下:27.0%

また、親族への事業承継も増えており、支援が完了した件数は令和3年度の1,043件から、令和6年度には1,695件まで伸びています。

M&Aの手続き全体を自事務所で担当するのが難しい場合でも、株価の試算、事業承継の計画作成、事業承継税制の検討、支援センターや仲介会社の紹介などは対応できるケースがあります。まずは既存の顧問先に、後継者が決まっているかを確認することから始めてみるとよいでしょう。

引用・参照:「News Release」中小企業基盤整備機構

認定支援機関としての公的支援メニュー

経営革新等支援機関(認定支援機関)の認定を受けると、以下のような公的な支援制度を提供できるようになります。

  • 経営改善計画策定支援事業:経営改善計画の作成にかかる費用の一部を国が補助する制度

  • 早期経営改善計画策定支援:資金繰りの見直しなど、経営状況が悪化する前の計画づくりを支援する制度

  • 伴走支援型特別保証制度:経営行動計画書を作成することで、保証料の負担を抑えられる制度

ただし、認定機関は全国に3万以上あり、その約6割を税理士や税理士法人が占めているため、認定を受けているだけでは、ほかの事務所との違いを伝えるのは難しくなっています。

大切なのは、認定の有無ではなく、制度を使ってどのような支援をしてきたかです。「認定支援機関です」と伝えるだけでなく、計画策定の支援件数や資金繰りの改善事例、金融機関との具体的な調整内容なども示しましょう。

具体的な実績があると、顧客も支援内容をイメージしやすくなります。

引用・参照:「令和6年度 認定経営革新等支援機関に関する任意調査報告書」中小企業庁

顧問先のDX・クラウド会計導入支援

クラウド会計はすでに広く知られていますが、導入はまだ十分に進んでいません。前述のとおり、個人事業主の利用率は38.4%で、6割以上は今も従来の方法で経理を行っています。

導入支援では、以下のようにクラウドの契約だけでなく、実際に使い続けられる環境を整えることが大切です。

  • 銀行口座、クレジットカード、決済サービスとの連携設定

  • 部門・品目・取引先などの設定と、自動仕訳ルールの作成

  • 領収書や請求書の集め方、毎月の締め日や作業手順の見直し

  • 経理担当者への操作説明と、導入後の問い合わせ対応

freeeマネーフォワードの認定アドバイザー制度に登録すると、クラウド会計の導入を検討している事業者に見つけてもらいやすくなります。

導入後の作業が安定すれば、記帳にかかる時間を減らし、数字の分析や顧問先への報告に時間を使えるようになります。顧問先だけでなく、自事務所の業務を見直すきっかけにもなるでしょう。

引用・参照:「クラウド会計ソフトの利用状況調査(2026年3月末)」株式会社MM総研

顧問先のAI利活用支援(AI導入伴走)

AIに興味はあっても、何から始めればよいか分からず、相談相手も見つけられない中小企業は少なくありません。顧問先の事業や数字を把握している税理士は、AI導入についても相談を受けやすい立場にあります。

中小企業基盤整備機構の調査では、AIを導入済みの中小企業は20.4%でした。また、導入済みの企業が利用するサービスのうち、生成AIは82.6%を占めています。

一方で、以下のように導入に必要な情報や相談先は不足しています。

  • 成功事例や活用事例の情報が十分ではない:83.3%

  • 製品を選ぶための情報が十分ではない:79.8%

  • 「導入事例などの情報提供」を求める企業:70.5%

  • 「専門家への導入相談」を求める企業:59.8%

税理士であれば、顧問先の業務を踏まえ、どの作業からAIを取り入れるべきかを提案できます。対象業務の選定からツール選び、社内ルールの作成、導入後の見直しまで支援するサービスは、今後さらに求められるでしょう。

引用・参照:「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査(2026年3月)」中小企業基盤整備機構

経営コンサルティング

経営コンサルティングの効果は、実際のデータからも確認されています。2025年版中小企業白書では、経営計画を作成している事業者は、作成していない事業者に比べて、売上高と付加価値額の伸び率が高いと報告されています。

経営コンサルティングをサービスとして提供する場合は、以下のようにいつどのような支援を行うのかを明確にすることが大切です。

  • 年1回:経営計画の作成と、翌期の予算づくり

  • 毎月:予算と実績の違いを確認し、資金繰り予定表を更新する

  • 毎月:目標となる数字の進み具合を確認し、翌月の対応を整理する

  • 四半期:計画を見直し、金融機関へ提出する資料を作成する

支援内容を具体的に示すことで、顧問先も通常の税務顧問との違いを理解しやすくなります。既存契約をそのまま値上げするのではなく、別のサービスとして案内すると、必要な顧問先にも選んでもらいやすくなるでしょう。

引用・参照:「2025年版 中小企業白書」中小企業庁

国際税務・インバウンド対応

外資系企業や外国人経営者に対応できる税理士事務所はまだ多くないため、専門性を示しやすい分野です。

対日直接投資残高は2024年末時点で53.3兆円となり、前年から4.5%増えて過去最高を更新しました。政府も2030年の目標を100兆円から120兆円へ引き上げており、今後も外資系企業の日本進出が増えると見込まれています。

ジェトロが外資系企業を対象に行った調査では、政府に期待する施策として「労務・税務関連手続きのワンストップ化」が39.2%で最も多く挙げられました。

外資系企業にとって、以下のような日本特有の税務や労務の手続きが大きな負担になっていることが分かります。

  • 英語による決算書や月次報告書の作成、本国への報告に必要な資料への対応

  • 日本法人の設立と、税務署・年金事務所などへの各種届出

  • 移転価格税制、源泉徴収、消費税の取り扱いに関する相談

  • 社会保険や在留資格について、社労士や行政書士と連携して対応する

また、これらに対応するためには、日本特有の制度や手続きを、英語で対応できるスタッフを配置するなど、相手が理解しやすい言葉で説明できる体制も必要です。

引用・参照:「ジェトロ対日投資報告2025」日本貿易振興機構(ジェトロ)「外資系企業ビジネス実態アンケート 調査結果概要」日本貿易振興機構(ジェトロ)

差別化ポイントを見極めるための自己分析フレーム

自事務所ならではの差別化ポイントを明確にするには、客観的なフレームを用いて市場環境や自事務所の特徴を整理することも重要です。

ここでは、3C・STP・SWOTの3つの分析手法を活用し、選ばれる理由を見極める方法を解説します。

  • 3C分析で市場・競合・自事務所を可視化する

  • STP分析で狙う顧客とポジションを絞り込む

  • SWOT分析で自社の強み・弱み・機会を洗い出す

3C分析で市場・競合・自事務所を可視化する

3C分析とは、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの視点から、自事務所を取り巻く状況を整理する方法です。

差別化を考えるときは、「顧客に求められている」「競合が十分に対応できていない」「自事務所の経験や強みを生かせる」という次の3つの条件がそろう分野を探します。

  • Customer:対応エリアにある事業者の数や業種、創業・事業承継の動き、経営者の年齢層

  • Competitor:近隣事務所の得意分野、料金表の有無、Webサイトやセミナーでの情報発信、スタッフの人数

  • Company:現在の顧問先の業種・年商・顧問料、相談を受けることが多い内容、スタッフの経験や得意分野

これまでの印象だけで判断せず、顧問先の情報を実際に集計してみましょう。

実際に整理すると、次のような形になります。

3C分析の記入例(地方都市の個人事務所)
Customer
建設業と飲食業が多い地域。経営者の高齢化が進み、事業承継の相談が増えている
Competitor
検索上位10事務所のうち、8事務所が「法人税務全般」を掲げている。料金表を公開しているのは3事務所で、事業承継を専門として打ち出している事務所はない
Company
顧問先42社のうち15社が建設業。融資面談への同席は年間10件ほどあり、地域の金融機関とのつながりもある

以上から、この事務所では、建設業の事業承継と資金繰りの支援を強みとして打ち出す方向が考えられます。

STP分析で狙う顧客とポジションを絞り込む

STP分析は、Segmentation(顧客を分ける)、Targeting(狙う顧客を決める)、Positioning(事務所の立ち位置を決める)の3段階で進めます。

3C分析で集めた情報をもとに、「どのような顧客から選ばれたいのか」を一文で表せる状態にすることが目的です。

顧客を分ける基準は、業種に加えて以下の項目があります。

  • 年商規模:1億円未満、1〜5億円、5億円以上

  • 事業の段階:創業期、拡大期、承継期、立て直しの時期

  • 経理体制:経理担当者がいない、1名だけいる、専任のチームがある

  • 求める支援:申告だけを任せたい、毎月相談したい、経営会議にも参加してほしい

ターゲットを決める際は、対象となる企業が地域に十分あるか、自事務所に対応実績があるか、競合が少ないか、想定する顧問料に見合うか、という4つの点で候補を比べます。

実際に対象となる顧客と事務所の立ち位置を整理すると、次のようになります。

STP分析の記入例
Segmentation
県内の建設業を、年商規模、経営者の年齢、後継者の有無で分ける。たとえば、「年商1億円未満の創業期」「年商1〜5億円で経営者が60代以上、後継者がいる」「年商5億円以上で後継者が決まっていない」といった分け方をする
Targeting
その中から、「県内の建設業で、年商1〜5億円、経営者が60代以上で、数年以内に事業承継を考えている企業」を主な対象にする
Positioning
「建設業の事業承継と資金繰りに強く、後継者への引き継ぎから金融機関との交渉まで支援する事務所」として打ち出す

一文にまとめた事務所の立ち位置は、ホームページの見出しや名刺、交流会での自己紹介にも使えます。

SWOT分析で自社の強み・弱み・機会を洗い出す

SWOT分析では、自事務所の状況を、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つに分けて整理します。強みと弱みは事務所内の要素、機会と脅威は市場や競合など事務所の外にある要素です。

区分

事務所内の要素

事務所外の要素

プラスの要素

強み:建設業の顧問先が15社ある、融資面談への同席実績がある、代表が業界団体に所属している

機会:地域の経営者の高齢化、事業承継に関する補助制度の充実、オンライン面談の定着

マイナスの要素

弱み:スタッフが4名で対応できる件数に限りがある、Webでの発信がほとんどない、月次報告の方法が担当者によって異なる

脅威:大手税理士法人の県内進出、記帳代行の料金低下、会計ソフトによる業務の自動化

大切なのは、4つの項目を書き出して終わりにするのではなく、それぞれを組み合わせて、今後の取り組みを考えることです。

強み・弱みと機会・脅威を組み合わせると、具体的な取り組みは次のように整理できます。

SWOT分析をもとに考えた取り組みの例

区分

機会

脅威

強み

強み×機会:建設業向けの事業承継支援をサービスとしてまとめ、業界団体のセミナーで紹介する

強み×脅威:融資面談への同席実績を打ち出し、記帳代行の料金だけで比較されない事務所を目指す

弱み

弱み×機会:月次報告の内容や進め方を統一し、少人数でも一定の質を保ちながら対応できるようにする

弱み×脅威:Webでの情報発信を月2本から始め、大手事務所では対応しにくい地域の相談につなげる

まずは顧問先の情報を集計し、近隣の競合事務所を10件ほど調べるなど、実際に確認できることから始めるとよいでしょう。集めた情報をもとに整理していくことで、自事務所の現状に合った方向性を考えやすくなります。

フレームワークは有用な一方で、当てはめることに拘りすぎると目的とは異なる方向になることもあるため、都度目的に立ち返って考えることが重要です。

差別化を市場に届けて集客するための4STEP

自事務所の強みや立ち位置を整理したあとは、それを顧客に分かりやすく伝えることが大切です。

差別化の内容をもとに、発信方法を選び、問い合わせにつなげるまでの流れを4つの手順で解説します。

  • ①ポジショニングマップで自社の立ち位置を可視化する

  • ②空白地帯(ホワイトスペース)を見極める

  • ③立ち位置に合わせた発信チャネルを選ぶ

  • ④問い合わせにつながる導線を設計する

①ポジショニングマップで自社の立ち位置を可視化する

ポジショニングマップは、縦と横の2つの軸を使い、自事務所と競合事務所の位置関係を図にしたものです。「経営支援に強い」と言葉だけで説明するよりも、競合と並べて見ることで、どのような違いがあるのかを確認しやすくなります。

作成は、次の4つの手順で進めます。

  • 3C分析で調べた競合事務所を10件ほど挙げる

  • 顧客が税理士事務所を選ぶ際に重視する基準を、5〜6個挙げる

  • その中から、似た意味にならない2つの基準を縦軸と横軸に選ぶ

  • 自事務所と競合事務所を図の上に置き、それぞれの位置を確認する

軸を決める際は、「料金が高いか安いか」だけに偏らないようにしましょう。対応できる業種の広さ、経営にどこまで関わるか、面談の頻度、オンライン相談への対応など、顧客が実際に比較しやすい項目から選びます。

選ぶ軸によって、図の見え方は変わるため、軸を変えた図を2〜3パターン作って比べ、自事務所の特徴が伝わりやすい組み合わせを見つけてみましょう。

②空白地帯(ホワイトスペース)を見極める

ポジショニングマップを作ると、競合が集まっている領域と、競合がほとんどいないホワイトスペースが見えてきます。

ただし、競合が少ないからといって、必ずしも有望な市場とは限りません。まだ十分に対応されていない場合もあれば、そもそも必要とする顧客が少ない場合もあります。

取り組みを始める前に、次の3点を確認しましょう。

  • 対象となる顧客がいるか

  • 自事務所で対応できるか

  • 料金を払って依頼するだけの需要があるか

たとえば、既存の顧問先数社に「このような支援があれば利用したいと思いますか」と尋ねる、同じ支援を掲げる事務所がほかの地域にあるかを確認する、といった方法でも調べられます。

候補となる分野が見つかっても、すぐに事務所全体の方針を変える必要はありません。まずは既存の顧問先数社に試してもらい、反応や課題を確認してから少しずつ広げていくと、無理なく進めやすくなります。

③立ち位置に合わせた発信チャネルを選ぶ

情報発信は、数を増やすことよりも、ターゲットが目にするチャネルを選ぶことが大切です。

時間をかけて発信しても、届けたい相手がほとんど利用していない媒体では、問い合わせにはつながりにくくなります。

以下のように事務所の立ち位置によって、相性の良い発信方法は異なります。

事務所の方向性

効果的な集客方法

地域密着で幅広く対応する事務所

Googleビジネスプロフィール、地域名を含めた検索記事、商工会議所や地域の新聞・情報誌

特定の業種に力を入れる事務所

業界団体でのセミナー、業界誌への寄稿、業種名と相談内容を組み合わせた検索記事

全国からオンラインで相談を受ける事務所

検索記事の定期的な公開、YouTube、X・Instagram、オンラインセミナー

経営への提案を重視する事務所

金融機関や他士業からの紹介、支援事例を紹介する記事、少人数の勉強会や相談会

「資金繰りに不安がある」「後継者が決まらない」など経営者が実際に抱えている悩みを表す言葉を使うと、内容が伝わりやすくなります。

また、最初から多くの方法に取り組むのではなく、まずは発信チャネルを1〜2つに絞り、3か月ほど継続して反応を確認するとよいでしょう。

発信方法ごとの具体的な進め方については、集客の経路別にまとめた記事も参考にしてください。

税理士が顧問先を増やす17の方法とは?獲得ルート別の具体策と増えた後の対応まで解説

④問い合わせにつながる導線を設計する

情報発信を見た人が、すぐに問い合わせるとは限りません。事務所を知ってから相談するまでには、ほかの事務所と比べたり、依頼先として信頼できるかを確かめたりする時間があります。

そのため、以下のような検討に必要な情報を分かりやすく示しておくことが大切です。

  • 顧問料の目安と料金に含まれる業務

  • 対応している業種、会社規模、地域

  • 支援実績や相談から契約までの流れ

  • 担当する税理士の経歴や顔写真

  • 初回相談の時間・費用、オンライン対応の有無

最初から顧問契約を案内するのではなく、無料相談や決算書の簡単な診断、業種別のチェックリストなど、相談しやすい入り口を用意する方法もあります。

問い合わせフォームも、名前・連絡先・相談内容など、必要な項目だけに絞りましょう。また、問い合わせから面談に進んだ割合や、面談から契約に至った割合を毎月確認すると、どの段階を見直すべきか判断しやすくなります。

差別化を支えるテクノロジー活用

事務所の強みを生かすには、日々の業務にかかる時間を減らし、顧客への提案や相談対応に力を向けることも大切です。

会計ソフトのAI機能や顧客対応ツール、税理士向けの専用ツールを取り入れ、業務の効率とサービスの質を高める方法を紹介します。

  • 会計ソフトのAI機能で記帳・仕訳を効率化する

  • チャットボット・顧客ポータルで顧客対応を効率化する

  • 税理士法人向けの専用ツールで面談準備効率とアウトプット品質を高める

会計ソフトのAI機能で記帳・仕訳を効率化する

記帳や仕訳入力にかかる時間を減らすことで、顧問先への提案や相談対応に時間を使いやすくなります。

freeeマネーフォワードには、請求書などの書類から日付・金額・取引先を読み取るAI-OCR機能や、銀行口座・クレジットカードの明細をもとに仕訳を提案する機能があります。同じ取引が繰り返される顧問先では、特に活用しやすいでしょう。

引用・参照:「受取請求書のAI-OCR読み取り情報について」freee

こうした機能は、以下のようにスタッフの負担を減らすことに役立ちます。

  • 記帳業務は新人や若手スタッフが担当することが多く、作業が集中しやすい

  • 定型的な入力を自動化すれば、教育の時間を判断や確認が必要な業務に充てられる

  • 担当者による処理の違いが減り、確認する側の負担も軽くなる

導入する際は、自動仕訳のルールを担当者ごとに決めるのではなく、事務所内で統一しておくことが大切です。決まった形で処理できる取引はソフトに任せ、判断が必要な取引だけを人が確認するようにすると、月次処理を安定して進めやすくなります。

チャットボット・顧客ポータルで顧客対応を効率化する

顧問先からの問い合わせは、1件あたりの対応時間が短くても、件数が増えると担当者の負担になります。

「必要な書類は何か」「提出期限はいつか」「手続きはどのように進めるのか」といった質問は重なりやすいため、よくある内容はチャットボットや顧客ポータルなどで効率化しましょう。

引用・参照:「ホームページ」StanRiver税理士法人

チャットボットを導入すると、よくある質問には自動で回答できるため、担当者は個別の判断が必要な相談や、より専門性の高い業務に時間を使えるようになります。

顧客ポータルに請求書や過去のやり取り、預かり資料をまとめておくことで、必要な情報を顧問先自身が確認しやすくなり、電話やメールでの問い合わせ回数も減らせます。

顧問先からよく聞かれる内容が分かれば、ホームページや案内資料に追加すべき情報も見つけやすくなるでしょう。また、担当者が変わった際の引き継ぎがしやすくなり、対応の漏れなども防ぎやすくなります。

税理士法人向けの専用ツールで面談準備効率とアウトプット品質を高める

会計データから必要な数字を抜き出し、グラフや資料を作り、何をどの順番で伝えるかを考える作業は、担当者の経験によって時間や内容に差が出やすい業務です。

会計ソフトから出力できる試算表や推移表は正確ですが、数字に慣れていない経営者にとっては、内容を読み取りにくいこともあります。

大切なのは、入力作業を早く終わらせることだけではなく、面談で経営者に何を伝え、どのような話につなげられるかです。

経営分析に使うツールを選ぶ際は、次の点を確認しましょう。

  • 会計ソフトと連携し、データの取り込みや更新を自動で行えるか

  • 事務所内で同じ画面や資料を使い、担当者が変わっても同じ流れで報告できるか

  • 気になる数字から仕訳の内容まで確認し、面談中の質問にその場で答えられるか

  • 予算や今後の見込みを確認し、過去の報告だけでなく今後の経営について話せるか

当社が開発・運営するmetricsはクラウド型の経営分析ツールであり、税理士事務所の月次面談を想定して作っています。

決められた画面に沿って確認することで面談の準備を進められるため、経験の浅いスタッフでも報告内容をそろえやすくなります。

準備にかかる時間を減らし、その分を顧問先との対話や提案に使うことで、自事務所ならではのサービスとして違いが伝わりやすくなるでしょう。

税理士事務所を差別化するなら「metrics」

記帳や申告にとどまらず、経営に役立つ支援を事務所全体で提供したいと考えている方は、当社が開発・運営するmetricsを選択肢の一つとしてご検討ください。

metricsは、会計データを分かりやすく整理し、経営判断に必要な情報をすぐに確認できるクラウド型の経営分析ツールです。税理士事務所や企業など、さまざまな場面で利用されています。

2026年のアップデートではAI機能が強化され、AI CFOと対話しながら、予算管理やダッシュボードの作成を進められるようになりました。主な特徴は次の4つです。

  • 見やすいダッシュボードでスマートな経営支援を実現

  • 予算管理と将来予測で未来に繋がる経営を支援

  • AIが経営データを読み解き意思決定をサポート

  • ストレスフリーな初期設定と自動API連携

見やすいダッシュボードでスマートな経営支援を実現

経営支援に力を入れようとすると、まず負担になりやすいのが面談の準備です。metricsのダッシュボードには、経営の状況を確認するために必要な数字が一つの画面にまとまっているため、毎月Excelで報告資料を作り直す手間を減らせます。

面談の前に資料を一から作るのではなく、画面を開いて顧問先と一緒に確認しながら話を進められます。

また、気になる数字をクリックすると関連する仕訳の明細まで確認できます。面談中に質問を受けたときも、その場で内容を確認しやすくなり、「確認して後日回答します」と持ち帰る場面を減らせるでしょう。

予算管理と将来予測で未来に繋がる経営を支援

経営支援では、過去の数字を説明するだけでなく、これからの見通しを一緒に考えられることが大切です。metricsの予算管理画面では、AIの補助機能や入力支援を使いながら数字を入力すると、損益の見込みがその場で更新されます。

経営者と同じ画面を見ながら数字を変更できるため、その場で試算を示せる点も特徴です。細かな予算を作る時間が取れない顧問先には、過去の実績をもとに期末の見込みを算出する「自動予測」も利用できます。

作成した予算と自動予測は、ダッシュボード上で簡単に切り替えられます。現在の状況と、このまま進んだ場合の見込みを比べながら説明できるため、顧問先と今後の対応を話し合う際にも役立つでしょう。

AIが経営データを読み解き意思決定をサポート

metricsには、経営データの分析やダッシュボードの作成、予算案づくりを支援するAI機能「AI CFO」が搭載されています。データの読み取りや数値変化の確認、話し合うべき点の整理を任せられるため、担当者は今後の対応や提案を考えることに時間を使いやすくなるでしょう。

顧問先ごとの数字の見方や、業種ごとに確認したい項目を事務所内の知識として登録できる点も特徴です。担当者の変更や引き継ぎがあった場合でも、これまでの見方を共有しやすくなり、分析の内容に差が出るのを抑えられます。

経験が豊富でないスタッフでも、確認すべき点を短時間で整理しやすくなるでしょう。

実際の操作画面は、次のYouTube動画でも確認できます。

metrics AI CFO 機能紹介プレイリスト|YouTube

ストレスフリーな初期設定と自動API連携

metricsはfreeeマネーフォワードとAPI連携しており、連携を許可すると、仕訳や帳票が自動で取り込まれます。勘定科目とキャッシュフロー項目の対応も自動で設定されます。

初回の連携では、過去の会計データもまとめて取得されるため、手作業でデータを整える必要はありません。契約後すぐにダッシュボードを顧問先へ共有でき、新たに契約した顧問先への支援も始めやすくなります。

連携したデータは定期的に更新され、面談のたびに会計ソフトから数字を取り直す作業が減るため、その分の時間を分析や提案の準備に使えます。

経営支援を事務所全体で進められる形を整えたい方は、無料デモで実際の画面をご確認ください。

リンクをクリックすると日程調整ページが開きます。ご都合のよい日時を選んでご予約ください。

税理士事務所へのmetrics導入事例

差別化を考える際は、実際に支援の方法を見直した事務所の取り組みも参考になります。

ここでは、metricsを導入して報告や面談のあり方を見直した4つの事例を紹介します。

  • 伊藤会計事務所|属人化していた面談準備を定型化し、新人でも同じ品質の報告へ

  • エンジョイント税理士法人|試算表中心の報告会から、未来を話し合う場へ

  • スタートアップ税理士法人|コストと見られていた経理代行を、投資と呼べる支援へ

  • みらいと税理士法人|レポート作成の工数を削り、経営者との対話を能動的に

伊藤会計事務所|属人化していた面談準備を定型化し、新人でも同じ品質の報告へ

項目

内容

課題

顧客面談の準備内容や所要時間が担当者によって異なり、経験の浅いスタッフほど時間がかかっていた

metricsによる解決策

面談準備を「metricsで作成したウィジェットを順番に確認する」という流れに統一した

効果

準備時間を減らし、担当者が変わっても報告内容の質をそろえやすくなった

伊藤会計事務所様では、面談の前に何をどこまで確認するかが担当者ごとに異なっていました。そのため、経験の浅いスタッフほど準備に時間がかかり、報告内容にも差が出やすいことが課題でした。

そこで、面談準備を、metricsのウィジェットを決められた順番で確認する流れに統一しました。確認する項目と順番が決まっていれば、経験にかかわらず必要な情報を整理しやすくなります。準備時間を減らしながら、事務所内で報告内容をそろえられるようになりました。

担当者が変わっても同じ流れで準備できるため、前任者が使っていたウィジェットをそのまま引き継げ、報告の質も保ちやすくなりました。

エンジョイント税理士法人|試算表中心の報告会から、未来を話し合う場へ

項目

内容

課題

試算表を中心とした報告では、経験の浅いメンバーほど過去と現在の説明に時間がかかり、今後の話まで進みにくかった

metricsによる解決策

報告に使うウィジェットを法人内で統一し、日々の業務でもmetricsでの報告を意識して補足情報を入力するようにした

効果

経験による報告内容の差が減り、経営上の課題や今後の見通しについて話し合う面談が増えた

エンジョイント税理士法人様では、顧問先との面談を「過去・現在・未来」の順に進めることを大切にしてきました。しかし、試算表を中心とした報告では、経験の浅いメンバーほど過去から現在までの説明に時間がかかり、今後の話に十分な時間を使えないことが課題になっていました。

そこで、報告に使うウィジェットを法人内で統一しました。担当者が変わっても一定の内容で報告できるようにし、日々の業務でもmetricsでの報告に必要な補足情報を入力するようにしています。

数字がグラフなどで分かりやすく表示されるため、経験の浅いメンバーでも、確認すべき指標を示しやすくなりました。過去と現在の説明だけで終わる面談が減り、顧問先の経営課題や今後の見通しについて話し合う時間が増えています。

スタートアップ税理士法人|コストと見られていた経理代行を、投資と呼べる支援へ

項目

内容

課題

試算表を渡すだけでは、経営者が数字を経営や資金調達にどう生かせばよいか分かりにくかった

metricsによる解決策

freeeに登録された部門・品目・取引先などの情報を連携し、入力した内容がすぐにレポートへ反映される仕組みを整えた

効果

面談準備で迷うことが減り、経営戦略や資金調達の提案に時間を使えるようになった

スタートアップ税理士法人様では、経理代行の価値を経営者に十分伝えにくいことが課題になっていました。試算表を渡すだけでは、数字を経営にどう生かすかまで示せず、経営に役立つ「投資」としての価値を伝えきれない状況があったといいます。

導入後は、freeeに登録された部門・品目・取引先などの情報がmetricsに連携され、会計ソフトへの入力内容がレポートに反映されるようになりました。最新の数字をグラフなどで確認できるため、担当者はどの項目を見るべきか判断しやすくなり、経営者への説明にもそのまま使えます。

面談準備にかかる時間や迷いが減ったことで、経営戦略や資金調達について提案する時間を確保しやすくなりました。定例会議で話し合う内容も深まり、大規模な資金調達にもつながっています。

また、税理士や社労士などグループ内の各法人が最新の数字を共有し、それぞれの立場から連携して提案できるようになった点も特徴です。

みらいと税理士法人|レポート作成の工数を削り、経営者との対話を能動的に

項目

内容

課題

1社あたり1〜2時間、月に最大30時間を財務分析やレポート作成に使っており、担当者によって内容にも差があった

metricsによる解決策

API連携によってデータの取得と更新を自動化し、使用するウィジェットを統一した。さらに、AI CFOで数字の変化を詳しく確認できるようにした

効果

レポート作成の時間が1〜2時間から約3分に短縮され、今後の経営判断について話し合う時間を増やせるようになった

みらいと税理士法人様では、財務分析とレポート作成に月最大30時間を使っていました。時間をかけて資料を作っても、面談が数字の説明だけで終わりやすく、業種の特徴を踏まえた分析ができるかどうかも担当者の経験に左右されていたことも課題でした。

そこで、会計ソフトとのAPI連携によってデータの取得と更新を自動化し、報告に使うウィジェットも統一しました。さらにAI CFOを使い、「なぜこの数字が下がっているのか」といった疑問を、対話しながら掘り下げられる環境も整えました。

その結果、1〜2時間かかっていたレポート作成は約3分まで短縮され、今後の経営判断についても話し合いやすくなっています。支援中の5社すべてが過去最高の売上を更新し、対応できる顧問先も5社から10社程度まで増やせる見通しが立っています。

4つの事例に共通するのは、作業時間を減らすことだけを目的にしていない点です。生まれた時間を経営者との対話や提案に使うことで、事務所ならではの支援につなげています。

まとめ

本記事では、税理士事務所に差別化が求められる背景から、5つの方向性、サービス例、自事務所の分析方法、集客までの手順、ツールの活用までを紹介しました。

背景には、顧問先となる企業の減少、記帳業務の自動化、Webで税理士事務所を比較する人の増加があります。こうした変化に対応するには、これまでのやり方を見直すことも必要です。

差別化の方向性は、商品力・報酬体系・異業種連携・専門特化・提案型支援の5つに分けられます。大切なのは、話題のサービスをそのまま取り入れるのではなく、自事務所の実績や強みと、顧客のニーズが重なる分野を選ぶことです。

決めた方針を実行するためには、無理なく回せる体制も欠かせません。会計ソフトのAI機能や専用ツールを活用し、記帳や資料作成の時間を減らすことで、顧問先への提案や相談対応に時間を使いやすくなります。

まずは、現在の顧問先を業種や顧問料ごとに整理し、近隣の競合事務所を10件ほど調べてみるとよいでしょう。実際の情報を並べることで、自事務所が選ばれている理由や、今後力を入れる分野が見つけやすくなります。

Share on:
目次を読み込み中...

他の事例も読む

他の事例も読む

税理士事務所のDXとは?必要性・課題から具体的な進め方、手段の選び方まで解説

税理士事務所のDXとは何かをIT化との違いから整理し、求められる背景やよくある課題、4つの推進手段の選び方、実際に進めるためのステップまで解説します。

税理士事務所のDXとは?必要性・課題から具体的な進め方、手段の選び方まで解説

税理士事務所のDXとは何かをIT化との違いから整理し、求められる背景やよくある課題、4つの推進手段の選び方、実際に進めるためのステップまで解説します。

税理士事務所のDXとは?必要性・課題から具体的な進め方、手段の選び方まで解説

税理士事務所のDXとは何かをIT化との違いから整理し、求められる背景やよくある課題、4つの推進手段の選び方、実際に進めるためのステップまで解説します。

【2026年版】税理士事務所を差別化する方法・施策とは?集客につなげるSTEPも解説

顧問料だけで比べられない事務所になるために。5つの差別化の軸とサービス例、3C・STP・SWOTでの整理、集客までの4STEP、ITツールの活用までを解説します。

【2026年版】税理士事務所を差別化する方法・施策とは?集客につなげるSTEPも解説

顧問料だけで比べられない事務所になるために。5つの差別化の軸とサービス例、3C・STP・SWOTでの整理、集客までの4STEP、ITツールの活用までを解説します。

【2026年版】税理士事務所を差別化する方法・施策とは?集客につなげるSTEPも解説

顧問料だけで比べられない事務所になるために。5つの差別化の軸とサービス例、3C・STP・SWOTでの整理、集客までの4STEP、ITツールの活用までを解説します。

まずは30分、
実際の画面で体験してください

事務所で取り組みたいことを伺い、使い方と導入方法をご案内します。資料請求のみでも承ります。